2023年3月20日月曜日

スモールスタートの提案

 東北ブロック主催の「試験合格者の為の土地家屋調査士事務所開業ガイダンス」が先週末の3月18日に開催されました。参加者は17名でした。

私は今年も講師担当でしたので、午後の講義時間と懇親会の時間を合わせて、かなり長い時間をかけて参加者とお話ができました。講義時間より懇親会時間の方が長かったのですが(笑)


さて、毎年皆さんのお話を聞いていて感じることですが、開業について資金計画がまったくできていない方が多いことです。

他の業界で起業するのならもっと詳細を計画して行動をするはずですが、国家試験に合格した勢いなのか、開業したら何とかなると信じて、ほとんど考えていない方が多いです。

土地家屋調査士として事務所を開業されるのなら、開業資金がいくらかかるのか、そもそも開業に何が必要か、真剣に考えてみてください。


一番お金のかかるものはおそらく測量機器一式だと思います。

トータルステーション(TS)のモータードライブ付きでおおよそ200万円程度、ワンマン測量なら350万円程度、測量CADがオプション無しで100万円程度でしょうか。実は、実際に測量業務をするとすれば、他にスコップの果てまでその他の機材が結構必要です。

それらをリース等にしても最低でも毎月6万円程度からでしょうか。

この金額をどう考えるかです。実際に費用がかかるのは、事務所や他の設備など測量機器だけではないのです。


皆さんが開業したら、測量を必要とする業務がどれだけ見込めるのでしょうか。

かなり具体的に受託見込みがあれば、TS等の導入の検討も良いですが、特に受託見込みが無いのなら、最初からの導入は見合わせても良いのではないでしょうか。

仕事が来たときはTS等の測量機器は、購入しないでレンタルという手もあります。

少し仕事が潤沢に来るまで、あまり固定費を上げないことが肝要と思います。

同様に、大きな事務所や専用事務所は最初から必要だろうか、測量専用車が必要だろうか等々をしっかり考えてみた方が良いと思います。

開業にはリスクがあります。

たとえ資金があっても全額つぎ込まないことが大事です。

しばらくは仕事の受託が無くて、この資金が生活費になることが多いです。

ですから、この期間の生活費こそ開業資金だと思った方が良いと思います。

まずはスモールスタートを検討してみてください。

大きい事務所が理想なら、いずれ大きくすれば良いだけです。

一人で考えても、どうしても分からなければ、鈴木修塾(事務所開業・経営・運営編)を8月25日(金)~27日(日)に開催計画しておりますので、ご参加ください。その人に合った具体的な事務所経営戦略も含めて説明します。

土地家屋調査士   鈴木 修 ブログ: 今年の鈴木修塾の予定と参加申込み開始について (fermatadiary.blogspot.com)