2016年6月23日木曜日

「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin福岡」の事前質問について(その3)

土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin福岡について、様々なご質問をいただいています。
参加者には当日しっかり説明しますが、参加したいけれど、その日は予定が入っていて参加できないという声も聞こえてきます。
そのような方にも少しでも私の考え方をお伝えしたいと思い、このブログでも少し書いています。

さて、このガイダンス参加される方は、土地家屋調査士の方、これから土地家屋調査士を目指す方、様々な立場の方がいらっしゃいます。

やはり多くの方は、この業界の将来性はどうか、それに自分が適応できるのか、そもそも開業資金も実力もないのに開業できるのか・・・等々の疑問や不安があるのでしょう。

全部解決しましょう。
しかし、専門家としての生き方をお伝えするのですから、当然に厳しいことも言います。
たとえ合格率8%であっても、たった一度の合格程度では、専門家として何の役にも立ちません。
むしろ、そのたった一度の成功体験を引き摺って、謙虚に勉強を続けることができないのなら、やはり開業しない方が良いでしょう。
開業はできたとしても、業務としては続かないからです。

さて、今回のガイダンスで以下のような質問が有りました。

「業務報酬額がわからない」という質問です。
「良い本あるんだけどなぁ」とは言わずに(笑)、少しだけお答えしました。

「たとえば今までどうしてたの?
建物表題登記は?土地測量調査・分筆登記は?」

返ってきたお答えは、私が今まで聞いたことのない安い報酬でした。
「何故この金額でできるのだろうか?完全なコスト割れでちゃんとした調査測量ができているのだろうか?」

実際にお聞きしました。
「この報酬額は、何を根拠に積算したの?」

答えとして、単に「新人で業務に自信が無いので安くした」とのことでした。

あらゆるモノの値段には、適正な価格があります。
最低限の安全性を確保するためのコストがあります。
それを企業努力の中で下げる必要は有りますが、必須の調査まで省いたら、結局お客様の為になりません。これは、食品偽装などを考えても明確なことです。

報酬額が分からないということは、実は業務が分からないということです。
自信が無いのなら調査のどの部分にコストをかけるべきかも分かっていないでしょう。
コストがかかってもここを調べておかないと将来のトラブルになるなど、そこを自分が分からないから、世間にも説明できないのでしょう。

本当に自信が無いなら、安くするのではなく、そもそも受託しちゃダメでしょう。
根本的に間違っていますね。
それではお客様の為のように見えて、結局自分の売り上げのことだけを考えています。
専門家としての私達は、安かろう悪かろうの仕事ではありません。
絶対に、悪かろうが有ってはいけない仕事です。

医者が自信が無いから、他の病院の半額でやりますって言いますか?
それがお客様の為ですか?

でも、大丈夫ですよ。
ガイダンスに参加されるのだから、報酬も教えますが、仕事そのものをお教えしましょう。
今後の実力の付け方も教えます。