2016年6月18日土曜日

★私の本のよみ方(その8) ふせんノート術

私は、昔から文具にこだわってきたけれど、あの頃「文具」は趣味の分類に入れてもらえませんでした。
最近では、テレビ番組の中でも文具を紹介する特集があったりして、やっと文具を趣味と言える時代になりました。

出版物の中でも、近年は文具を扱った書籍も増えています。
その大半はカタログ的な書籍です。
カタログはカタログで確かに楽しいのですが、やはり文具は何かの目的のために使いこなして初めて文具です。
その使いこなしについての書籍も出ています。

5月25日に出版された本が「ふせんノート術」(晋遊舎)です。


その中に「先輩が教えるふせんノート活用術」というコラムがあり、そこで「先輩」として取材を受けました。

その中で、私は、2010年にこのブログで書いた「★私の本の読み方(その4) スライドメモ編」の応用ですが、コンピュータを開くことができない際に「ふせん」を代わりに使う勉強法を説明しました。

ちなみに「私の本の読み方」は、その1〜その7を新人の皆さんのために書きました。
また、よろしければ「土地家屋調査士試験合格者が読むべき書籍について」もご覧ください。


さて、その取材に以下の様に答えました。

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最初に私の読書法(勉強法)を説明します。

勉強のために本を読むときは、漫然と読みません。
どう考えれば良いかというと、「この本の内容を来月研修会で講師をする」というつもりで読むのです。
そうなれば、その本の全体構成を把握して、自分なりの論点を整理しなければなりません。また、その本の内容を理解するために、補助的な別の本や資料を調べる気になります。

私が新しい書籍で勉強する際には、環境が許す限り、コンピュータでパワーポイント等のプレゼンアプリを開き、そのスライドに直接要点をメモしていきます。
この方法は、2010年に以下のブログで書きました。

土地家屋調査士 鈴木 修 ブログ

★ 私の本の読み方(その4) スライドメモ編

なんらかの分野を体系的に把握したいとき、その分野の書籍を確認しますね。
読んだ内容を、何にどうメモしますか?

私は、パワーポイント等のプレゼンアプリを立ち上げて、メモを直接スライドに書き込んでいく場合があります。(ちなみに私はMacのKeynoteを使っています。)
昔流行った京大式情報カードに書き込んでいく要領です。

具体的には、私は、本のキーワードを箇条書きに打ち込んで、話題が変わる度にスライドを変えていきます。パワーポイント等にメモして、不足の部分を読書後に埋めます。
また、パワーポイント等にメモすると、後で紙の情報カードのように並べ替えが簡単です。

読み終わってからスライドを校正すると、その本の著者に代わってすぐに講義ができるスライドが揃っていますので、翌日には講義ができます。(そんなことはないか)

でも講義できるようなスライドとして意識して見ると、自分の為のメモに何が足りないかが分かります。そこを他の同じ分野の本を読んだり、ネットで調べたり、研修会を受講したりして、足りないと感じていたスライドを埋めたりします。
そうして自分のスライドが育ってくると、その分野は身に付いてきます。
また紙に手書きメモとは違って、ファイルの全文検索ができる事もメリットです。

この方法のポイントは、プレゼンアプリを清書でなくて、下書きに使うところです。


ただし、ノートコンピュータを持っていないこともあり、または持っていてもコンピュータを開くスペースがないことも多いものです。だから、最近はこのスライドの代わりに「ふせん」を使うことが多くなりました。その前提で以下の私の「ふせん」の使い方を読んでください。

●よく使っている「ふせん」の種類と、その理由

 文具としての「ふせん」が好きなので、かなりの種類を持っていますが、勉強で使用するのは75×50mmのものが基本です。
 本からキーワードを抜き出すためには5行程度は書くことができる広さが欲しいと考えています。上記のスライドの代わりですから。
そして、書き込んだ「ふせん」を、とりあえず本のページに貼っておくので、大きすぎる「ふせん」を使うと、1ページに数枚貼ると何が書いてあるページかわからなくなるという問題も発生します。
 この方法で様々なサイズを試して、この75×50mmサイズが自分としては最適になりました。
 色にはあまりこだわりません。(後述)

●数ある文具の中で「ふせん」ならではの利点

 「ふせん」の機能として、「好きなところに貼る」「はがす」が考えられますが、勉強する場面では、「移動できる」「ページ面積を増やす」なども重要な機能と考えています。
「ページ面積を増やす」とは、本の余白やノートに文字を書いてきてスペースがなくなったときに、「ふせん」を貼ってそれに書き込むことで、書き込む面積を増やすことができるという意味です。
 キーワード等を本に直接書き込む代わりに、本に貼った「ふせん」に書き込みます。
ひととおり読み終わり「ふせん」を加除してから、私の場合、それらの「ふせん」をそのまま本に貼っておかずに、別のノートに張り込みながら整理します。それをそのままコピーすると、勉強した書籍のサマリーになります。
必要なら「ふせん」と「ふせん」の間に別に調べた事項も書き込むことで、その分野のまとめ資料になります。

●「ふせん」の色やサイズに関して、使い分けのポイント

  「ふせん」のサイズは直接的に書き込む情報量に直結します。だから、用途に応じた丁度良いサイズは必ずあります。
私の勉強では、基本75×50mmの「ふせん」が丁度良い基本サイズです。
 もちろん、それ以外のサイズも使いますが、ノートに貼り込んだときにまとめやすいように、別サイズを使うときにも基本は横長75mmをベースにしています。つまり、基本サイズの75×50mmの半分(2〜3行書き込み)の75×25mmや、1、5倍(7〜8行書き込み)の75×75mmの「ふせん」を使います。
「ふせん」を別ノートに張り込んで、編集したり、ブレインストーミングしたりするのに、横サイズだけは合わせるようにしています。
 色も直感的情報として効果的ですから、抜き出すキーワードの種類によって色分けすることは意味が有ると思います。しかし、そのために使用する「ふせん」の種類が増えることで、勉強の自由度が下がる気がしています。
そこまで「ふせん」に意味を持たせると、出先で全色揃っていないと仕事にならなくなりますので、とりあえず私は色までは気にしないようにしています。
サイズの問題であれば、たまたま必要サイズの「ふせん」が切れても、問題は情報量ですから、とりあえず複数枚貼れば解決します。

●あらかじめ「ふせん」を使用する前に準備しておくと便利なこと

 とにかく「ふせん」に限らずに、なんらかの文具を仕事や勉強に使うと決めたら、絶対にその文具を切らしてはなりません。それがないと仕事や勉強ができなくなりますから。
 だから私は常に持ち歩いていますが、それ以外にも想定できるあらゆる場所に準備しています。
 たとえば、職場や自宅の机の引き出しの中やPCケースの壁などにはもちろん、ポケット、バッグ、ノ―卜の裏表紙などにも準備されています。

伊東屋の革製ふせんケース

75×50サイズ用のもの
気に入っていつも携帯しています。


書籍の裏表紙


 あたらしい本を読む前には、裏表紙や見返し等に「ふせん」を準備します。
これは六法ですので、文字を書き込むとすれば1〜2行程度なので、75×25mmのサイズがメインになります。
 ちなみに、私は長期間使う書籍にはタブのような見出しは使いません。そこからページが破れることがあるからです。
私は、この写真の小口のように、マーカーなどで色を塗ったり、小口に直接文字を書き込んだりしています。

PCケースに貼り込み

 「ふせん」を引き出しに入れると、いざというときに使えないことがあります。PCケースなど、あらゆるところに貼っておきます。

●読書やテキストの読み込みに「ふせん」を活用する場合の使い方

「ふせん」にキーワードや重要なセンテンスを書き込みながら本を読んで、その後「ふせん」を別ノートに貼り込みながら編集します。これが私の勉強法のキモになります。
 最後まで机で勉強できそうなときは、やはりプレゼンソフトに直接メモすることもあります。スライドを増やしたり、入れ替えたり簡単にできますから。





●ノートや手帳に「ふせん」を貼り付ける場合の使い方、貼り方や並べ方の工夫

勉強の際の「ふせん」は、いずれ別のノートに張り込む前提ですから、その書籍の該当ページに適当に貼っています。
 貼り替える先のノートは、書籍1冊あたりA4判1冊を使い切りにしています。
そのノートのページに、「ふせん」を少し離して貼ります。そこに様々な知識を書き加えるスペースを確保するためです。

●その他

 前述したように、すべての道具に言えることですが、その道具がなければ勉強(仕事)ができないと考えるなら、その必要な道具を絞ることです。何かがないだけで勉強(仕事)が進まないのは本末転倒ですから。
 そしてその道具を忘れないように常時携帯する工夫が必要です。
その必要とする道具が「ふせん」のように安いものなら、多数買ってあちこちに置きましょう。自分の勉強(仕事)の1時間ロスがいくらにつくのか考えれば、文具は本当に安いものです。

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さて、取材の概略はこんな感じでした。
初めての書籍を読む際の私なりの方法を説明したつもりです。
それがどんな感じで「先輩の教え」としてまとめられたのか。
書籍をご覧ください(笑)