昨年の映画です。
- ベテランCIAエージェントのイーサンは、余命3カ月を宣告された後、危険な仕事から足を洗い、残された貴重な時間を大切に使うべく、パリへと向かう。しかし、長年疎遠にしてきた元家族との関係は容易には修復できず、思春期の娘ゾーイとの溝は逆に深まるばかり。そんな折、切れ者の女エージェント、ヴィヴィから、延命効果のある新種の試験薬をエサに、新たな仕事を依頼されたイーサンは、それを引き受けることにするのだが…。
- (wowwowより)
ケビン・コスナー、渋いです。1955年生まれです。幾つになってもカッコイイです。
「ダンス・ウィズ・ウルヴス」が、私の生涯ランキングでも上位であり、昔からケビンコスナーは好きな俳優です。
この(元)CIAエージェントで娘に弱いという設定、そうそうあの「96時間」ですね。
脚本リュック・ベッソンだから共通ですか。
でも今回の主人公はコメディ色も多く、「96時間」とはテイストが違います。
ケビンは頑張っているのに脚本が残念な気がします。
なんか理屈がおかしいと思うのです。
この映画、不治の病の薬をもらうためにイーサンが最後のミッションを受けるという設定ですが、悪の組織にその取引を持ちかけられたのならまだ分かるけれど、依頼者はCIAでしょ。
そんなことするかな。薬は先に渡そうよ。
この余命宣告をした病院もCIA関係の病院のようだから、もしかしたらイーサンが嵌められたのかと思って見ていたら、病気は本当らしいし、なんか変ですよ。
そしてたまに倒れる病気のイーサン一人にこのミッションを任せて、他のCIAのエージェントはほぼ働かないけど、CIAって本当にそれで良いのかな。
イーサンに話を持ちかけた女性エージェントのヴィヴィは、本気でミッションを遂行する気があるのかな。なんかねぇ。まあ、美人だから許すけど。
コメディ要素は入っても構わないし、むしろ伝統的スパイ映画でコメディ要素はお約束の部分でもあるし。そもそもCIAで主人公の名前がイーサンって、ここからツッコみたいところだし。
何となくワザとらしい不自然な設定も多いですね。
イーサンの留守中に不法定住した移民一族などのくだりも、イーサンに家族を考えさせる存在だと思うけれど、もう少し自然に上手く使えなかったでしょうか。
家族関係が売りの映画ですが、残念ながらそこが上手くいってないように見えます。
ラスボスとの最後の偶然の出会いなどは、ご都合主義でオイオイって言いたくなったし。
薬の副作用を止めるのにウォッカを使うなら、それはその後のネタの伏線になっていなくて良いのか。最後にラスボスを殺すか殺さないかのシーンなどもおかしいと思います。
ネタバレして良いならもう少し書きたいけれど、とにかく、すべてに必然性が薄い映画です。
でもねえ、ここまで書くとまだ観ていない人に悪影響を与えてしまいますね。
この映画ダメではないです。
だって主人公はケビン・コスナーですから。
ケビン・コスナーファンでまだ観ていないなら観ましょう。アクションもカッコイイから。
アンバー・ハードも確かに美人だし、反抗期の娘ゾーイは最近売り出し中のヘイリー・スタインフェルドですね。
納得できない脚本だけど、ハリウッドなら名画といわれる映画の中でもそんな脚本はいくらでもあるし、この映画結局飽きないで見せちゃうんですよ。
仕事で忙しくて娘に嫌われている土地家屋調査士の皆さんには、身につまされる部分も有るかもしれませんし、だんだん娘との距離が狭まってくる自転車シーンなどに泣ける人もあるかもしれません。
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