全国各地で、大災害に関して「事前に何をしておけば良いでしょうか?」という質問を戴くことが多いです。もちろん、それが私たち被災地の責任としてお伝えしている一番のところです。
私も今までどおり、できるだけ多くお伝えするように努めます。
また前回ブログでお伝えしたように、被災3会共催の12月15日に開催する合同報告会「被災地からの発信」でも、できるだけ丁寧に、できるだけ分かりやすく、できるだけ詳しくお伝えするつもりです。
しかし、どんなにお伝えしても、埋められない部分があります。
被災には各々特異性があるからです。
私も東日本大震災が起こる前から、阪神・淡路大震災の勉強もしておりました。
その事前に勉強していたことで役に立ったことと、使えなかったことがあります。
使えなかった部分は、それは被災の性格が違うからです。
阪神・淡路大震災とは、被災面積が違います。
原発問題の有無が違います。
大津波の有無が違います。
被災地域の人口集積と主要産業が違います。
気候が違います。
国の姿勢が違います。
ですからどんなに丁寧にお伝えしても、今後起こるかも知れない大災害に対して、阪神・淡路大震災の事例も、東日本大震災の事例も、役に立つ部分と役に立たない部分が出てくるでしょう。
それを埋めるのはイマジネーションです。
私たちの話や報道を聞いて戴いて、それが自分の地域に起こることを想定してください。
津波が絶対に来ないところでは今回の大津波の事例は役に立たない部分かも知れません。
でも困ることを想定して、その場合具体的にどうするか考えておくことが、とても重要な対策になります。
- 運転している最中に大地震に遭ったらどうするか
- 寝ている間に大地震に遭ったらどうするか
- 仕事中に大地震に遭ったらどうするか
- 3日間家族と連絡がつかなかったらどうするか
- 4日間電気が止まったらどうするか
- 7日間あらゆる店が閉まって何も買えなかったらどうするか
- 10日間水が止まったらどうするか
- 14日間ガソリンが無かったらどうするか
- 30日間ガスが止まったらどうするか
- 家が潰れたらどこに非難するのか
- 家が無くなって家族と連絡が取れなかったら、どこで落ち合うのか
- 通院中の病院が潰れたら持病の薬はどうするか
- 介護中の家族の介護の継続はどうするか
- 事務所の貴重なデータはどうするか
- 調査士会会長始め役員の大半が亡くなったらどうするか
様々な想定をしてください。
何が困るか考えてください。
何が困るかは各々違うのです。
ね、困るでしょう。
でもこれらが具体的に想定できれば、それぞれ対策が立てられるのです。
この当たり前のことが何故できないのでしょうか。
それは全国の皆さんが、まだ他人事だと思っていることです。
自分の身に降りかかると本気で思わないと防災対策はできません。