40年前にセオドライトの10秒読みを買いました。私の開業時はまだ半数が平板測量を使っていた頃でした。
当時の先輩から「なんでそんなものを買ったのか、土地家屋調査士は10秒読みなんて精度は要らない」って言われました。
今は当たり前です。
次の年、東芝がワードプロセッサーを発表しました。机ひとつがワードプロセッサーという大きさでした。定価は600万円でした。
土地家屋調査士事務所で導入できる道具にはならないと皆思っていました。
今は当たり前です。
その後、光波測距儀が発表されました。ワクワクしてこの話をすると先輩たちは「あんなものは測量会社が使うもので土地家屋調査士には要らない」って言われました。
今は当たり前です。
その後GNSS(G P S)が出てきました。「測量が変わりますね」って言ったら、先輩たちから「あれは一部上場会社が使うものだから土地家屋調査士には関係ない」って言われました。
今は当たり前です。携帯電話にも入っています。
20年以上前、宮城県土地家屋調査士会の研修部で次期の研修を考えているときに、境界鑑定を意識して「民事訴訟法の基本」を企画しました。
ある先輩に「土地家屋調査士が民訴やってどうしたいの」と笑われ企画を潰されました。
今は当たり前です。ADRの前提として、民事訴訟法の基礎は土地家屋調査士の基本知識になっています。
今、君が興味を持ったり、取り組み始めたことは、君の価値観で始めたことです。それなら誰の意見や感想も不要です。自分の意思で始めたことだから、それでいいんです。自分で決めたことだから何があっても後悔はないでしょう。
そして、もうすぐ当たり前になるかも知れないのだから。