「ラ・ラ・ランド」
封切りの頃に観て、ゴールデンウィークで2回目を観ました。
もう語り尽くされている映画でしょうが、1回目ではブログに書く余裕がなかったので、今回書いておきます。
女優を夢見るミアとジャズピアニストのセバスチャンの物語。
オーディションを落とされ続けている傷心のミアが、ふとピアノの音色に誘われて入った店で演奏していたセバスチャンに会う。しかし、セバスチャンも好きなジャズを弾いたためにクビになったところであり、最悪の出会いになる。
その後パーティで偶然に再会した2人は、お互いの夢を語り、励まし合いながら、惹かれ合うようになる。
第89回アカデミー賞では、デイミアン・チェゼル監督が史上最年少32歳で監督賞を受賞したほか、エマ・ストーンの主演女優賞など計6部門で受賞しました。
久しぶりの「ザ・ミュージカル」と言うべき映画です。
ミュージカルが嫌いと言う人も多いでしょうが、実は私、ミュージカル好きです。映画も舞台も結構観ています。
この映画は、そんな我々が昔から慣れ親しんでいた数々のミュージカル映画を強く意識して作られた映画です。オマージュというか既視感のあるシーンが多いですが、まあ一歩手前で止めているところでOKです。
冒頭の渋滞のハイウェイでの群舞から、私はもう楽しかったです。
この映画に出てくる音楽もダンスも、とても上質なものだと思います。
物語もどこかで見たような気もする展開ですが、いつの世にも存在する個人の夢と2人の愛とのすれ違いでしょうか。
お互いの夢が叶わないうちは励まし合いながら心も一致しているけれど、どちらかが成功しかけるとそこに微妙な歪みが生じてきます。
夢を掴むまでがんばるべきなのか、相手のためにもどこかで妥協すべきなのか、このジレンマも良くわかります。私達の業界でも感じる方は多いでしょうね。
そして、2人が選択した未来は...
2人の夢は叶ったのか...
2人の幸せは叶ったのか...
ツッコミどころはたくさんあります。
たとえばセバスチャンがあんなにストイックにジャズにこだわっている設定なのに、彼から発せられる音楽は、彼の憧れているジャズとは言いづらいものだと思います。
ここは致命的だと思うのですが。
また、ミアの一人芝居の顛末についても、かなり強引なストーリーだと思います。
まあ、言おうと思えばいろいろありますが、ネタバレを避けたいし、この映画ではそんなことは本質的なものでは無いと思っています。
そもそもミュージカルにリアリティを求めても仕方ないと思っていますし、ミュージカル映画はファンタジーであって、その評価は「好きか嫌いか」しかないと思っています。
ええ、私は好きですよ。時間があればまた3回目を観たいと思っていますし、ブルーレイなどが発売されたら買うと思います。
まだ観ていない人は、お勧めです。
ミュージカル嫌いの人でも、そこまで違和感はないと思います。
そろそろ上映期間も終わると思いますが、できればミュージカルは映画館で観た方が良いと思います。
終盤のあのシーンが泣けるという友人がいました。
あそこが泣けるという人は、自分の人生に重ね合わせて泣けるのでしょうね。
「つかんだ幸せ」と「つかめなかった幸せ」ですね。
今度酒を飲んだときに追求してみましょう。