2017年5月5日金曜日

クリード チャンプを継ぐ男

「ロッキー」は好きですか?

「ロッキー」と言えば1976年のボクシング映画です。
アカデミー賞作品賞も取った映画で、シルベスター・スタローンを一気にスターに押し上げた映画作品です。観てない人も知ってはいると思います。
スポ根世代の私には、感情移入しやすい真正面の映画でした。
その後の仲間内のトレーニングのBGMは「ロッキーのテーマ」でした。あれは燃えます。

人気の映画ですから、続編が次々に出ました。
「ロッキー5/最後のドラマ」で終わったと思ったら、その後「ロッキー・ザ・ファイナル」が出て、「まだやるの?」て思ったりしました。

このロッキー・シリーズに「更にまた続編が出た」と昨年聞きましたが、さすがに食傷気味になっていたので、昨年は観なかったのです。
しかし、実は少し気になっていまして、このGWにやっと観ることができました。



「クリード/チャンプを継ぐ男」です。

結局観て良かったと思います。
今回は、さすがにロッキー自身がリングに上がって戦うのではないのですが。
今更ですが、私と同じように観ていない人のために、ちょっと感想を書きます。

あのロッキーのライバルで後の親友であったヘビー級チャンピオンアポロ・クリードに息子がいた。アポロが亡くなってから生まれ、なおかつ非嫡出子であった息子、アドニス・ジョンソン(ドニー)は、自分の父があのアポロだったことも知らないで育った。
その後、父を知り、自分に流れている血も知り、ボクシングを始める。
しかし、父のいたボクシングジムでは、満ち足りた生活をしているドニーをハングリーなボクシングには向かないと思っていて、ドニーは相手にされない。
どうしても強くなりたいドニーは、フィラデルフィアに行って、父のライバルであったロッキーを尋ねて、トレーナーになって欲しいと願い出る。
ロッキーは心身ともに歳を取っていて、ボクシングに戻るつもりはない・・・

こんな感じです。
今回の主人公はドニーです。

もちろんロッキーはトレーナーとしてドニーを育てます。ロッキーも主人公です。
父を知らないドニーにとってボクシング以上のものを与えます。

ドニーの
偉大な父を持つ息子の葛藤...
名前を隠して戦おうとする気持ち...
その後、偉大な名前「クリード」を背負って戦う決意...
そんな精神的な成長も描いています。

あとは、想像どおりの物語と、想像どおりの興奮と、想像どおりの感動が待っています。
それでいいんです。
この映画は間違いなくロッキーの続編です。
そしてドニーの最初の物語です。

シャドウ・ボクシングで、鏡の前の自分に向かっているドニーに、ロッキーが言います。
「そこにお前を睨んでいるヤツがいるだろう。最強の敵だ」
「おまえがリングにあがるたびに、そいつは立ちはだかってくる」
「それは、ボクシングでも人生でも同じだ」

それほど深いことは言っていません。
でも、いいですねぇ。
いかにもスポ根的な台詞です。

私達がロッキーで観たいところは、ちゃんと用意してくれています。
常連客のニーズを満たしながらも一見の客にも満足させるお店のような気配りが隅々までなされています。

ロッキーに対するエイドリアンのようなドニーに対するビアンカの存在や、アポロの妻でドニーとは血の繋がらないメアリー・アンによる愛情なども、ロッキーシリーズには欠かせないものです。

もちろん、ボクシングのシーンは長回しのとても迫力があるもので、ロッキーとアポロの死闘を勝とも劣らないものだったと思います。
「今回は別の音楽で、ロッキーのテーマは無いのか」と思っていると、「ここで来たか」というシーンで流してくれます。やはりこの曲を聞くとテンション上がりますね。
そして「早朝のフィラデルフィア美術館の階段」のシーンです。
「そうそう、これを見たかったんだよ」そんな満足感でした。

筋は単純ですよ。想像できます。
でも想像どおりだから嬉しいのです。
こんな映画が好きですねぇ。