2017年3月15日水曜日

明日ではなく今すぐ行ってください

私の開業ガイダンスを受講し、その後先輩の事務所に補助者として修行しに行って、開業直前の新人からご連絡をいただきました。

「さて、鈴木先生にお電話いただいておよそ1年経過いたしましたが、補助者の経験をしておいて助かりました。効率よく業務に通じることができました。そこで、この一年の私の成果を鈴木先生に把握していただくため以下に記します」

この後に土地や建物がどこまでできるようになったかについて説明がありました。
どれくらいの正確さでできるようになったのかメールでは分かりませんが、いわゆる土地家屋調査士法第3条の業務に関して、一般的な経験はできたようでした。
彼のメールは続きます。

「また、この一年で課題も見えてきました。私は道路関係の法規のことや、都市計画上の制限、上下水道、消防などの手続き、税金などほとんど知識がないです。
(中略)
実は、2か月ほど前にこれらの法規に強くなってから開業した方が得策かもしれないと考えました。しかし、県外等も含め適当な修行先を見つけらる保証もないので、開業しようと考えております」

実際に修行したからこそ、課題が見えたのですね。
そして、その課題を学ぶために修業先が見つけられそうもないので、開業しちゃおうと言うことですね。
確かに補助者の立場で事務所に勤めていても、これらすべてを学ぶことは難しいでしょうね。確かに自分で開業してしまわないと身につかないかも知れません。
そこで彼に聞いてみました。

「確かにこれらの課題を克服しないと、様々なお客様の相談に対応できないかも知れませんね。これらの知識があるからこそ適切な登記の提案ができるのでしょうし。
それでは2か月前に気が付いたこの課題について、あなたは解決のために何をしましたか?」

この問いに彼は答えられませんでした。
彼は課題を見つけているのに、2ヶ月間何もしていないようでした。

「何もしていない人には、時間が解決することもありませんよ」

「近くに本屋がありますか?
・・・その本屋なら仙台にもあるから知っています。遅くまで開いていますね。
今から5000円持って行って、専門書でなくて良いですから、それらの分野の本であなたが読みやすいと思うものを何か買ってください。
5000円あれば必ず買えますから」

「まずはそれを読みましょう。
一冊読めば、次に読みたい本が見えてくるはずです。
動けば、答えが見えてきます」

明日ではなく今すぐ行ってください

何か問題に当たったときに、ただただ動かない人がいます。
問題が何か特定できているのに、何を待っているのでしょうか。

課題が解決できなければ、一人前の土地家屋調査士になれないのですね。
分かっているのに、何故動かないのでしょうか。

待っていれば3か月後に○○先輩が教えてくれるなど、具体的に解決できる根拠があれば良いのですが、そうでない限り自分で解決のために動かなければなりません。

これからは、誰にも依存できないのです。
それが独立開業というものです。