2010年2月7日日曜日

いきなりはじめる浄土真宗

私土地家屋調査士を開業したときは、補助者もした事が無い素人だったのですが、実は学校の専門も法律でも測量でも無いのです。大学の専門は理学部生物学科でした。まあレンズは覗いていたのですが、望遠鏡ではなく顕微鏡でした。

何をしたかったかというと、生命哲学を勉強したかったのです。
高校生の生意気なときに「人間は何故生きているんだろう?」と思っちゃったんです。
それで生命哲学を学ぶのに生物学科に行くというのも勘違いだったのでしょうが、当時は机上の学問ではなく生命の原点の本物に触れなければならないと本気で思って勉強していました。
その頃宗教哲学も読みまくったのですが、今になって思うとさっぱり理解できていませんでした。当然そんなレベルなので、一応生物の教員免許は持っていますが、就職はまったく違う分野を選んだのですよ。

さて、内田樹の研究室というHPがあります。
私の楽しみにしているページの一つです。
内田樹(たつる)先生は、現在神戸女学院大学文学部総合文化学科教授です。専門はフランス現代思想ですが、著書は多くの分野にわたり興味深い本がたくさんあります。
この先生の本を読んでいて、私は哲学にしがみついたり、大学に残らなくて良かったなと思っています。でも土地家屋調査士になったのが正解かどうかはまだ不明ですが。(笑)

その内田先生のHPの中にインターネット持仏堂という部屋があり、釈徹宗という浄土真宗の僧侶がお堂を開いているという設定です。現在は、この部屋(お堂)に釈住職はお留守ですが、過去ログが残っていますので是非読んでみてください。素人の素朴で根源的な質問内容が凄く良く、それに対する答えが本当に丁寧で素晴らしいのです。

このインターネット持仏堂から出たこの本が「いきなりはじめる浄土真宗」なんですが、これも良いんです。上記HPに興味を持った人にはお勧めです。この内田先生が宗教上の疑問を投げかけ、これに交換書簡により釈住職が答える形式をとっています。
縁、因果、自由と宿命、仏教、死、悟り、日本人の宗教性 etc.

たまに忘れた頃に、続編の「はじめたばかりの浄土真宗」と一緒に読んだりしています。私にはその度に新たな気づきがあります。


釈徹宗
1961年生まれ。龍谷大学大学院文学研究科真宗学専攻博士過程単位取得。大阪府立大学大学院人間文化学研究科比較文化専攻博士過程修了。学術博士。専攻・比較宗教学、現在、龍谷大学、相愛大学講師。浄土真宗本願寺派如来寺住職。主著に『親鸞の思想構造』(法蔵館、2002年)。