2022年11月17日木曜日

一人前の専門家になりたいのなら相談相手を選ぶこと

以下は、鈴木修塾に申込みがあった土地家屋調査士2年目のSさんからの相談内容の冒頭に書かれていた文章です。

「実務経験をつまないで開業したため、やったことがない案件にとても不安になる。師匠がいません。」

ちょっと心配になったので、1月の塾を待たずに、本日Sさんに電話しました。


鈴木「受託して分からない案件はどうしているの?」

S「ネットに質問しています」

鈴木「地元に誰か頼りになる先輩はいないの?」

S「特にいません」


新人土地家屋調査士には、こんなことが結構あるようです。

質問先は、ネット内の新人土地家屋調査士が多いコミュニティのようです。友達としてのお付き合いなら良いのですが、業務のアドバイスを安易に質問することはとても危険だと思います。もちろんその人たちからのアドバイスが間違いとは言いませんが、実際に理論的な面であいまいな回答を耳にすることがあります。やはり経験と理論のどちらも兼ね備えた人のアドバイスは絶対に必要です。

質問に対する回答が、単に「俺が補助者の頃に、こうしたら登記が通った」程度の回答かもしれません。しかしそのケースは、その回答者(当時補助者)が知らない場面で、事務所の土地家屋調査士が何らかの配慮や処理をしていたかも知れません。

また、登記が通っても10年後や20年後に問題が発生することもあります。理論に基づかない浅い経験の中で議論しても、理想的な答えがでず、表面的で危険な答えが出ることも多いはずです。


地元に頼りになる先輩がいないのではなく、Sさんに探す気が無いからということはありませんか。Sさんにとって先輩は敷居が高く、探して、実際に会いに行って、教えをこうことについ二の足を踏んでしまっているのではないでしょうか。

だから、新人同士の気軽なコミュニティで会話しているのでしょう。

この姿勢はプロとしてどうでしょうか。


本来、補助者経験は有った方が良いですが、それをしてないということは、きっといろいろ事情があったのでしょう。そこは仕方ないですが、他の方は厳しい?補助者修行を経験しています。補助者を選択しなかったのなら、他の人達以上に自分を律して厳しく勉強しなければならないはずです。

安易にネットで調べる、先輩は敷居が高いからという理由で避ける、そして連絡しやすい新人達のコミュニティに不安や疑問を質問することで済ませようとしているのだとしたら、これから先、そのようなレベルでは大切なお客様を守れません。そして、いずれお客様に見透かされてしまいます。

まずは頼りになる先輩と思える方に手土産でも持って挨拶に行きましょう。ただし、友達作りではないので、選ぶ基準を間違えないでください。


Sさんの当面の質問には、電話で全部答えました。その案件をベースにして、質問されていない業務拡大のやり方も教えました。ネットでなければ、聞かれたこと以外までも教える先輩は多いと思います。

しばらくは、私に質問をいただければ答えることにしました。ただし現場を見なければ答えられない質問もあるはずです。だから地元の先輩とのコミュニケーションも頑張って作るべきです。

Sさん、応援しています。