先日、土地家屋調査士法人に所属している新人と話す機会がありました。
土地家屋調査士法人に入る動機はいろいろあるでしょう。
一生法人で様々な仕事をしてみたい。
開業までの力を付けるために法人に所属したい。
近年、資格試験合格者がすぐに開業する自信が無く、また開業資金も無いので、とりあえず土地家屋調査士法人に入るという後者の理由が多いようです。
私がお会いした新人もいずれ独立するつもりだそうです。
その新人に「開業するのはいつですか?」と聞いてみました。
「えっ?」
決めていないようです。
おそらく「その時期が来たら」「力が付いたら」というつもりでしょう。
期限を決めていない人は絶対に独立開業はできません。
おそらく法人をクビになったときに、どうしようもなくて開業する程度でしょう。
たとえば「金が貯まったら」家を建てるという人がいたとします。
その人は、おそらく一生建てられないでしょう。
実際に期限を決めずに1千万円以上の大金を貯めるということは、とても難しいことだと思います。
何年で支払うと決めてローンを組んで買えば、必ず何年後かには家は自分のものになります。もしローンという借金をしたくないからといって貯金するなら、尚更余程の計画と実行力を持っていないと無理ですね。
さて本当に独立したいなら、例えば3年とか独立する期限を決めましょう。
そして3年後に独立するなら、今何が足りないのかを分析しましょう。
そうであれば、2年後までに何を得なければならないのか、1年後までに何を備えなければならないのかを考えて行動しましょう。
所属法人にもその希望を伝えましょう。
人数のいる法人なら分業制になっていて、多様な仕事をする機会が無いかも知れないからです。
3年経ってみて、何か事情が変わって、期限を変えることは構わないと思います。
期限を決めていないこととはまったく違います。
あらゆることは期限を決めなければ為し得ないのだと理解してください。
それが理解できなければ、独立開業してからもお客様に迷惑をかけるでしょうね。