2024年8月11日日曜日

「そのときになんとかする」は無理 事前に熟慮する

今回の南海トラフ地震臨時情報の発表に関して、 東日本大震災の被災地から発信させてください。

東日本大震災に遭う前の私も含めて、とにかく日本人は嫌なことを考えることを避ける傾向があると思っています。おそらく古くから「忌み言葉を避ける文化」や「不吉なことを口にしない文化」が存在するからだと思っています。

その結果「今は考えたくない」「そのときにどうにかなる」「そのときになんとかする」という気持ちになりがちです。

以前は私自身がそれに近い考え方でした。それが大震災を経験したことで、まったく考え方が変わりました。


「そのときになんとかする」は無理です。

「そのとき」は考える時間がないのです。だから普段から「考えるのが嫌でも」「現実感を持って」熟慮しておかなければならないのです。

震度7以上の地震が起きたら、自分と自分の周辺に何が起きるのかを客観的に分析して、そのときにどんな対応をすべきかを考えておきましょう。

細かな論点はたくさんあります。避難してからの生活の話はまた別に書きます。

まずは発災時に、家族の命が助かることに絞って考えましょう。

例えば大地震が起きたとしたら、現在の自宅や塀やその地盤は震度いくらまで耐えられそうか、耐震構造などを確認しておきましょう。
例えば津波が来たとしたら、避難すべき場所に建っているのか、ハザードマップなどで調べておきましょう。

調べた結果、自宅が地震の振動や津波に耐えうる環境なら、避難は自宅で良いでしょう。

そうでなければ、安全な避難所と避難経路を家族で確認しておきましょう。

いつ何時地震が起きるか分かりません。家族がそれぞれ一人でいるときかもしれません。

そのときは、家族に相談したくても、家族に指示を出したくても、電話は通じないことが想定されます。

もし連絡が取れなくても、まずはどう行動するのかをお子さんでも理解できるように家族みんなで事前に話し合って、定期的に確認しておきましょう。