2023年11月19日日曜日

都会での開業のほうが優位なのでしょうか 大阪ガイダンスの事前質問

12月の大阪ガイダンスに参加されるTさんからの事前質問です。

 「事務所を開設するにあたり、都会での開業のほうが優位なのでしょうか。私は、○○県出身、現在大阪在住です。○○県に帰るとなると、実家が使える等メリットがありますが、仕事があるのか、報酬が少ないのではないか、と思っています。現在は、大阪で実務経験を積み、将来的には大阪で開業をしたいと考えています。」

「土地家屋調査士としてどこで開業するか」という判断は、一番最初の関門でしょう。

私の回答は、「単純に有利不利だけではなく、その人の家族やライフスタイル、大きく言えば本人の人生観によって選んだ方が良い」といつもお伝えしています。

以下を説明するにあたり、表現が不適切なのかもしれませんが単純化するために、「都会」と「田舎」という表現で説明させてください。

「開業地を都会にするか田舎にするか」という論点ですが、まずはそれぞれの土地で求められる仕事の内容が異なると思います。

都会はより高い専門性を求められがちです。逆に田舎はより広い知識が必要です。
都会はたしかに仕事が多いかもしれませんが、同業者も多いのです。その中でお客さまがTさんを選ぶとすれば、Tさんには何が必要でしょうか。ダンピング競争は無理です。よほどの資本が無いと安売り競争はできません。
だからTさんに何らかの特徴(専門性など)が必要になります。何も無ければただ待っていても仕事は来ないでしょう。もちろん「誰よりも広い知識」もひとつの尖った専門性です。

田舎は仕事が少ないのですが、その分同業者も少ないです。
業務内容は、専門性を磨くのは当たり前ですが、むしろ土地家屋調査士分野に限らず様々な個人的な相談も受けてはじめて仕事になることが多いでしょう。

たとえば、心臓外科手術において日本一の医者が田舎にいても、多くのニーズはないはずです。尖った専門性を持った医者はやはり都会で勝負すべきでしょう。
その反面、田舎なら「難しい手術は大病院に廻しても、広範な分野でしっかりとした見立てができる」良い町医者が求められます。

また、都会なら「実力の世界」ですから、努力してトップレベルの実力を保つつもりがあるのなら、年齢が若くても仕事は見込めるでしょうし、逆に実力を付けなければ何年やっていても仕事は来ないでしょう。
田舎なら土地家屋調査士の人数が少ないという現実的な面から「ある意味順番を待っていれば、いずれ仕事が来るようになる」というニュアンスは都会より残っていると思います。

まずはご自分の性格と、ここからの将来に求めるライフスタイルを再確認した上で選ぶ。それなら、どちらも正解だと思います。

ガイダンスでもう少しお話を伺って絞っていきましょう。
応援します。