大阪のガイダンスを受講されるTさんからの事前質問です。
「私、土地家屋調査士試験の勉強中の全く畑違いのサラリーマンです。妻は宅建士を持っていて、注文住宅会社のパートをしています。妻は行政書士の勉強中です。合格後、妻と二人で事務所を構えて開業を目指しております。」
Tさんは、その奥様と一緒にガイダンスの受講申込みをされています。
いつも書いていますが、サラリーマンから独立開業という選択は、収入も時間も含めて家族の生活全体に大きく影響が出ます。ですから、ご夫婦で私の話を聞いて、その上でしっかりとお二人で議論して将来を決めることはとても良いことだと思っています。
実は「妻と一緒に事務所をやっていきたい」「妻を補助者にしたい」「別の資格を持った妻と合同事務所をやりたい」等々、これに類似する質問は毎年多く、今回もこのほかにもSさんとMさんからも同様の質問を受けています。
また、これは鈴木修塾の開業・経営編でもガイダンスでも必ず出る話題です。
これらの質問に対しては、お二人のご事情や考え方をしっかり伺わないと適切なアドバイスができないと考えております。
塾ではしっかりと時間を取って分析していますが、時間の無いガイダンスでも、皆さんとご家族の今後の人生がかかっている質問ですから、通り一遍の答えにはしないようにしています。
ですから、TさんとSさんとMさんには全員同じ答えになるとは限りません。
ただし、今日は考えるヒントとして、一般論だけは書いてみましょう。
「開業したばかりで資金的に誰かを雇う余力が無いので、家族を使いたい」ということが奥様と一緒に事務所をやる一番の理由なら、「やめた方が良い」と答えると思います。
確かに開業してすぐは仕事も少なく、収入は厳しいことが想定できます。そのときに補助者が奥様なら、たいして給料を払わなくても問題ないだろうという考えなのでしょう。
しかし、その状況では二人で収入がないのです。奥様が、同じ時間を外で働いていたら、必ず収入があります。むしろその方がリスクは少ないはずです。
では、「妻が行政書士や司法書士などの別の資格者なら良いか」という問題はどうでしょうか。それは、奥様のその業務の稼働状況によるのではないでしょうか。
十分な仕事量が無ければ、やはり事務所以外からの収入もしばらくは有った方が良いと思います。公務員でもないので、兼業はできるのですから。
現在、Tさんの奥様は、パートとはいえ宅建士の資格を持って仕事をしているのですから、簡単に解雇も無いでしょうし、どうしても我慢できない嫌な職場でなければ、もう少し頑張ってもらった方が良いかも知れません。
また、別の論点をお話ししましょう。
奥様が事務所にいるということは、職場でも家庭でも一緒ということです。
どんな仕事でも嫌なこともあります。「妻と一緒なら我慢できる」という微笑ましいメンタルの持ち主ならそれも理由として有りでしょう。ただし、日中仕事で嫌なことがあったときに、家に帰ってからも奥様と同じ話題で落ち込んでいるかも知れません。リフレッシュする時間が無くなるかも知れません。
この問題も人によっては大きな意味を持つかも知れません。
これらの質問に具体的に答えるときは、あくまでもお二人の事情やお話を伺った上で答えたいと思います。
TさんとSさんとMさんは、ガイダンスの当日、参加される他の方々の中ではお話しできないような事情があるのなら、再度事前に詳しいメールを送ってください。当然ですが、内容は秘密にします。その上で個々にアドバイスしたいと思います。
とにかくご夫婦でしっかりと話し合いをして、家族の未来のために共通の理解のもと、土地家屋調査士に向かってほしいと願っています。
皆さんと皆さんの家族を応援しています。