2017年10月3日火曜日

何も理解しないで行動しても未来はない。どんなに理解していても行動しなければ未来はない

私は、地元の研修会を企画する立場と、全国の研修会に講師で伺う立場と、どちらも長年経験しています。その経験の中で、研修会についてとても感じていることがあります。

このブログでも何度も似た話をしていますが、私達の業界の研修会は教養研修ではありません。今若しくは近い将来に必要な知識や考え方を学ぶところです。
そして受講したら、それらを身に付けるためにもすぐに行動すべきものです。

そういう視点で業界を見れば、専門知識に「もう、これで良い」という究極の知識は存在せず、一つを学べば次々と身に付けるべき課題が果てしなく現れてくるはずです。
これらを独学で身に付けることは、時間的にも経済的にもとても大変なので、組織で効率よく学ぶ機会を作るのが研修会です。

世の中は急速に動いています。5年後も10年後も日本の専門家でいたいのなら、急流の先を見ながら、たえず泳ぎ続けなければなりません。
急流の方向を見定めることと、泳ぎをやめないことの、どちらかでも止めると溺れることになります。

まずは目指すべき「グランドデザイン」「目標」があり、
そしてその目標に対して、現在の我々に何が不足しているか「検証」し、
その目標に不足している能力を身に付ける「手段」が研修です。
研修会は「目的」ではないのです。

ですから、研修担当者が何を企画して良いかが分からなかったら、その方は業界の今後に目標が無い人なのでしょう。
また、受講者が研修会を受講して「良い研修を聴いた」と満足して動かなかったら、やはりその方も自分の事務所は関係ないと思っている方なのかも知れません。

私の研修会のリピーターが「先生、今日受講して、目から鱗が落ちました」と言ってくださることがあります。リピートしてくれるのは正直嬉しいですが、「あなたは何枚鱗があるのですか?」と聞きたくなることがあります(笑)。

忙しいのは分かります。
私達のような資格者の事務所は、忙しくなければおかしいのです。
皆さんも忙しい事務所を目指してきたのでしょう。
だから、忙しい時間調整の中で、行動するしかないのです。

研修会で何か感じることがあれば、身に付けるために、すぐに動きましょう。
皆さんのお客様と事務所経営のためになるはずですから。


何も理解しないで行動しても未来はない
どんなに理解していても行動しなければ未来はない


以下3年前に書いたブログです。

「Next Innovation」2014年11月27日木曜日

週末は岡山に行って来ました。
第11回全国青年土地家屋調査士大会in岡山参加し、なおかつ基調講演とパネルディスカッションのパネラーをさせて戴きました。
基調講演でリクエストを戴いたテーマは「Next Innovation」




'innovation' 改革、革新語感としても格好良いですね。
では何のどの部分をどのようにイノベーションするのでしょうか。
そこをしっかりと考えずに安易にイノベーションと言うのなら、目的と手段を取り違えていることになります。
イノベーションそのものが目的ではありません。
グランドデザインを想定して、その上で現実を把握分析して、そのギャップを埋めるために戦略・戦術を共有しながらイノベーションするのです。
イノベーションは手段です。

まずは簡単にイノベーションと言わずに、まず過去から現在までの状況を調査し、分析し、理解します。そこにどんな問題があるのかを考えます。
歴史に淘汰されて来たやり方には何らかの意味が有るはずですから。
まずはそこをしっかりと理解しなければなりません。
その上でのイノベーションでしょう。

そして世界の潮流がどんなメカニズムでどのように動いているのか、それを理解しないで自分たちの勝手な正義を振り回しても、変化する世界に対する現実的な対応になりません。



それらを理解した上で、更に適切に行動しなければイノベーションにはなりません。
居酒屋で改革を一晩語っても何も変わりません。

ドラスティックな改革も揺り戻しが多いものです。
それでは自分が気持ちよいだけで、本当の改革にならないことになります。
自分が改革の旗手になるという名前を残したいと思うから性急な行動になるのでしょう。
それは改革の旗手になることが目的になっているからです。

目的と手段
グランドデザインと戦略・戦術
理解と行動

それらを再度確認した上で、具体的各論をお伝えしたつもりです。
次の世代を担う青年達には特に「目的と手段を取り違えない」ように願っています。