2016年10月20日木曜日

カクノ kaküno について書くの

『鈴木先生。おはようございます。
先日、パイロットの「カクノ」という万年筆を入門用に購入しました。
定価1000円とのことでしたが、ディスカウントストアで650円で入手しました。
書き心地もインクの微妙な濃淡も万年筆!って感じです^^
どうでもいい報告ですいませんでした。
しかし、文房具を手に入れてその喜びをワーイ!って共感してもらえる人が
そんなにいないので、ついメッセしてしまいました!失礼しました!』


九州のTMさんからの嬉しい報告です。

私も子供の頃から文具好きでしたが、自分で他の人に比べて特に好きだという自覚はありませんでした。
新しい文具に心がときめいたりしたのですが、他の人はそれほどでもなさそうで、とてもつまらない思いがしていました。
高級な万年筆などについては古くから全国に愛好者の情報交換がありましたが、「一般的な文具が趣味です」なんていう人の市民権は、つい最近のものではないでしょうか。

だから、TMさんの喜びと誰かに伝えたい気持ちはとても良く分かります。

さて、カクノkakuno(正確にはuはウムラウトü)ですが、私も持っています。
そういえば、カクノについては、このブログで書いていなかったと思いましたので、ちょっとだけ紹介をします。

カクノは定価1000円ですし、TMさんのおっしゃるように実売はもう少し安く、気軽に買うことができます。
カクノは、確かにパイロットでは万年筆の入門の位置づけのようで、中に入っている説明書も子供向けに書いています。
しかし、入門用万年筆と言っても、侮れないペンで、とても人気の有るものです。
入門用だからチープなのではなく、入門用だから初心者に心配りをした作りになっているということです。

私も、はるかに高価な値段の万年筆も持っていながら、私のペン入れの中にこの万年筆も外せません。



こんな形状です。キャップはオレンジ、ピンク、レッド、ライトグリーン、ブルー、グレー、ソフトピンク、ソフトブルー、ソフトバイオレット、ソフトイエローが有ります。

ちなみに、キャップは私のテーマカラー(いつ決まったんだ?)のオレンジを選んでいますが、インク色に合わせて何本か欲しいですね。



キャップを取ったところです。

このカクノですが、子供を含む初心者に対する前述の心配りによる様々な工夫がなされています。

ペン先を見てみましょう。
光って分かりにくい写真ですが、ペン先に笑顔のマークが刻まれています。
パイロットの説明書には
「ペン先には、書くのが楽しくなるえがおのマークが。書くときはマークを上にして。」と書かれています。
笑顔マークを上にすると、ペン先が自然に正しい位置に来ます。子供には良い説明方法なのでしょう。
グリップが三角形です。三角形の軸はステッドラーのペンなどにも見られる工夫ですが、実際に円筒形より持ちやすいです。子供の手にもフィットすることでしょう。




キャップの先には少しくぼみがあります。
キャップを明けるために引っ張るときに滑らないように、少しのくぼみを付けたようです。
またキャップの端には突起があります。転がり防止だと思いますが、軸もキャップも六角形なので、これが無くても転がりにくいペンです。
六角形は鉛筆と同じで違和感も少ないでしょう。

また特殊合金製のペン先は硬めです。
万年筆を使い込んでくると柔らかいペン先を求めていくものですが、ボールペンや鉛筆に馴染んだ方々からすると、やはり最初の万年筆は硬めのペン先が一番馴染むでしょう。
そういう意味でもこの硬さの調整も初心者に配慮したものだと思います。

この万年筆は買いですよ。
当然コンバーターも使えるので、様々な色の瓶のインクも使えます。
万年筆を持っている方でも、カクノは安いので普段の万年筆と違う色を楽しむために1本買っても良いと思います。

ちなみに私はBrownを入れています。