3月3日は私の土地家屋調査士事務所開業35周年の記念日でした。
5年前の3月3日に30周年記念日のブログを書きました。
30周年を迎え、少し休みを取ってリフレッシュしようかと思って、振り返りながら書いたブログでした。
しかし、その1週間後にあの東日本大震災が起こって、災害対策本部長として震災対応等で土日の休日すら無くなり、土地家屋調査士会の会長も辞められなくなり、結局6年間つとめました。
あれから5年走り続けています。
私の土地家屋調査士人生は、走り続けなければならないのでしょう。
35年前の開業当時のことは覚えています。
ひとつひとつが不安で、ひとつひとつを頑張って、ひとつひとつが解決して、ひとつひとつを喜んで・・・
すべて印象に残っています。
あの頃は、明日のことが不安でした。
大学生の頃のアルバイトでさえ1年先までの約束ができるのに、社会人になってから明日の約束の無い世界はとても不安でした。
でも、専門家として個人事務所を開業するということは、そういうことなのです。
結局、未来が大丈夫という確固たる根拠なんてありません。
私の納得の仕方は「去年もなんとかやれたから今年もやれるだろう」ということでしかありません。
私の友人から教えていただいた話です。
野上照代さんという人がいます。
「羅生門」でスクリプターとして参加して以降、黒澤明監督のほぼ全作品に関わり、後に黒澤プロダクションのマネージャーにもなる方です。
その野上さんの若い頃に、黒澤監督が言った言葉だそうです。
「毎日毎日うすい紙を1枚1枚めくっていくと、いつかは分厚い本になる。のんちゃん、仕事ってそういうものだよ。」