2014年4月14日月曜日

LIFE!

とても評判が良い映画です。

ウォルター・ミティー(ベン・ステイラー)は、長年LIFE誌の写真管理部で働く真面目な社員です。彼はとても内気で、社内に思いを寄せる女性シェリル・メルホフ(クリステン・ウィグ)に話しかけることもできないでいます。
そんなとき彼は、何かと空想の世界に入り、その中で彼はヒーローとなり、どんなことでも可能になりました。

そんなウォルターの勤めるLIFEはオンラインに移行するために廃刊が決まりましたが、その最終号の表紙を飾るはずの彼に送られてきたネガが見つからないので、彼は窮地に立たされました。
ウォルターはそのネガを探すため、その写真を送ってきた写真家のショーン(ショーン・ペン)を探す旅に出ます。そしてその旅の中で、ウォルターは大切な何かを学ぶのです。

さてこの映画の感想です。
私の友人たちが「良かった」と言っている映画ですので、皆と一緒に「良かった」と書けば無難なブログになるのですが、実はこの映画、私はそれほど良かったとは思いませんでした。

そこをネタバレをしないように書かなければならないのですが、観ていない人にはこの感覚が伝わるか疑問ですので、気をつけながらも少しネタが想像できる書き方になるかもしれません。
それで困る人は以下は読まないでくださいね。

さて、さすがに写真誌のLIFEを扱っているので、この映画の映像、グリーンランド、アイスランド、ヒマラヤなどの自然の風景についてはとても壮大で美しく、そこにはとても惹かれました。
またウォルターの空想の世界では過去の映画のパロディがいくつか出てきます。その楽しみも有ります。(これも私には邪魔だったけれど)
しかしショーンが送ってきたはずの25番目の写真が何故無かったのかという部分の話しの作り込みはどうも納得ができません。途中解雇されながらも主人公のウォルターがショーンを追いかけて世界中を旅する原因だったのだから、物語としてもう少し別の理由が欲しかったと思いました。

まあ百歩譲って、ウォルターが旅に出て大事なことを学び、顔つきも変わって来たこと、そして、あれだけ空想の世界にトリップしていたのに、空想はいつの間にか減ってきたこと、それはウォルターが、空想ではなく現実の世界の冒険を通じて得たものだから、原因は何であれ、良かったでしょ、と言う映画と納得すべきなのでしょうね。

特に写真家ショーンがヒマラヤで被写体を見つけてとった行動と言ったセリフは、この映画として重要なテーマでしょう。だから彼の旅は「結果論として」貴重だったことになります。
しかし、ウォルターがあそこまでの冒険の旅をすべき「動機としては」どうなんでしょう。

そして25番目の写真が何だったのかは、この映画のキモになる訳です。
この映画のここに感動している人が多いようです。
ここでも表現されている意味は分かるつもりですが、ちょっと違和感があります。
これが写真の答えなら、ウォルターの冒険の旅による成長物語は必ずしも肯定されている訳でも無いと思うのです。
まあここも、冒険の旅を経たからこそ、写真のありかについても写真の内容についても、振り返ってみて意味がわかった私の人生(LIFE)と理解すべきところなんでしょうね。


「毎日同じ生活を繰り返していますか?」
「この映画の主人公は、あなたです」
というこの映画の予告編のフレーズについても
「他人から見て毎日同じ生活に見えて、実は毎日冒険しているのさ」
「勝手に決めるなよ」
と私は思っています。

この映画で感激するまで行かないのは、私自身のLIFEが図々しいからでしょうか。



*2014/04/14 ちょっと加筆