2010年9月26日日曜日

インクの熟成とブレンド

昨日万年筆のインクについて書きましたが、ちょっと補足を。

基本的に万年筆のインクは化学物質ですから、万年筆と同じメーカーのインクを使う事が前提で、それ以外のメーカーのインクを使う事はタブーとされていました。万年筆の為には良くないようです。もし他のメーカーのインクを使用して不具合が生じた場合、保証外になる可能性もありますので、私のようにいろいろ使う時は、あくまでも自己責任です。

もちろん、同じメーカーのインクであってもインクを入れる時は、その度に内部をしっかり洗って、残ったインクと新しいインクが混ざらないように注意する事は基本です。

そんな事を言っても、いろいろ試したいのが万年筆の楽しみです。
私の万年筆の中に、常に実験に用いられる万年筆が決まっています。可哀想に。

私の先輩から指導を受けたのは、「インクの熟成」という技です。
インクの壜の蓋を開けて、ホコリが入らないようにガーゼ等で塞ぎ、時間をかけて蒸発させ、濃度を調整するのです。深い色合いが徐々に出てきます。その頃合いが面白いのですが。

「インクをブレンド」する技も有ります。
これも基本的に同じメーカーのものです。
あまり巧くいきません。絵の具を混ぜるのと違い、あくまでも万年筆のインクですので、ほんの少量ずつ調整しているから難しいのでしょうね。

インクで遊んでいた当時は、インクをいじるのが楽しくて、万年筆で文字を書く暇がなかったくらいです。

もちろん、熟成もブレンドも、完全に自己責任です。
良い子は真似しないように。