2016年7月25日月曜日

ブレックファスト・クラブ

先日の「セトウツミ」は日本の高校生2人の映画です。
この世代の映画は面白いものが多いです。
青春映画ですね。洋画邦画に関わらず私の好きなジャンルです。

今回はアメリカの高校生5人の映画について書いてみましょう。
「ブレックファスト・クラブ」
1985年の映画です。公開から31年。

「今更?」「観たよ」という方もいるでしょう。
当時リアルタイムで観た方が年齢を重ねてから今観ると、また別の感慨があるかも知れませんよ。




ガリ勉(ブライアン)、スポーツ馬鹿(アンドリュー)、不思議ちゃん(アリソン)、お姫様(クレア)、チンピラ(ジョン)の5人の高校生が主人公。
まったく境遇も性格も違う5人。
当然、同じ高校でもまったく接点もなく、名前も知らない5人。
彼らは、それぞれ何らかの懲罰により、土曜日の休日登校を命じられ、図書館で1日缶詰にされます。
やることは1日かけて「自分とは何か」をテーマにした作文を書くこと。

何か書くこともせずに、ただ時間が過ぎて行く中で、それまで一度も口もきいたことのない5人が、雑談を始め、次第に心を開いていきます。
時間が進むにつれて、家族や周囲の人間との自分の関係を少しずつ話し始めます。
嘘をついたり、本音がでたり、自分から正直に話したりしながら、徐々にお互いを理解し、友情を感じ始めます。

最終的に彼らは「自分とは何か」のテーマで作文を書くことができるのでしょうか。


登場人物は、この5人の高校生と先生と用務員の7人のみ。(ちょっと各自の親が出るけれど数に入れなくても良いでしょう)
ロケも学校だけ。低予算ですね。
その中でこれだけの物語を作ったのは、さすがにジョン・ヒューズ監督です。
(先日のセトウツミはもっと予算かけていないと思うけれど)

冒頭のシーンから素晴らしいです。
デビッド・ボウイの詩の引用があり、ブライアンのナレーションが始まり、主人公高校生5人のそれぞれの登場シーンが続きます。
この登場シーンはワンカットでできていて、その中にそれぞれの人物背景が見事に描かれています。
この冒頭シーンは、全部観終わってから再度観て欲しいです。

その冒頭からラストシーンまで、緻密な計算がされている映画です。
雑談に見える会話の中にも、おそらく発している登場人物本人も理解していないかも知れないけれど、この映画のテーマに関わる計算されたセリフが用意され、それらの緻密な構成にとても感心します。
それぞれの人物造形も良いですね。完全なステレオタイプな人物像にしないのは、この映画のテーマだから当然ですが、各々が良いキャラクターだったと思います。
特にアリソンの不思議ちゃん行動には何度も笑いました。
シーンごとに5人の優劣の関係も変化し、不安定な彼らの社会における立場と心情が良く現れています。

そして、次第にお互いを理解していきながら、最終的に理解するのは自分自身なのです。
自分は本当に、ガリ勉で、スポーツ馬鹿で、不思議ちゃんで、お姫様で、チンピラなのか。
つまり「自分とは何か」です。

コメディもしっかり挟みながら、若者の自分探しを爽やかに描いている映画です。

配役も、大人の登場人物は先生だけではなく用務員がいるのですが、この用務員の存在が大人の世界の生き方にも少し触れることになります。とても考えられています。

最後に彼らは作文を残します。
それは、どんな文なのか。
興味のある方はこの映画を観てください。

彼らが週明けの月曜日に学校に来たときに、彼らの何かが変わるのか。また変わらないのか。彼らのこの土曜日とその後について観た方と話しをしたいですね。

良い映画です。
やはり、私はこのジャンルが好きですね。