その方のメールは以下のような内容でした。
実は、○○試験に今年の夏で14年も勉強しております。自分は、勉強していても、今年もだめかな?とか、頭悪いからとか、すぐに諦めてしまいます。だけど、この14年間、平日は4時から8時まで、仕事が終わり、夜8時から10時まで、土日は、5時から、夕方5時まで、平日5時間、土日11時間。
しかも、近年は、余計に勉強時間は、増えましたが、得点は、悪くなりました。
どの資格を目指す人でも似たような悩みを抱えた方がいると思います。
この方は「頭悪いから」と書いていますが、何かの試験を目指そうとする人は、決して「自分が頭悪い」とは思っていないはずです。
何らかの自信が無ければこの未来を目指さなかったでしょう。
私はこう考えています。
ほとんどの日本の資格合格に特別の才能は不要だと思いますし、2、3年有れば答えが出ると思っています。
ただし、小学校中学校などの勉強と資格試験合格のための勉強はまったくノウハウが違います。小学校中学校の勉強はすべての生徒が最終的に100点を目指すような勉強方法です。
それに対して試験合格は完全に勝負の世界であり、合格という勝ちを得るのか、それとも負けて不合格になるのかという世界です。
資格試験という勝負は、常に満遍なく勝たなければならないリーグ戦では無いのです。
一回勝てば勝ち抜けるトーナメント戦の様なものです。
一度勝てば良いなら、相手の分析と自分の分析をしっかりすれば、天皇杯におけるジャイアントキリングのように、実力が不足していても勝負に勝つ方法はあるはずです。
もちろん合格後にプロになれば、その勝負は1回勝負ではありません。どんな事件が来ても常に100点満点で答えられなければならないのは、プロとして当然です。
さて、ある程度才能の有る人が長年努力して合格しないとすれば、資格試験の意味が分かっていない人だと思うし、それは努力の方向性が誤っている可能性が高いのです。
「頑張っていれば、いつか報われる。持ち続ければ、夢は叶う」
そのとおりだと思います。
でも、むやみやたらに頑張っても駄目です。それでは夢は叶いません。
どの方向にどれだけ頑張れば合格できるか、つまり「正しい努力の方向性」を事前に研究することにも、一生懸命頑張って欲しいのです。
「その努力を続ければいつ合格できるのか」
この問いに明確に答えられなければ、完全に勉強方法が良くないと思います。
受験というプロジェクトのマネージメントができていないからです。
どんな試験でも2〜3年で手応えが無ければ、一度努力の方向を疑ってください。
受験機関を利用したり、何らか先輩から情報を得たりする必要が有ります。
不合格が日常になるのです。
そんなメンタルでは合格しません。
場合によっては、1年ほど試験から離れてご自分の人生を見つめ直す必要が有るかも知れません。しっかり離れて、あなたの人生にその資格が必要か考えてみても良いでしょう。
もしかしたら、長年受験していて自分や他人に対して引っ込みが付かなくなっていませんか。
14年の受験努力が人生において勿体ないと考えるかも知れませんが、それにこだわってこれからの数十年の人生の方向性を誤ったら、もっと勿体ない人生になるかも知れません。
逆に1年ほど離れてみて「やはりその世界に行きたい。その資格が必要だ」と考えるのなら、謙虚に誰かのアドバイスを受けて、今までの勉強方法を洗い直す必要が有るでしょう。
1年ほどのロスタイムは長い人生では何でも無いですよ。
その分長生きすれば良いだけですから。