2024年10月23日水曜日

自宅だけが安全でもね

また災害対策の話を書きます。

災害対策の話をしていると「私の家は高台で地盤が硬く、大地震が来てもまず大丈夫です」とおっしゃる方がいます。まずは一安心だと思います。

「自宅の近くのハザードマップを見て、避難経路も確認している」とおっしゃる方もいます。普段から防災意識の高い方だと思います。

私がこのブログでいつもお伝えしているとおり、日本列島に住んでいる限り、大地震への備えは絶対に必要であり、最低このようにハザードマップを確認し、何かあった場合に家族がどのように避難するかの確認をすることはとても大事なことです。

ハザードマップや災害対策といった住民向けの資料は、程度の差はありますが、各自治体で備えられているはずです。皆さんも一度は目にしていると思います。
市町村と都道府県では、別に作成していることが多いですので、どちらも確認しておきましょう。


さて、そのようなハザードマップなどを見たことがある方々にも一言だけお伝えしたいと思います。

東日本大震災が起こったのは金曜日の午後2時46分です。
平日の午後に家族全員が自宅にいるという家庭は少ないと思います。
当日、東日本で被災した多くの方は、職場や学校や外出先で大地震を経験しました。

震災は24時間いつどこで経験するかわかりません。

人生でたった一度の東北旅行で被災された方もいらっしゃったでしょうし、それはとても気の毒なことだと思います。

そのような人生一度の旅行先まで毎回チェックすることは、考えすぎると鬱になりますし、日本経済も回らなくなりますので、ここは個人にお任せします。

しかし、せめて家族それぞれのいつもの行動範囲くらいは、ハザードマップなどでチェックしておくことを強くお勧めします。

家族の職場、学校、買い物に行くお店等々、考えられるそれぞれの行動範囲、そこに移動する経路の安全性、これはチェックしておきましょう。「もし、ここで地震が起きたらどうするか」ということを考えながら、いちど頭に入れておきましょう。

ハザードマップなどの内容も更新されます。

毎年一度家族で確認しておきましょう。


また、自治体によってはスマートフォン向けの防災アプリを作成しているところも増えています。これも一度チェックしてみてください。
他の地域対象の防災アプリでも、十分役に立つ内容の優良なアプリも多いです。




2024年10月20日日曜日

土地家屋調査士試験の真っ最中に祈る

年に1度の土地家屋調査士試験の筆記試験が本日(10月20日)に開催されています。ただいま13時20分、まさに試験開始後20分です。

受験生は今回の試験の全容を見て、択一式と書式の難易度を測り、解答の順番などの計画を立て、一心不乱に解答を書き始めているころだと思います。


土地家屋調査士試験は合格率9%から10%と言われておりますが、私は受験のモチベーションさえ保つことができれば、誰でも合格できない試験ではないと思っています。

老若男女、現代人は皆忙しいです。その忙しい中で時間を割いて受験勉強時間を取るのです。合格後に余程の明確なビジョンがない限り、やはり目先の仕事や家庭サービスを優先することになると思います。勉強しない言い訳は無数に存在します。
さすがにそれでは合格できません。

試験に合格してから何をすべきかわからずに、結局何もせずに何年も過ごす人がいます。モチベーションなしに合格した人とも言えますので、それはそれで大したものですが、それなら時間の無駄だったのではないでしょうか。
土地家屋調査士試験は土地家屋調査士業を始めるための試験です。だから当然にその後の計画があってしかるべきものだと私は理解しています。

定年退職後のために取っておこうという目的で受験する方もいます。それを悪いとは言いませんが、合格したとしても何年も先まで受験勉強のレベルを頭に残し、さらにその先プロとしてやっていくための知識の積み上げをするという事は相当大変な作業だと思います。
また定年退職まで待っていられるという事は今の環境も悪くないという事でしょうから、やはりどうしても受からなければならないというモチベーションはなかなか持てないと思います。

何年も受からない方の理由は、合格してからの具体的なイメージがないからだと思っています。

私の塾やガイダンスでお目にかかる方で、10年合格していない人が私と30分話しただけで翌年合格することが過去何人もありました。

それは10年間の受験勉強の蓄積がその年に花開いたのではなくて、11年目に人生の先が明確になり、その年に本気になっただけだと思っています。

何回か受験して合格してない方に、以下のような質問をすることがあります。
「この試験合格により、あなたの人生はどのように変わりますか」
この問いに具体的に答えられない方が結構います。
逆に「この試験に合格さえすれば、今の人生から抜け出せる」これが思える方ならば、1年でも合格できない試験ではありません。


今回の土地家屋調査士試験には、鈴木修塾から2人が受験しています。

鈴木修塾には、土地家屋調査士試験に合格してから、開業するための業務知識や経営知識を求めて参加する方が多いですが、彼らのように合格前に受講する方もいます。
彼らは 鈴木修塾を通して土地家屋調査士になったら早速何をすべきか、どのような土地家屋調査士を目指せばいいか、そして毎日何をすべきかが明確になったと思います。
あとは合格するだけです。
土地家屋調査士になりたいという目的意識と一流になるまでの道筋が明確になったので、彼らに合格後の迷いは一切なくなりました。
そのような気持ちで1年間過ごしましたので、相当忙しい彼らでも、合格しないわけがないと思っています。

試験にチャレンジする人にとって、土地家屋調査士試験に早く合格することが最終目的ではなく、土地家屋調査士として早く一流になって人を助け、自分の職業としても確立することの方が目的ではないでしょうか。

だから、この2人の合格後は土地家屋調査士として一気に頭角を表すのではないかと楽しみにしています。


筆記試験はあと60分程度でしょうか。

焦らずに、ここまで蓄積した実力を100%出せることをお祈りいたします。

彼ら2人を含むチャレンジする皆さん全員を心から応援します。






2024年10月9日水曜日

事務所内の業務資料をどのように守るか

震災を経験した土地家屋調査士事務所の経営者として、事務所内の業務資料(データ)をどのように守るかについて考えていることを書きます。

土地家屋調査士事務所には、相当量の業務資料があります。

東日本大震災前後の土地家屋調査士事務所では、コンピュータの隣のハードディスクにCADデータのバックアップを入れておくことが主流でした。そしてその他の業務資料は紙で保存していることが大半の事務所のスタイルでした。
当時クラウドにバックアップデータを置いている仲間は周りにあまりいませんでしたが、今はネット環境もかなり変わり、クラウドでデータ保存している仲間が相当増えました。

同じ事務所内にサーバーやNASでバックアップしていて助かるのはコンピュータがクラッシュしたときだけです。大地震や火災などで事務所が被災するときは、本来のデータも隣に置いておいたバックアップデータも一緒に失います。

一方、クラウドに保存してあれば事務所が全壊しても、データは残ります。
ですから、コンピュータの電子データはクラウドにバックアップすることをお勧めします。

では、クラウドは何を選ぶかですが、有名どころの有料のサービスを強くお勧めします。
無料のクラウドサービスは、そのサービスをいつ止められても文句が言えません。
有料であれば、データの保管に保証も付きます。

次に、紙の資料についてコメントいたします。
今は調査士方式オンライン申請の時代ですから、データは当初から電子データで生まれ、紙としての資料が発生しないことも多くなりました。
私は、紙の資料として手元にあるものはできるだけスキャンしてクラウドに送るようにしています。
そして、クラウドに送った時点でそれらの紙の資料はシュレッダーします。
それでもどうしても紙の形式のまま守りたいものとしては、再度復元できないもの、例えば筆界確認図や契約書の原本などでしょうし、借用中の建築確認図書や登記識別情報などでしょう。これらは耐火書庫に入れておきましょう。
土地家屋調査士事務所内の紙の書類は、とても大事だけれども他人には価値のないものが大半なので、耐火金庫までは不要と考えています。

ちなみに私は、大手セキュリティ会社による事務所全体のセキュリティサービスにも入っています。

大地震の可能性も発表されている中ですので、有料の大容量クラウドと耐火書庫の早急な導入検討をお勧めします。