土地家屋調査士試験に合格し、今勤めている事務所を早速辞めて独立開業したいと思ったものの、事務所から引き止められている。確かに固定給がなくなる不安もあり、迷ってしまう。
これは本当によくいただく相談です。もちろん、答えはその人の背景や今後の目標によって変わりますので、一つではありません。
ただし、大前提として申し上げたいのは、「事務所から引き止められもしないレベル」であれば、独立後の事務所経営も厳しいかもしれないということです。
また、事務所側は、あなたに給料を払うために、あなたの分の仕事を確保し、準備しているのです。直前に「辞めます」と言われれば困るのは当然です。
そしてもう一つ、非常に重要な視点があります。
一度“辞める”と意思表示した補助者に対して、事務所は「この人はいずれまた辞めると言い出すだろう」と判断するのが普通です。
つまり、強い引き止めに一旦思いとどまったとしても、長くその事務所に居続けることは現実的には難しくなります。
この点を理解しておかないと、判断を誤ってしまいます。
だからこそ、独立を考える頃に引き止められるのはある意味で当たり前であり、同時に「退職の意思を示した時点で、もう元の関係には戻れない」という現実もあるのです。
大切なのは、これまで育ててもらった事務所に対して失礼のないように退職することです。
特に、地元の事務所で補助者として働いていた場合、同じ地元で独立するなら、総会や研修会などでその先生と顔を合わせる機会がたくさんあります。そこで気まずい関係になってしまうと、その後ずっと尾を引きます。
逆に、大人として礼を尽くして退職できれば、長く良い関係を続けることができますし、困ったときにアドバイスをいただける存在になる可能性もあります。
これらが、私が「絶対に円満退職しなさい」と言い続けている理由の一つです。
では、「引き止められているのに円満退社はできるのか」という問題ですが、状況によっては次のような解決策もあります。
独立はするが、事務所が困る部分は外注として手伝う。必要であればぜひ呼んでください——という提案です。
やり方によっては、これは双方にとってウィンウィンになります。
事務所側:同じ仕事を任せながら固定費が減る
あなた:営業しなくても、手慣れた分野の仕事が目の前にある
お互いにとって非常に良い関係が築ける可能性があります。
もちろん、この方法が通用しない事務所も多いので、その場合は別のアドバイスをしましょう。
鈴木修塾では、このように一人ひとりの状況に合わせたカスタマイズのアドバイスを行っています。そして独立開業後も継続してフォローし、一流の調査士を多く輩出したいと心から思っています。
独立をするとしても、また事務所に留まることにするにしても、ご自分で決断したのなら、私は応援いたします。
