2026年3月15日日曜日

「不動産会社に勤めたまま開業しても大丈夫ですか?」毎年寄せられる質問にお答えします。

 昨日、日本土地家屋調査士会連合会東北ブロック主催の「土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンス」が開催され、今年も講師を担当させていただきました。

合格者ご自身とご家族の人生がかかっていますので、本音で真摯な質問をたくさんいただきました。今年も頼もしい仲間が増えそうだと、心から嬉しく思っています。

その中で、次のような質問がありました。同じ悩みを抱えている方も多いと思いますので、このブログでもコメントさせていただきます。


質問

「私は現在、ある不動産会社の社員として勤務しており、土地家屋調査士として個人事務所を開業する予定です。会社の了解は得ていますので、いわゆる副業という形になります。
土地家屋調査士として受ける業務は、
不動産売買仲介の受注時に所有者から不動産営業として直接受ける各種登記と、
勤務先の会社から土地家屋調査士として直接受ける自社物件の登記などの依頼です。

どうしても勤務先を通じた依頼が多くなるのですが、このような状況で土地家屋調査士業務を行う場合、注意すべき点があれば教えてください。」


回答

土地家屋調査士の資格は、個人の判断能力を認め、その個人に与えられた資格です。

したがって、土地家屋調査士の上司が無資格者であり、その判断に従わざるを得ない形態は、土地家屋調査士法に抵触する可能性が極めて高いと考えられます。

ご自身が不動産会社の社長で、かつ土地家屋調査士であれば問題ありませんが、社員である以上、社長の指示に従う立場になります。

この質問は毎年いただきますし、測量会社に勤めながら土地家屋調査士登録をするケースも同じ意味を持ちます。同様に、土地家屋調査士が司法書士に雇われることも認められていません。

原則論を申し上げましたが、実際には様々なケースがありますので、詳細は登録予定の土地家屋調査士会にご相談ください。


昨日はこの原則論を説明した上で、もう少し違う角度からもお話ししました。

不動産業は「情報産業」です。ある不動産会社の社員である以上、他の不動産業者からの仕事の受注はほぼ見込めません。

気持ちはよく分かりますが、そのままでは宅建業の給料に少しプラスになる程度で、土地家屋調査士として成功するのは難しいと思います。

むしろ、今の会社と良好な関係を保ちながら独立し、「外部の土地家屋調査士」としてその会社から仕事の紹介を受けるべきだと考えます。

不動産周辺の広範な知識を持つ土地家屋調査士は重宝されます。土地家屋調査士として研鑽を積めば、他の受注も十分に見込めます。

不安だと思いますが、ここまで来た以上、私は全力で応援します。

もう一度よく考えて、また相談してください。


何か大きなものを掴みたければ、今握っている手を開かなければなりません。