近年、土地家屋調査士試験合格者に対する事務所開業ガイダンスなどを通じて、開業の悩みや不明点に答えてきていますが、開業した新人の業務に関する相談も結構受けていました。
最近とても感じるのが、新人の土地建物に関する周辺知識の欠落と言って良いほどの知識不足です。
いつも言っていますが、あの程度の試験合格で一人前にお客様の登記を受託などできません。試験は不動産登記法や一部の法律だけです。土地や建物の基礎的知識もなく、単に登記書式や測量や作図ができれば業務ができると思っているなら、お客様にご迷惑をお掛けしますので、今すぐ看板を下ろすべきです。看板を下ろさないにしても、業務を受託してはいけません。
急いで勉強しましょう。
さて、最近直接相談を受けた方も、合格して建物の登記を受託したようですが、まったく建築に関して知識がありませんでした。
受託してしまったので今回の登記の処理は私が教えますが、これからも受託したいなら急いで勉強しなさいと指示しました。
具体的には、関連法律は全部読みなさいということです。
「土地家屋調査士六法」「登記六法」等という専門六法もありますが、それらに収録されている法律は関係あるから、言い方を変えれば勉強しなければならない法律だから、収録されているのです。土地家屋調査士の先輩達はそれら全部をマスターしているから業務を受けられるのです。(耳の痛い人いる?)
何も知識の無い人がすぐに全部を理解するのは難しいでしょうが、建物の登記をしたいのなら、まずは建築基準法から読みなさいと言いました。
精読はしても今は理解できないと思うので、とりあえず全部を流して読んで、建築基準法の理念と建築の流れを掴みなさいと言いました。
また建物の構造も理解していないと、現地で壁の外側から見ただけでは調査にならないこともあるでしょう。最低限の知識として以下の書籍からお勧めしました。
建物できるまで図鑑 木造住宅 1,800円+税
作者: 大野隆司 · エクスナレッジ · Book · 113 ページ · ISBN: 4767825814
建物できるまで図鑑 RC造・鉄骨造 1,800円+税
者: 瀬川康秀 · エクスナレッジ · Book · 112 ページ · ISBN: 4767817196
新人でもない先輩達にもお勧めです。
図鑑ですから、絵本みたいなものです。
見るだけでも楽しいです。