2015年3月23日月曜日

ONCE ダブリンの街角で

昨年末日本で公演されたブロードウェイミュージカル「once ダブリンの街角で」
その原作映画を、それ以上、何の予備知識もなく観ました。



これ結構好きでした。

アイルランドの首都ダブリンの街角で、毎日穴の開いたギターで熱唱するストリートミュージシャンである男。男は人生に希望を見いだせず、音楽活動にも明確な目標も無かった。
ある日、その歌う男の前に立ち止まったチェコからの移民の女。女はあれこれと男に話しかける。そして男の職業が掃除機の修理と聞き、翌日壊れた掃除機を持ってくる。
男は女が楽器店でピアノを弾かせてもらうことを楽しみにしていると聞き、楽器店で女の演奏を聴く。男はその腕を気に入り、自分の曲を一緒に演奏しないかと提案する。
やがて、一緒に演奏することで喜びを実感し、友情か愛か、絆を深めていく二人だった。
そのセッションを通してお互いの人生を再確認していく。

この2人には名前がありません。
偶然に出会った二人は、音楽を通して徐々にお互いを知っていきます。
仕事を、家族を、人生を、そしてお互いの過去を。

高校生がプロのミュージシャンになりたいという憧れとは違います。
まして高校生の恋愛とは違います。
背負っているものが違います。
ミュージシャンとして成功するかも知れないところで、お互いに選択をします。
大人の切ないハッピーエンドでしょう。

言葉にしにくいことを歌で表現するシーンが多いこの映画は、やはりミュージカルなんでしょう。この映画の中で挿入歌はほぼ全部歌いきります。だから歌の部分が長いのです。この音楽のジャンルが好きな人なら、きっと堪らない映画でしょう。
音楽ジャンル的には私の好みとはちょっと違いますが、それでも中には気に入る曲も含まれています。

この映画、好きか嫌いか分かれるかも知れません。
でも観ていないなら、一度観ても良いと思います。

アイルランドの街とそこで生活している人々やチェコの移民の生活をベースに
二人の楽器屋での初めてのセッション
女が掃除機を引き摺りながら歩くシーンや、チェコ語で気持ちを呟くシーン
男の父親の気持ち 等々
私は気に入りました。