2024年10月9日水曜日

事務所内の業務資料をどのように守るか

震災を経験した土地家屋調査士事務所の経営者として、事務所内の業務資料(データ)をどのように守るかについて考えていることを書きます。

土地家屋調査士事務所には、相当量の業務資料があります。

東日本大震災前後の土地家屋調査士事務所では、コンピュータの隣のハードディスクにCADデータのバックアップを入れておくことが主流でした。そしてその他の業務資料は紙で保存していることが大半の事務所のスタイルでした。
当時クラウドにバックアップデータを置いている仲間は周りにあまりいませんでしたが、今はネット環境もかなり変わり、クラウドでデータ保存している仲間が相当増えました。

同じ事務所内にサーバーやNASでバックアップしていて助かるのはコンピュータがクラッシュしたときだけです。大地震や火災などで事務所が被災するときは、本来のデータも隣に置いておいたバックアップデータも一緒に失います。

一方、クラウドに保存してあれば事務所が全壊しても、データは残ります。
ですから、コンピュータの電子データはクラウドにバックアップすることをお勧めします。

では、クラウドは何を選ぶかですが、有名どころの有料のサービスを強くお勧めします。
無料のクラウドサービスは、そのサービスをいつ止められても文句が言えません。
有料であれば、データの保管に保証も付きます。

次に、紙の資料についてコメントいたします。
今は調査士方式オンライン申請の時代ですから、データは当初から電子データで生まれ、紙としての資料が発生しないことも多くなりました。
私は、紙の資料として手元にあるものはできるだけスキャンしてクラウドに送るようにしています。
そして、クラウドに送った時点でそれらの紙の資料はシュレッダーします。
それでもどうしても紙の形式のまま守りたいものとしては、再度復元できないもの、例えば筆界確認図や契約書の原本などでしょうし、借用中の建築確認図書や登記識別情報などでしょう。これらは耐火書庫に入れておきましょう。
土地家屋調査士事務所内の紙の書類は、とても大事だけれども他人には価値のないものが大半なので、耐火金庫までは不要と考えています。

ちなみに私は、大手セキュリティ会社による事務所全体のセキュリティサービスにも入っています。

大地震の可能性も発表されている中ですので、有料の大容量クラウドと耐火書庫の早急な導入検討をお勧めします。