2019年12月31日火曜日

大晦日

大晦日になりました。
令和元年、皆様にとってどんな年だったでしょうか。

私はとても忙しい年でした。
忙しいということは、それだけ他の方々のお役に立ったということでしょう。
年初考えていたことも、ギリギリでしたが、できたと思っています。
だから、今年はとても悲しいこともあったけれど、全体としては満足すべき年だったと理解しています。

さて、令和2年はどんな年にしましょうか。
以前も書きましたが、どんな年になるかではなく、どんな年にするかです。
皆さんは決めましたか。
私は決まっています。

流れに任せていては何も実現しません。
決めなければ実現可能性はゼロです。

ご存じのとおり、私は土地家屋調査士事務所を開業したいというたくさんの方々から相談を受けています。
その方々にいつも言っています。

「いつ開業するのか決めていますか」
「それには何が不足していますか」
「それは何年で満たすことができますか」
「その中で来年はどんな役割の年にするのですか」

来年の自分の運を占うのではなく、来年の自分は自分で決めましょう。

今年もたくさんの皆様にお世話になりました。
よいお年をお迎えください。




















2019年12月21日土曜日

資格士業の幸せと矜持 江口滋さん

 長年の友人である愛知県の土地家屋調査士の江口滋さんが新しい本(共著)を出しました。タイトルは「実務必携境界確定の手引き」(新日本法規出版)です。
他の執筆者は、岸田庄司(土地家屋調査士)、秋保賢一(弁護士)のお二人です。
江口さんをはじめ執筆者皆さんの想いがこもった良書だと思います。

 さて、その江口さんがこの本を出すに当たって書かれた文章が新日本法規出版のHPに載っていて、そこで読むことができます。本人に了解を得たので以下に転載します。
内容は、普段私がガイダンスなどでお話ししている趣旨「土地家屋調査士の幸せ」「土地家屋調査士の矜持」と想いが重なりますので、是非読んで戴きたいと思います。




「資格士業の幸せと矜持」
土地家屋調査士 江口滋
社会が複雑になればなるほど多様な資格士が生まれている。
 今回「実務必携 境界確定の手引」を上梓し、自惚れではあるがようやく土地家屋調査士業の端緒にたどり着いたと感じたが、同時に、それぞれの資格士業の目的と、資格者・依頼者の幸せについて強く考えるようになった。
 遡れば、その一端は新人研修の時、今は亡き大先輩が「どんどん儲けてください。」と仰ったことにあるように思う。当時は「そうか、この資格で儲けられるのか。」と意識し、この先を思って嬉しくなった記憶がある。時はバブルの時代であった。
 しかし、そんな気分は最初の業務(境界確定・分筆登記)を終えて一変した。報酬として請求した金額が当時(30年前)のサラリーマン初任給の3、4倍であったことと、事前に見積りを提出していなかったことから、依頼者から「高っ!この仕事でこんなに取るの?」と言われてしまった。
 いま思えば、その業務内容は稚拙であったであろうし、当時の法務大臣認定報酬額基準(平成14年撤廃)を見て「こんなにもらえるんだ。」と他人事のように思ってもいた。また、その請求金額に同情していた自分がいたことは大いなる反省点であるし、いまだにトラウマでもある。
 ただ、ひとつ言い訳を許していただけるなら、土地家屋調査士の業務は非常に困難であったり簡単であったりと千差万別ながら、共通して言えることとして、業務における精神的な苦渋は常に報酬に表しにくく、また、依頼者に理解してもらうのも難しい実情があるということを付け加えておきたい。
 さて、新人資格者として認定された時の知識は最低限であったとしても、開業していざ社会に出たならば、社会から自身に注がれる眼差しは、当然に一定の経験を前提とするものとなる。それに応えるため、足りない経験をカバーするものがあるとすれば、知識と技術の研鑽しかないのだろう。
 もっとも、経験さえあればよいというわけではなく、士業で相応の経験年数を経た資格者であっても、知識と技術の研鑽を怠っている者は新人と同様である。
 そこでここからは、資格士業の原点について少し考えてみたい。
 各種国家資格には、まず第一に「目的」があり、それは依頼者が欲する「利益の成就」、又は「権利の実現」を提供することである。そして、依頼者の利益に対する報酬を資格者が得るという構図になる。
 資格とは個人に与えられたものであり、それぞれの資格士業法の目的から社会に貢献する役割を担うわけであるから、資格者の利益は目的に次ぐ二次的なものといえる。
 ところが、長年業務を行っていると、その立ち位置を時に間違えたり、最初から考え違いをして、「稼ぎたい」「儲けたい」とする意識を第一に就業する人が中にはいる。もちろん生活として、事務所経営として収入は非常に大切なものである。しかし、利潤の追求を第一の目的としてしまえば、それは単に営利企業の成長戦略と何ら変わらなくなってしまい、資格士業の本質を見失ってしまう。
 最近、私の所属する愛知県土地家屋調査士会では会員向けに実態調査アンケートを実施した。その中には、「収入」「やりがい」などに関する質問項目が入っていた。
 その結果は、業務の達成感や依頼者からの評価に対して幸福感を感じているとする回答が多く、必ずしも高収入を目的としない回答が多かった。士業としての健全さが見られたようで、非常に心強く思われた。
もっとも、業務の独占化・寡占化により、元々業務受託の少ない会員はそう答えざるを得ない環境にあるということなのかもしれない。
しかし、少なくとも私は、資格士業の矜持として専門業務を通して社会に還元し、その価値観を依頼者と共に共有できたらと願っている。

追記:年齢を重ねると、気力体力の衰えから一般的に人生下り坂と考えがちだが、終生高みに登り続けることを考えると、いつまでも人生上り坂ではないだろうか。楽しみだ。
(2019年12月執筆)









2019年12月18日水曜日

東京ガイダンス報告

「土地家屋調査士事務所開業・運営ガイダンスin東京」が終わりました。
参加申込みが60名のうち仕事や病気で欠席者が出て、当日参加者は55名でした。
東京周辺だけでなく、遠くは熊本、福岡、沖縄、広島などから参加していただきました。またわざわざ私の地元仙台から参加くださった方も2名いらっしゃいました。
参加費無料と言っても、皆さん交通費など結構な負担をして参加してくださっていました。

すでにお礼のメールが多数来ていますので、進路の決定のお役に立てた実感もありますが、私自身はもう少し時間が欲しかったのが本音です。
事前に「すべての参加者の質問に答える」ってお約束していましたが、人数が多かったので質問に十分にお答えができなかった方もいたはずと思います。
その中では、懇親会参加希望者が37名という高参加率だったので助かりました。
ガイダンスでは懇親会に参加されない方の質問を優先して答えて、懇親会ですべての参加者のテーブルを廻って、回答を終えました。

今後の課題としては、もう少し参加人数を絞って十分な質疑応答をする会を複数回やるか、今回のように多数の希望者全員を受け容れて長時間開催とするか、どちらにしても私自身の時間的経済的負担もあるので簡単には答えが出ませんが、これからも工夫してできるだけ土地家屋調査士を目指す大勢の方々のお役に立てることを考えてみます。

なお、私がもう少し丁寧な回答をしたかったと思う方には、今年中にメールか電話でフォローしたいと思います。
また、このブログで回答しても差し支えない一般論については、参加されなかった方の参考になるかも知れないので、時間を見て少しずつ書いていきます。

さて、いただいたメールが嬉しいので一部紹介します。


【昨日はありがとうございました!
楽しすぎてクセになりそうです。
お陰様でモヤモヤがワクワクへと変わり決心が付きました。
「土地家屋調査士」になります。】


【東京開催にも関わらず遠方からも参加される方がいて、皆が本気で真剣に「自分の生き方」を模索し考えていることに、大変刺激を受けました。】


【先日のガイダンスは、ありがとうございました。
大変有意義なお話を伺うことができ、参考になりました。
一から新たなことに取り組む不安や収入面での不安は尽きませんが、鈴木先生のお話を伺ったうえで、今の気持ちとしては挑戦してみたいと考えており、これから何をすべきか、もう少し深く考えていこうと思います。


【昨日は、直接お話をさせて頂きまして誠にありがとうございました。
先生の仕事に対するストレートな思いをお伺いして、とても前向きな気持ちになることができました。
土地家屋調査士として、顧客のためを想って身に着ける知識こそが私たちが士業として備えるべき刀なのだと、私は先生のいろいろなアドバイスをそのように解釈するに至りました。またそれを自分のものとすべく日々の努力をしていきたいと決意しております。
鈴木先生をメンターとして慕われる先輩方ともお話をさせて頂けましたが、やはり皆さん前向きで素敵でした。
こんな方々がメンバーならば、土地家屋調査士の未来は明るくないわけがありませんね。すぐにでも始めない理由がありません(笑。










2019年12月3日火曜日

東京ガイダンス申し込み状況

先日からここでアナウンスしている東京ガイダンスですが、本日現在43名の申し込みがあります。会場は60名ほどの収容力がありますので、まだ締め切らずにおります。
当日ギリギリでもお問合せください。

12月14日東京で土地家屋調査士事務所開業ガイダンスを開催予定
https://fermatadiary.blogspot.com/2019/10/1214.html 2019年10月27日日曜日

なお「お時間がある方でご希望の方がいらっしゃれば、懇親会も開催します」と書いたところ、ガイダンス参加43名中25名の方が懇親会参加を表明してくださり、14名の方が保留中です。
ガイダンスと懇親会はセットではありませんからご参加は自由です。
またガイダンスは無料ですが懇親会は実費です。その割に思った以上の出席率になりました。
ガイダンスだけでは不明な点や皆の前では質問しにくい問題を懇親会に持ち越すのは問題ありませんので、時間の許す限りお話ししようと思います。

さて懇親会の会場ですが、東京会の三嶋さんが、皆さんが参加しやすいように下記の居酒屋を予約してくださいました。なお予約には人数が必要なので、懇親会の申し込みの方は早めに締め切ります。
まだ懇親会の参加連絡を保留している方は、早めのお返事をお願い致します。

<懇親会>
日時 12月14日(土)17時~19時
会場 『魚と日本酒 笑う門には福来る 錦糸町』
   〒130-0022東京都墨田区江東橋3-11-3ソシアル錦糸町ビル4F
   050-3468-7194
   研修会会場から徒歩5分以内だそうです
会費 3500円飲み放題(予定です)


以下に今回の出席希望者の質問のほんの一部を書いてみます。
ブログで答えられるものは、一般論にしかなりません。
これからの進路の大事な相談ですから、本人の状況をしっかりお伺いして、質問者各々にアドバイスをしたいと思います。
もちろん、同じ質問でも質問者によってはまったく答えが違うことがあります。
当日は全部の質問に答えます。

<質問の一部>
・どの程度測量、調査業務が出来れば独立できるようになるのか。
・女性調査士が個人事業主でやっていけるのか。
・調査士法人勤めだが、個人事務所の方が営業活動や事務所運営を直接感じられるのではないか。
・即独立してしまったほうが自己研鑽に磨きがかかりそうだがリスクも心配だ。
・家族がいるので補助者の間の薄給に耐えることができるか心配だ。
・お世話になる事務所の迷惑にならないように仕事を見つけ出すヒントは。
・実務未経験で現在の仕事を続けながら、調査士の技術を身につけて開業にたどり着くことの可能性、方法、実例は。
・お客様に安いと言っていただけた見積金額を別の相見積もりに出すと負けることが多いなど、最近報酬額をどの程度に設定すれば良いのかわからなくなった。
・先輩方と同じ土俵では簡単には勝負が出来ない。そこで、まずは基本業務の習得を進めながら何か新分野を絡めた展開の糸口も探ろうと思っているが。
・測量会社に勤めたまま登録して良いか。
・開業資金はどの程度必要か。
・事務所は法務局の近くが良いか。
・開業後の営業についてどう考えればよいか。
・報酬の基準についてどのように考えれば良いか。
・開業準備について何から始めれば良いか。
・土地家屋調査士の今後の可能性は。
・女性の土地家屋調査士について何かしら思うことがあるか。
etc.