2015年11月30日月曜日

定年の無い仕事なのだから

先日お知らせした「土地家屋調査士開業ガイダンスin大阪」ですが、開催地の大阪から遠い地域の参加希望者も多く、改めて企画して良かったと思っています。
交通費をかけて大阪まで集まって戴く方々に、必ずお役に立てるよう準備致します。

またお手伝いしてくださると申し出てくださった土地家屋調査士の仲間が、参加希望者よりも多くて恐縮しています。

その申込みのメールに、皆さん、現在悩んでいることや当日質問したいことなどを書いてくださっています。その中で、メールでも回答可能な内容には、少しずつお答えしたりヒントを差し上げたりを始めています。

さて、今回の参加希望者の中に「私は歳だから」と少し遠慮がちに書かれている方が複数いらっしゃいます。
お気持ちは理解できます。
特に今まで会社等で働いていたとすれば、尚更定年等で年齢を意識せざるを得なかったでしょう。

年齢は関係ありません。
なにしろ定年が無い仕事です。
他人より「10年遅かったら10年長生きすれば良い」だけです。
なんの問題もありません。
健康に気をつけて自己管理すれば良いだけです。

もちろん「私は歳だから」と言うことが「新しいことを学ぶことができない」という言い訳を始めているのなら、開業は止めた方が良いでしょう。
年齢が関係ないということは、逆に年功序列も無いからです。

何ができて何ができないのか。
そのできない分野をお客様のお役に立つために学ぶ気力が有るのか。
それだけの問題です。
これは年齢も男女の性別も関係有りません。

学ぶことは難しいかという疑問があるでしょう。
それは即席で身につくような簡単なものでは無いでしょう。
だって専門家と呼ばれる人達の専門分野なのですから。

大丈夫です。
全部一人で学ぶ訳では有りません。
そのための土地家屋調査士会が有りますから。
そのための仲間もいますから。




2015年11月28日土曜日

コードネーム U.N.C.L.E.

先日観てきましたよ。 「コードネーム U.N.C.L.E.」


60年代後半の大ヒットテレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイク版映画です。
舞台もあの60年代。何故60年代か、東西冷戦中だからです。
そんな中、旧ナチスの残党と国際犯罪組織によるテロ計画が発覚します。
世界の脅威となる核兵器の大量生産を目論んでいたのです。
それを食い止めるために、冷戦中の敵同士のはずのCIAのナンバーワン・エージェント「ナポレオン・ソロ」とKGBナンバーワン工作員「イリヤ・クリヤキン」が手を組みます。(CIAやMI6はエージェント、KGBは工作員って感じ)
失踪した核爆弾製造の鍵を握る科学者を、その娘(当然美人)と一緒に探すミッションです。
このバックボーンも性格もまったく異なり最初は敵対して実際に戦った二人が、コンビを組み、ミッションをこなしながら、次第にお互いを認めていくという、いわゆるバディムービーです。

それにしても「旧ナチスの残党」ってのは、以前のようにあからさまに旧ソ連などを敵にする訳にもいかない現代では、あらゆる映画で使いやすい便利な設定ですね。

結論、悪くないです。
旧作の持つコメディ感もスタイリッシュ感も十分あります。
面白いと思います。
ソロとイリヤのエージェントの対比もしっかりあります。

ナポレオン・ソロには「マン・オブ・スティール」でスーパーマンだったヘンリー・カヴィルを抜擢しました。今回のスタイリッシュなスーツが似合いますね。
またイリヤ・クリヤキンには「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマーです。
さすがにどちらも格好良いですよ。

ヒロイン、アリシア・ヴィキャンデルも可愛いし、エリザベス・デビッキも良い感じで悪女を演じていました。

監督はあの「シャーロック・ホームズ」のガイ・リッチー。
確かにいかにもガイ・リッチーだなって演出やコマ割り、種明し的ショート回顧が多いです。
実は私はそれがあまり好きではなかったのですが、この映画ならそれがスタイリッシュに見えるかも知れません。好きになったわけではないですが、嫌いでもなくなりました。

ただ個人的にはどうしても受け入れられなかったのがイリヤ・クリヤキンです。
アーミー・ハマーが嫌いという訳ではないのです。
どうしても昔のイリヤ、つまりデビット・マッカラムと比較してしまいます。
イリヤはあのようなマッチョではなく、むしろロバート・ボーンのナポレオン・ソロに対して繊細なイリヤのイメージがあり、それがあのシリーズにおけるイリヤ人気だったはずです。

なにしろ最初は「0011ナポレオン・ソロ」で始まったのに、途中で出た脇役イリヤが大人気となり、いつの間にかバディムービーになっていたという程のイリヤ人気ですから。
私は子供の頃ですが、すでにバディになってからのドラマを観ました。2人が主人公なのに何故タイトルが片方のソロだけの名前だけなのかずっと疑問だったことを覚えています。

おそらく監督は「ワザと」キャラクターを変えたのでしょうね。
後で自分のシリーズにするためにも、過去の作品に引き摺られないように判断したと思われます。
ガイ・リッチー監督は私の大好きな「シャーロック・ホームズ」もあんなシリーズにしてしまった人ですから。(シャーロック・ホームズは「私にとっては」残念シリーズになっています)

問題点は、単に私の個人的な回顧を振り切るかどうかであって、映画としては面白いです。
まあ今となっては、そこは気にせずに新しいこのシリーズを楽しむしかないのでしょう。
旧作品を知らない人には、なんの問題も無く楽しめると思います。

同じくミッション:インポッシブルも007もそこを割り切らないと楽しめませんしね。
トム・クルーズ版ミッション:インポッシブルも第一作でジム・フェルプスをあんなことにしちゃったのは、過去のシリーズからの決別の為ですよね。

このU.N.C.L.E.もシリーズになるようです。今回の結末はU.N.C.L.E.の誕生秘話になっていて、ヒュー・グラントがあの役になるのですね。

映画全体としてオシャレですし、残虐シーンもないし、過激なラブシーンもないし、誰と観ても問題なく楽しめると思います。

今年はスパイ映画の当たり年ですね。
ミッション:インポッシブル
キングスマン
真打007の先行上映も始まったようです。

子供の頃MI6を目指していた私としてはブログを書いている場合ではありませんね。









2015年11月27日金曜日

受験勉強中の気分転換として他の勉強をする

昨日のブログで私が土地家屋調査士試験を受けていた頃の話を少し書きました。

私の土地家屋調査士までの合格履歴について書きました。
その中に簿記が入っていましたね。

「他の勉強は分かる。何故簿記だったのか。税理士を目指すつもりだったのか?」
という質問を戴きました。

確かに私の大学の専門は生物学ですから、法律も経済もすべて等距離に遠いのです。
だから資格なら何を目指しても同じでした。
でも私の中では税理士は無かったです。
じゃあ何故簿記だったか。

一つの理由は、いずれ開業するのなら初歩の簿記程度は理解しておくべきだろうと考えたからです。

もう一つの理由が「気分転換のため」に勉強したということです。
これが本日私がお伝えしたいことです。
この気分転換の勉強法については以前にも書いたことがありました。

時間が無いというあなたに(続き)

受験勉強は辛いものです。
だから合格後の自分を明確にイメージしなければ、なかなか自分を追い込むことは難しいでしょう。
それでも集中して勉強することを、何時間も続けてできるものではありません。
かと言って「無理しないで」とか言いながら長期計画を立てると、もっともっと長期になります。
受験計画は様々な意味合いで最短合格の計画を立てるべきです。

だから気分転換をしながらも一気に勉強をすべきなのです。
その気分転換ですが、たとえばスポーツなんか良いですよね。
机に齧り付いているのだから、身体を動かすのは健康に良いと誰でも推奨するでしょう。

でも私は、それは避けました。
一度机から離れると、身体も頭もなかなか戻りませんから。

私がお勧めする気分転換は、机を離れずに別の科目の勉強をするというものです。
だから行政書士の法律の勉強の合間に毛色の違う簿記を入れたのです。
いずれ学ぶべきものなら、このタイミングでやろうと思ったのです。

簿記では気分転換にならないと言う人は、その人に応じた気分転換科目を入れれば良いでしょう。
たとえば私の場合、その後試験を受けた土地区画整理士の勉強をする際には、気分転換用科目としてアマチュア無線と英会話を並行して勉強しました。

このように、勉強することが自分で楽しいものを入れましょう。
何も気分転換科目まで資格勉強にこだわる必要はありません。
ただ楽しすぎるものや夢中になりそうなものは、気分転換では無くなりますので、お気を付けください。

机を離れなければ身体に悪いっておっしゃるかも知れませんが、ストレッチくらいはしますよ。科目を変えるときにトイレとストレッチの15分ほどのブレイクを入れました。
むしろ強迫観念を持ちながら10年続けて受験勉強するよりは、一気に勉強してしまって合格後にスポーツを始めた方が身体にずっと良いと思いますよ。

私は行政書士合格後に、12月から5月までは測量士補を、2月から8月までは土地家屋調査士を勉強しました。
どの科目でも勉強開始直後から飽きることはありません。
逆に最初から飽きるのなら、その勉強は向いていないから止めた方が良いかも知れません。
12月から1月の2ヶ月間で集中して測量の勉強をしました。2ヶ月集中すると結構形になります。
その頃から、私の場合、気分転換が必要になります。
2月から土地家屋調査士の資格の受験予備校に通い始めましたので、段々科目の比重を変えていきました。

2月から5月の間は、意識しなくても理科系と文科系の科目を同時に勉強するという気分転換を兼ねた良い勉強になったと考えています。

時間が無いから、その受験勉強だけ集中するという気持ちは良く分かります。
でもほんの少しで良いから、気分転換にまったく違う好きな科目を入れてみることも、試してみてください。もっと集中度合いが上がるかも知れません。

そして、どうしても勉強をしたくないという気分の時に、別の勉強で気分転換ができれば、それはそれで気分が前向きになります。
これがモチベーションを維持できる秘訣です。

やる気が無いときでも、ドロップアウトした気分にならないって良いですよ。




2015年11月26日木曜日

土地家屋調査士試験受験者にお尋ねします

土地家屋調査士試験受験者にお尋ねします。
「資格試験合格したら、すぐに何をしますか?」

パーティを開く?
いやいやそんな事じゃなくて(笑)


土地家屋調査士資格試験について様々な勉強方法があるでしょうが、私の考えを少し書いてみます。
私は3月に卒業後、6月に日商簿記3級、10月に行政書士、翌年5月に測量士補、8月に土地家屋調査士に合格しました。土地家屋調査士の試験勉強時間は実質半年です。
すみません、ちょっと自慢しちゃいました。ごめんなさい。
ただ、これらの事実によって、これから書くことに説得力を持たせたかったからです。

もちろん当時合格直後の私は、不動産登記法を初めとする法律について深い理解なんて出来ていません。もちろん測量機器も見たことがありませんでした。
でも試験は勝負です。勝てば良いのです。
勝たなければ何も発言できません。
どちらにしても合格して開業してからは猛勉強しなければならないのですから。

勝つためにどうすれば良いか徹底的に考えれば、ジャイアントキリングの方法もゼロではありません。逆を言えば、ここを真剣に考えずに、他人の書いた予想問題集を読んでいるうちは無理かも知れません。

スポーツの世界でも実力が有ってもなかなか勝てない人がいます。
逆に「なんであいつが勝っちゃったんだ?」と思われる人もいます。
はい、私は後者です。

野村監督の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という名言があります。(ちなみにこの言葉は野村監督の創作ではありません。松浦静山の剣談の言葉ですね)
私は「不思議の勝ち」そう思われていたかも知れません。

それでも私自身にとっては不思議ではなかったのです。
まあ受験当日は、自分で合格確率は60%と思っていましたが、合格したとしても自分では不思議ではありませんでした。

物事の勝負には、すべて勝ち方があるのです。
ちなみに私の人生に「記念受験」などと言う時間浪費は絶対にありません。
ピッチに出たら、必ず勝たなければなりません。
勝つ方法を必死で考え、実行するだけです。

そんなこんなで受験生に勉強方法の相談を受けることがあります。
その方法の詳細は、さすがにこの狭いスペースと一般論しか書くことができない性格のここでは無理ですが、出し惜しみするつもりもありません。
時間のあるときは個人的相談も受けていますし、何らかの機会に説明させていただきます。

さて、受験生に相談された時に、いつも確認することがあります。

「あなたは、合格したらどうしますか?

たとえば12月に合格発表があったら、どういう行動をとりますか?

個人事務所開業ですか?修行するところを捜しますか?

それは何故ですか?

現在の職場はいつ辞めますか?

家族とは話し合っていますか?

それであなたの人生や生活にどのような未来が待っているのですか?」

こんな感じのことを伺います。

「えっ?」と驚く人がいます。
まったくイメージできていないようです。

「できたら合格したいなぁ」

その程度の気持ちでは、合格は無理です。
専門資格の受験は趣味の講座ではありません。

漠然としていると「どうしても合格しなければならない」という切迫感が無くなるのです。逆に合格者は誰しも何らかの切迫感があります。

まずは合格後の自分をイメージしましょう。
「合格したらこの生活から抜け出せるのだ」
というイメージを持ちましょう。
その具体的イメージを持つだけでも合格はかなり近くなります。

開業がどんなものか不安な人は、急いで合格しなければならないというモチベーションが低くなりますね。

若干趣旨は違いますが、イメージをつかむために、
「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」にご参加戴いても結構ですよ。

ちなみに東北で開催のガイダンスは、受験者の方はご遠慮願っています。

また、申し込みを戴くときは、ご自分の名前だけでなく、都道府県、合格者なのか、受験者なのか、開業後の方なのか、何をお聞きになりたいのか、などのメッセージをお願いします。
すでにお申し込みの方でもお名前だけの方もいらっしゃいます。
それでは何を準備して良いか分かりません。少しでもお役に立ちたいからです。
当然秘密は守りますので。





2015年11月25日水曜日

鉛筆の蛍光マーカー クツワ

どうも私のブログの中では、文具のジャンルが一番評判が良いようです。
まあ、確かに土地家屋調査士に対する説教みたいな内容ばかりなら読みたくないもんね。

ということで、今日は文具の話です。
ラインマーカーです。

自分でも最近まで気がついていなかったのですが、私、文具の中でも付箋とラインマーカーが結構好きだったのですね。
ノートやペンは常に自分でも意識していましたが、ラインマーカー好きとはブログを書き始めなければ気がつかなかったかも知れません。

付箋とラインマーカーは、本やノートを調べている際のチェック用途に利用することが多いので、私がいかに勉強しているか分かるでしょ(笑)

ラインマーカーは該当部分に蛍光インクをのせることにより、他の部分から明らかに浮き出て見えるようにして、次回見る時にすぐに見つけやすいようにするものです。
それにより一瞬でその本の重点事項を把握できるようになりますね。

高校や大学受験の頃は赤鉛筆と青鉛筆が真ん中でくっついて一本になっているヤツ(商品名はそのまま「赤青鉛筆」)でマークしていました。
そんな頃マーカーに初めて出会いました。
使ったときの蛍光の発色が鮮烈で、はまりました。

ただ、従来商品の一番の欠点はインクが紙に染みて裏抜けしてしまうことです。
裏の関係ない部分のマークが、表側に抜けてマークされると、かえって分かりにくくなりますね。
しかし、当時はそんなものだと諦めていました。

それを解決したのが、以前ご紹介した
STAEDTLERのテキストサーファーゲル と BICのブライトライナーテープです。
特にテキストサーファーゲルは気に入っています。

ちなみに過去ブログを見てみるとマーカーだけで結構記事を書いていましたね。

まず、あのフリクションシリーズのマーカー pilot・フリクションマーカー があります。
勉強していると以前のマークしたところを変えたい、消したいと思うことが多いです。
その可能性があるのならフリクションマーカーは良いです。

またラインマーカーでドヤ顔したいなら、これでしょう。
ペリカンのスケルトン万年筆で蛍光インクを使うのです。
これは嬉しいです。

蛍光色がキツすぎる場合はマイルドライナーがお勧めです。
これらの色はかなり気に入っています。

他にもこんなラインマーカーを紹介しましたね。

こんなことをゆっくり書いていると今日の本題に行きませんね。
本題に戻します。

さて、今日の文具はクツワ株式会社の「鉛筆の蛍光マーカー」という商品です。



鉛筆型のラインマーカーで、キャップ兼用の鉛筆削りがセットになっているものです。




キャップと色鉛筆部分です。





こんな感じでキャップになります。




キャップの反対側が鉛筆削りになっています。




 削ってみると鉛筆の軸ももちろん芯も柔らかいので、きれいに削ることができます。

さて肝心のラインマーカーとしての印象です。





ちょっと使ってみました。
結論として「良くも悪くも鉛筆」でした。

まず思ったより蛍光色が不足していました。
私が勝手に期待が膨らんでいたからでしょう。
他の液状やゲル状のインクと比べたらということですから、頑張っていることは間違い有りません。
鉛筆型の芯にどこまで蛍光色を入れられるかという問題があり、考えてみればこれが限界かも知れません。

もちろん鉛筆型の良かったこととして、インクが液状ではないので取扱が楽ということ。
一番の利点はマーカーで文字を書くことができること、
裏抜けしないこと、インク切れの問題が無いこと、などでしょうか。

蛍光発色が少ないのならば、以前の赤青鉛筆でも良いのかも知れませんが、この製品、鉛筆削りが付いていて定価220円(税別)でしたので、費用対効果を考えれば、まあ悪くないと思います。

カラーは「ピンク」「イエロー」「オレンジ」「グリーン」の全4色だそうです。
今回はピンクだけ試したのですが、他の色ならもう少し違う印象だったかも知れません。

ちなみにステッドラーにもまったく同じ4色展開で競合する蛍光色鉛筆がありまして、こちらの定価は鉛筆削り無しで200円です。
残念ながらこちらの方は使っていないのでコメントはできません。
使う機会が有ったらまた報告しますが、やはりニーズがあるのでしょうね。




2015年11月23日月曜日

檀浦武先生講義レジュメ 宮城会研修会2015/1/30

先日このブログで追悼文をアップした故檀浦先生の功績を偲んで、本年宮城県土地家屋調査士会で開催された研修会における檀浦先生の講義レジュメを紹介いたします。

もちろん講義の中心はコンピュータによるデモンストレーションでしたから、これだけでは檀浦先生の講義はほとんど伝わらないかと思いますが、何を大事になさっていたかの一端は理解できると思います。

当時、檀浦さんに相談した研修会の企画は、以下のようなものでした。
檀浦さんはすぐに理解して、見事に講義を構築してくださいました。

まず
「土地家屋調査士のオープンマップに対する敷居を低くすること」
そして
「研修を聞いた後で触ってみようという気にさせること」
が今回のメインの目的でした。

今回は
(我々の業界ならおそらく触ったことがあるだろう)「グーグルアースを素材として利用すること」
そして
「他のGISソフトにも少しだけ触れること」
「なぜ土地家屋調査士がオープンマップを理解したほうが良いのかを『強迫観念抜きに』説明すること」
「技術論だけに流れずに著作権等にしっかり言及すること」
(法務省傘下の資格者がライセンス違反では話になりませんから)

以下が当日の研修レジュメです。
全国に檀浦さんを知っていただければ嬉しいです。











2015年11月22日日曜日

訃報-檀浦武先生ご逝去

檀浦武先生が11月19日にご逝去なさいました。
ご葬儀は家族葬だったとのことでした。


和歌山会前副会長で「Q&A表示登記オンライン申請の実務」(日本加除出版)の共同執筆者の一人であり、宮城会にも研修会「グーグルアースと位置情報ビッグデータの活用」の講師で来て戴いた方です。
その際にはオープンデータの技術的な話だけでなく、一番大事で複雑なデータのライセンスの話など詳しく研究された知識を教えていただきました。

私は長年近畿ブロック協議会の新人研修会で講師を担当させて戴いておりますので、昔から檀浦さんとはお付き合いがありました。すみません、今日までは檀浦さんと呼ばせてください。

檀浦さんは自分の寿命を理解されていて、昨年夏に私に話してくださいました。
手術をしてベッドで長生きするより、抗がん剤を投与しながらでも外で生きるとおっしゃいました。
そして檀浦さんは、昨年9月5日と6日に仙台で開催されたGoogleの講座に1人で参加されていました。内容は直接的には土地家屋調査士の業務ではないので、土地家屋調査士で参加されている方は他にいませんでした。それを和歌山から抗がん剤を打ちながら飛行機で来たのです。
しかもその時の内容はGoogleの中でも最先端の内容です。5年後くらいに一般化するような内容です。
「絶対にその5年後には檀浦さんはこの世にいない」
それを檀浦さんは完全に理解しながらの参加でした。私は心から尊敬しました。
その晩は仙台で二人で食事をしました。お互いに病状を理解していますので、私は変な慰めもせずに、当日の研修についてお話をしながら楽しく食事をさせていただきました。

自分が死んだ後の技術まで、体調を整えながらも今学ぼうとできるものなのか。
私がそうであれば、同じように考えて、同じように行動できるのか。
分かりません。
しかし彼はそう生きました。
常に前を向いた素晴らしい人生だと思います。

私は檀浦さんの生きている内に彼の知識を広めたいと思いました。
そこで宮城県土地家屋調査士会の研修会講師にお招きしました。
勝手ながら少しでも彼の長く生きる目標にもなるかも知れないとも思いました。
宮城会で企画する時には、彼の病気については口に出しませんでした。
宮城会の責任者として、そして友人として、檀浦さんにお願いした条件はただ一つ。
「主治医に必ず了解を得ること」
彼は抗がん剤投与のスケジュールを調整して、本当に頑張って、そして喜んで来てくださいました。
そして宮城会会員のために、とてもとても貴重な講義をして戴きました。
ありがとうございました。




以下は、11月2日に檀浦さんがFacebookに書かれた言葉です。
ご冥福を心からお祈りいたします。

今日は2週間に1度行っている大学病院の診察日でした。この土日は体調が悪く珍しく寝込んでしまいました。今日の診察の結果、ただちに入院となりました。私は小腸ガンですが、肝臓と肺に転移しています。今日のCTの画像を見ると肝臓と肺に転移したガンが以前よりかなり大きくなっていました。黄疸の症状が出てきており、肺に水が溜まっているのも見つかりました。私の命はあと2か月程度かもしれません。私はみなさんに可愛がって頂き、私のやりたいことやらせていただきました。本当に素晴らしい人生を送らせていただきました。あと残された命を精一杯生きていこうと思います。





2015年11月21日土曜日

土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪 開催決定!

昨日、仙台で開催される「土地家屋調査士合格者の為の開業ガイダンス」に参加できない人のために、
「大阪で開催しましょうか?」
「ご希望があればやってみますよ」
という内容をブログに上げたところ、半日経過で既に複数の参加希望のご連絡を戴いております。

やはり開催する意味が有りますね。
ということで、開催は決定します。
同じ職業を志した後輩の人生の迷いを晴らす手伝いができるなら、喜んでやらせて戴きます。

中には関西地方ではなく、九州や中部地方からの参加希望もありました。
交通費をかけてわざわざ来て戴く価値のあるガイダンスにしたいと考えています。

またご連絡を確認していると必ずしも試験合格者だけでは無いので、タイトルは「土地家屋調査士試験合格者の為の開業ガイダンス」ではなく、「土地家屋調査士事務所開業ガイダンス」とさせて戴きます。

人数や相談内容がある程度分かってから、会場等詳細を決定しますが、このブログで詳細は発表して参ります。

ということで、参加を迷っている方も、「今迷っている」だけでも早めに連絡戴くと、会場の予約の都合が良いので、ご連絡お願い致します。

今日現在の詳細は以下のとおりですが、
「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」の開催は決定致します。

ちなみに仙台で開催されるガイダンスの方は、東北ブロック協議会主催の公式事業ですので、組織として正式文書が出てからご紹介致します。





土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪

日時:平成28年1月24日(日) 午後
 午後早めから夕方までのイメージでしょうか。
 参加者皆さんのご事情があるでしょうから遅刻早退も可としますけれど。 
 いつもは「質問が終わるまで」と言っておりますが、その日は仙台に帰りたいので、夕方には終わると思います。
 まあ、人数やニーズによっては泊りも検討しますが。
場所:未定(大阪市内)
 人数によって考えます。ニーズによってはプロジェクターも使うかも知れませんし。
 私の都合や皆さんの集合の都合から考えて大阪市内で決めたいと思います。
参加料:無料
参加対象者:
 土地家屋調査士試験合格したけれど開業できるのかなと迷っている方
 土地家屋調査士を目指そうと思ったけれど、この資格の先行きは大丈夫かなと迷っている方
 事務所開業しちゃって後悔している方(このニーズ結構有りそうです)
 もちろん関西地方の方に限定しているわけではありません。

 既に中部の方九州の方からも参加希望を戴いております。

問合せ及び参加希望連絡先
鈴木修メールアドレス  mucha@rr.iij4u.or.jp

「今、参加迷っている」も含めてできるだけ早めにご連絡ください。
「当日の突然の参加は絶対ダメ」とまでは言いませんが、事前に適正な会場を押さえたいのです。ですから早く参加表明をして欲しいのです。

予想される質問(過去の質問から)
・開業資金はどれくらい必要か
・これからの調査士事務所の設備は何がどこまで必要か
・自宅を事務所にして問題が無いか
・調査士法人に勤めたいが
・補助者として勤めたいが
・測量会社に勤めたまま登録して良いか
・土地家屋調査士の2代目だが登録の時期はどう考えるか
・開業しても仕事があるのか
・会社の頃の生活水準は維持できるか
・営業はどう考えれば良いか
・報酬はどう考えれば良いか
・他の資格を勉強しているが
・土地家屋調査士の業務と大震災の影響は
・実務経験がまったくないが
・全国の土地家屋調査士事務所の規模は
・土地家屋調査士の今後の展望は
・開業準備は何から始めれば良いか
etc.





2015年11月20日金曜日

関西方面の試験合格者の皆さんに開業ガイダンスしましょうか?

昨日19日は土地家屋調査士試験口述試験の日でした。
受験された方はお疲れ様でした。

さて、先日もこのブログでお知らせしたように来年1月16日に仙台にて「土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンス」を開催します。

これは東北ブロックの合格者に案内を出して、開業で迷っている方それぞれに対して、私達なりの答えを差し上げるという企画です。

私自身が開業前後に様々なことで迷いました。
あのときの私にこんなアドバイスが欲しかったということを後輩達に伝えたいと思いました。
私が個人でやっていた企画が、宮城会の行事になり、東北ブロックの行事になりました。
もちろん東北以外の方や既に開業されている方もお聴きになりたい方は歓迎しております。
詳細はまたお知らせします。

さて今日はその開業ガイダンスについて、関西方面の土地家屋調査士試験合格者の皆さんにお尋ねしたいことがあります。

毎年全国各地の合格者から、開業ガイダンスに参加したいのだけれども、なかなか日程が合わないとか、仙台は遠くてどうしても宿泊するので難しいとかいうご連絡を戴きます。
確かにそのとおりだと思います。
今回も既にそのようなご連絡を戴いている方がいます。

そこでご提案ですが、

来年1月24日午後、大阪で開業ガイダンスをしましょうか?

私は別の用事で大阪に入っていますので、その日なら可能です。

以下のような悩みや質問をぶつけてみたいとおっしゃる方がいたら、私まで直接メールを頂戴したいのです。
基本的に参加者が1人でも悩みに答えられるなら時間をとりますし、人数が多ければ、それによって会場を考えます。

こんな感じでしょうか。

日時:平成28年1月24日(日) 午後
 (いつもは「質問が終わるまで」と言っておりますが、その日は仙台に帰らなければなりませんので、夕方には終わると思います)
場所:人数によって考えます。大阪市内です。
参加料:無料
参加対象者:
 土地家屋調査士試験合格したけれど開業できるのかなと迷っている方
 土地家屋調査士を目指そうと思ったけれど、この資格の先行きは大丈夫って迷っている方
 事務所開業しちゃって後悔している方
 もちろん関西地方の方に限定しているわけではありません。
問合せ及び参加希望連絡先
鈴木修メールアドレス  mucha@rr.iij4u.or.jp

参加迷っているも含めてできるだけ早めにご連絡ください。
会場や私の飛行機の予約の都合もありますので。
連絡がなければ早めに開催中止を決定します。

過去の質問から
・開業資金はどれくらい必要か
・調査士法人に勤めたいが
・補助者として勤めたいが
・測量会社に勤めたまま登録して良いか
・土地家屋調査士の2代目だが登録の時期はどう考えるか
・開業しても仕事があるのか
・会社の頃の生活水準は維持できるか
・営業はどう考えれば良いか
・報酬はどう考えれば良いか
・他の資格を勉強しているが
・土地家屋調査士の業務と大震災の影響は
・実務経験がまったくないが
・全国の土地家屋調査士事務所の規模は
・土地家屋調査士の今後の展望は
・開業準備は何から始めれば良いか
etc.





2015年11月19日木曜日

救急車を見たら

街中で救急車を見ることが多いです。
救急搬送は増えているのでしょうか。
私も昔、乗せて戴いたことが有ります m(_ _)m

さて仙台市内も結構渋滞していますので、救急車もなかなか前に進むことが難しいことがあります。
その1分1秒が中にいる患者の生命に関わるものです。
救急車の職員、中の同乗している家族、そして患者本人、皆この1分1秒をどんな想いで感じていることでしょう。

確かに周りの車は一時停止などで協力しています。
でももう少し協力できそうです。
これは道路交通法違反になるかならないかの問題ではありません。

救急車を見たら「あの中に私の大事な人がいる」と思ってみましょう。
自分の親でも子でも夫でも妻でも恋人でも親友でも。
皆がそう思えたら、救急車の周りの車や人の行動はもう少し変わるかも知れません。





2015年11月18日水曜日

研修会配布資料を考える

このブログ、研修会講師ネタをもう少し書かせてください。

研修会には「研修レジュメ」と言われる配布物がつきものです。
基本的に「レジュメ」と「研修資料」は意味が違うものですが、依頼者も混同されていることが多いようです。
「レジュメ」とは講義の要約であり「研修資料」とは要約とは限りません。
まあここは無理に定義付けするまでもないと思うので、「レジュメです」と言いながら、決して要約ではない研修資料をお渡ししています。

実は私の講義では、「事前予告」と「当日の講義」と「研修資料(レジュメ)」は全部別の役割を考えています。

依頼者の組織の通常の研修予告のやり方があるはずですから、私が事前予告をさせて戴けることは難しいのですが、可能な場合は文章で「問い掛け」をさせて戴きます。
それが難しければサブタイトルに思いを込めます。

新人研修
「この資格業を続けて良いか、迷っていますか?」
報酬研修
「この業務で30万円で赤字と言うあなた、それならいくらから赤字か言えますか?」
区画整理研修
「換地処分前に仮換地を売ることと保留地を売ることの法的違いは分かりますか?」
震災研修
「もし大地震が起きたらどういう行動をするのか、家族と約束事がありますか?」

たとえばこんな感じです。
何か書かれれば、当日までに少しでも問題意識を持って講義に参加して戴く可能性が高くなるはずです。この僅かでも問題意識を持って研修に出席していただくと、当日の研修効果はまったく違います。

当日の講義については、絶対に講師とスライドに集中して欲しいのです。
それなりの準備と計画によって講義を作っていますので。
だから配布した資料は当日使いません。
資料は後日私の研修を思い出すためのものと位置づけています。

その配布資料に何を書くかが難しいですね。
先日書いたようにスライドの縮小印刷を渡すことはありません。
先が分かる講義は、後で見ても良いと思って絶対に集中しなくなります。

資料は講義を思い出すためのキーワードがあれば良くて、書きすぎるとまた安心して講義を聴かないかもしれません。
何をどの程度書くか、この度合いが難しいです。

実際良くまとまった研修資料は、後で読めば全部分かると思って、結局棚に入れて勉強しなくなります。
私の場合、項目とキーワードだけを書いておきます。
手抜きの言い訳?

どちらにしても、後から見る気がしない研修資料ということは、資料の問題ではなくて当日の講義がダメだったということは間違いないでしょう。











2015年11月15日日曜日

開業するかどうかを決断する方法

おはようございます。○○県△市のSと申します。
突然メール致しまして申し訳ありません。
土地家屋調査士の登録を近々考えている者です。

試験は2008年に合格しました。
(略)
資格を生かさなければ勿体ないという思い等、他にも様々な思いもありまして開業しようかどうか悩み現在に至っております。
(略)
先生にアドバイスを一言頂ければ幸いに存じます。


試験合格者や新人のためのガイダンスを長年やってきていると、たまにこのような開業のご相談をいただくことがあります。
開業の相談とは、その方とその方の家族の一生に関わることです。
いつも覚悟を持って相談を受けています。

ただし、このようなメールの相談にメールでお答えするのはとても難しいのです。
その方の背景をお聞きしないと何も答えられません。
例えばその方の年齢、家族構成、経歴、調査士としての実務能力、当面の仕事の受託可能性、開業予定地等々お聞きしないと、的確なアドバイスができません。
開業は一般論ではないのです。

そこで電話しました。
結局30分ほど話しをしました。

当然ここで詳細は書きませんが、その中で他の方にも参考になるかもしれないことを書いてみます。

1)迷ったら「やる」と決めてシミュレーションをしてみる
大抵物事を迷っている人は、「やる」か「止める」かについて、感情的にフラフラしているからです。気持ちはわかります。でもそれならいつまで経っても解決しません。
また将来を理詰めで考えられなくては、開業してからも苦労するでしょう。
私のやり方は、迷ったら「やる」と一度決めてシミュレーションをします。
「止める」のはいつでもできるからです。
そして「やる」つまり「開業する」なら何が問題かを一生懸命に考えるのです。
「やる」場合の問題をすべて上げてみるのです。

開業資金なのか、それならいくら必要なのか。
開業場所なのか、都会と田舎ではそれぞれメリット・ディメリットはどこにあるのか。
能力不足なのか、それではどれだけの能力が必要なのか。
家族の理解なのか、それなら何を納得させれば理解に変わるのか。
現在の職業の退職問題なのか、本当に辞められないのか。

それらを全部上げて、その問題をすべて解決できれば、開業できるわけです。
またどれかの問題が解決できそうもなければ、ぐずぐず考えていないで「止める」べきです。だって解決できないのだから。

2)試験合格したのに開業しないのは勿体無いとは限らない
よく試験に合格したので開業しないのは勿体無いと考える方がいます。
まったく間違っていると思います。
資格試験合格は「開業の理由」ではありません。
「開業の条件のひとつ」でしかありません。
資格試験はせいぜい数年間の勉強でしょう。
開業したら一生の問題です。
人生のたった数年のことに捉われて、その後の何十年の人生の可能性を決めるなら、それも勿体無いかもしれないのです。


Sさんには、もっと個人的なことも含めてお話ししました。

他にも迷っている人は多いでしょう。
一人で悩んでいても仕方ありません。
地元の先輩や土地家屋調査士会に相談しても良いでしょう。

また東北ブロックの開業ガイダンスに参加されても良いでしょう。
東北以外の方も参加できます。

ちなみに楽天トラベルで調べてみました。
関西方面から参加するとして。

1月16日~17日、1泊2日
大阪伊丹空港~仙台空港
往復とビジネスホテル1泊で、本日現在35,000円前後でした。
ガイダンス(無料)に出て、希望者懇親会(実費)と翌日の観光?お土産?を入れて5〜6万円程度かもしれません。

参加も開業も無理には勧めませんけど。












2015年11月12日木曜日

映画にまつわるXについて 西川美和

忙しくてまとまった時間が取りにくいとき、そんな時にじっくり読書は難しいですね。

そんな時は、短編集やエッセイ集などの精々数十ページで完結する内容の書籍を選びます。
ランチの待ち時間とか、ちょっとした移動中の隙間時間に読むことができます。
短編集やエッセイの場合はあまり選ばずに買います。
書店でなんか感性に合いそうだと思うと、とにかく買ってきます。
そして合わないと思った場合はすぐに止めます。
なにしろこのジャンルの本は、ちょっと読んだだけで、この本を買ったのが正解かどうか判断できますので。

それに比べて長編はそうはいきません。
きっとこれから面白くなるはずだと思いながら、長い時間をかけて読み進み、結局つまらない本だったと言うことがあります。

読書は途中で止めても平気です。
本代が勿体無いとは思いません。時間が勿体ないのです。

今回読んだのはこの本、

西川美和 「映画にまつわるXについて」
特に期待せずに失礼ながら移動中の暇つぶしのつもりで手に取りました。

この本の帯、すごいですよ。
「立ち読みして下さい。」
「買うことになりますから。」
いやぁ、思うツボでした。
立ち読みして買っちゃいました。

エッセイは作家その人が出ます。
半分は途中で止めるものが多いです。
この本は最後まで興味持って読むことができました。


西川美和さんは作家であり映画監督でもある人です。
その西川さんは、監督として個人として映画に向き合って考えてきたことを雑誌、新聞、ウェブなどに寄稿してきましたが、その7年分のエッセイを収録した本です。
直木賞など各賞候補になった彼女ですが、私、彼女の文章は初めて読みました。

オーディションで人を選んだときの話
松たか子と一緒に重機の免許を取りに行った話
映画のワンカットのために使った動物の話
夢で見たプロットを映画「ゆれる」にするまでの話
その映画の際の香川照之の話(香川照之すごい)
父親が作ってくれたカチンコの話
等々35編

良いですね。
感性が好きです。
言葉選びが好きです。
文体が好きです。
そして生き方がとても好きです。

実際人生や仕事に真摯に立ち向かっているからこそ迷い、そして迷ったからこそ書くことのできる内容で、だからこそ全く未知の世界に触れる読者にも説得力があるのでしょう。
そして最後まで興味深く読むことができました。

映画でも書籍でも、今後意識して彼女の作品に触れていきたいと思います。

皆さんも興味を持ったなら、本屋で立ち読みだけでもしてみてください。
買うことになりますから。(笑)




2015年11月10日火曜日

土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンスを開催します

本日11月10日、土地家屋調査士の筆記試験合格者の発表がありました。

合格者の皆さん、おめでとうございます。

全国で434名でした。
大きな山を超えましたね。
長い間の努力が報われたと思います。

正式にはこれからの口述試験を通過しないといけないのですが、まあそこは心配ないでしょう。
さて、これからその資格をどう生かすか、そこが問題になりますね。

合格者の皆さんは、ネットでも様々な検索をなさっているかも知れません。
その中の一つにこのブログが見つかったかも知れませんね。
ネットですから様々な玉石混交の書き込みがあるでしょう。
「もうだめぽ」などというネガティブな書き込みや、「開業に1000万円かかる」などの書き込みを読んでがっかりすることもあるでしょうね。
そして何を信じれば良いか分からなくなるでしょうね。

ちなみに開業費用は、考え方にもよりますが、そんなにかかりません。
1000万円が必須なら先輩たちは開業できませんでした。

大丈夫です。
不安な気持ちはわかります。
でも皆さんは土地家屋調査士になるために試験に臨んだのではないですか。
それなら「実名で」土地家屋調査士について「ポジティブに」語っている人達の書き込みを、まずは読んでみましょう。

そして、毎年このブログでも紹介していますが、土地家屋調査士会の東北ブロック協議会は来年も「土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンス」を開催しますので、これに参加してみませんか。
土地家屋調査士会が主催で、第一線の先輩たちが参加して、開業のノウハウを教えます。
当然無料です。
平成28年1月16日(土)午後に宮城県土地家屋調査士会館で開催する予定です。

皆さんの人生がかかってるのですから、こちらも本気でお応えするつもりです。

ガイダンスの詳細は東北の合格者には直接連絡させていただくと思いますが、時期が来ればこのブログでもお知らせいたします。
また他の管轄所属の合格者でも興味があれば大歓迎いたしますので、このブログをチェクしておいてください。

また前回のご案内は以下のブログが参考になると思います。

昨年11月19日ブログ






2015年11月8日日曜日

専門能力と講義能力

私は長年様々な分野の講師をやってきました。
またそれ以上に様々な分野の講義を聞いてきました。

自分が常に気にしているからかもしれませんが、講義を聴いているときには、講義内容だけでなく、その講師の伝え方がとても気になります。
そんな勝手な思いで、ここのところ研修会の講師側の話を書いてきました。

2015年10月29日ブログ「研修会で盛り込み過ぎは禁物と考えています」
2015年11月03日ブログ「研修会におけるスライドの使い方」

今回は講師の専門能力と講義能力のことを書きたいと思います。
専門能力があるはずなのに何も伝わらない講師がいます。
講義が始まったらすぐに眠くなる講義があります。
最初から伝える気があるのか疑問に思ってしまう方すらいます。

プレゼン能力の問題とでも言うべきかもしれませんが、それ以前のものでしょう。
志の問題なのかも知れません。
研修会を聴いていると、この講義はおそらく相手のためではなく、結局講師自身のための研修会なのかなと思う人がいます。
受講者に如何に分かりやすく伝えるために心を砕くのではなく、「結局この分野は俺が第一人者だろ」「俺ってすごいだろ」って言うためにやっているのかと思える研修会が結構多いです。

講義を聞き終えて「ちょっと興味は持つけれど、そんなに難しいなら私には無理だ」と思う受講者がいたら、その研修会はまったく意味がないどころか、害になります。

講師は当然にその専門分野の能力があります。だから講師の依頼を受けるのでしょう。
ちょっと疑問もあるのですが、そこは論じません。

そうだとしても講師なら、専門分野を知っているだけではダメなのです。
分からない人に伝える方法の研究もしなければなりません。
大学生の頃、偉い教授と聞いていたけれど教え方が下手という先生は多くいました。
大学の教授たちは確かに研究者です。
しかし教壇に立つことでも給料をもらっています。
だから、その部分もプロじゃなければなりません。
私たち実務家が講義をするときも同じだと思っています。

講師にプレゼン能力を求めるということに、違うとおっしゃる方も多いでしょう。
プレゼンというと相手に媚びるような何らかちゃらちゃらしたイメージなのでしょうか。
それなら、おそらく誤解されているのだと思います。
私はとてもとても大事なことだと思っています。

もちろん本当の意味で媚びた講義をする人がいるとすれば、それはそれで講師自身のためでしょうが。

ではどうすれば良いのでしょうか。
当たり前の話ですが、主役は受講者であり、講師は受講者への奉仕者であると理解することです。
講師は偉そうだったり、講師に招かれただけではしゃいだりしないで、まずはクールに講義を組み立てて欲しいと思います。

まずは受講者の現状の能力とニーズを正確に把握していますか。
受講者が忙しい時間を割いてまで、何を求めてこの研修会を受講するのか、再度考えてみてください。
分野にもよるでしょうが、基本的に受講者が過去同じ分野の研修を受けたことがあるか、それはどんな内容の研修だったか、把握してから講義していますか。

2010年6月25日ブログ「過去3年分の会報を読んでから行け」

その上で「与えられた時間内に、今回は何を求められていて、実際に何を伝えることができるのか」そこをプランニングしなければなりません。
可能なら主催担当者と、この研修計画を何度か打ち合わせをすべきです。
受講者が分からないのは、受講者の能力ではなく講師の能力のせいです。

その上で、一年間かかって教える教師は当然として、たった一度だけの研修会の講師であっても、受講者の人生に関わっているという自覚を持って欲しいと思います。


うーん、
結局自分のハードルを上げただけかも







2015年11月6日金曜日

100均ペンスタンド

100円ショップは文具が充実しています。
私が望む紙質のノートなどはありませんが、使い捨てのメモ帳など割り切って買えばかなりお得のものが多数有ります。

以前紹介したダイスキンもダイソーですし。


さて、本日ご紹介するのは、ダイソーで買った100円のメッシュタイプのペンスタンドです。
金属製のなんてことのない四角形の形状です。

丸型の形状もありますが、四角形は机上でも引き出しに入れても、デッドスペースが生まれにくい形状です。

1個100円です。私の好きなオレンジ色です。

裏側にマグネットが付いていて、机上に置くだけではなく、壁に貼り付けることができます。スチール製のロッカーの壁などにも良いでしょう。


三ヶ所にマグネットが有ります。

さすがに100円ショップの製品だけあってマグネットの位置が真ん中に付いていません。この程度の作業でこんな雑な仕事は結構気になりますが、機能的には何の問題もありません。



マグネットを中心に付けられないものか

私の場合、このペンケースは机上に置いてません。
机の一番下の引き出しの取っ手の下に貼り付けています。
この場所、全く邪魔にならずに、意外と取り出し易い位置なんです。


左端はクリップ等が入っています
 
 
 
 
ペンスタンドも机上のアートなものが欲しければ100円ショップでは無理と思いますが、
このような裏方的使い方で良いなら100円ショップに行ってみることをお勧めします。








2015年11月3日火曜日

研修会におけるスライドの使い方

先日は研修会講師に関する私の考え方(研修会で盛り込み過ぎは禁物と考えていますを書かせていただきました。今日は研修会でよく見るスライドの使い方について書かせて戴きます。

私が研修を始めた20年程前に、自分の説得力を補うためにプレゼンテーションソフトのスライドを使い始めました。
世間があまり使っていない頃でした。会場にプロジェクターの準備をお願いしたら、レンタル代で1日7万円かかったとお聞きして、恐縮した記憶があります。

今は研修会でキーノートやパワーポイントのスライドを利用することが当たり前になりました。むしろスライド無しの研修を見ることが少ないですね。

さて講師として長年スライドを使ってきたので、これから講師をする人に、私なりに感じていることをお伝えしたいと思います。
他の講師を指導できるほど講師のスキルがあるわけではないですが、他の研修を受けていて残念に思うことも多いので、ここに書いてみます。
あくまでも私なりの考えであることをご理解の上、お読みください。

1、スライドを使う意味

上記のとおり誰でもスライドを使う時代なので、逆にスライド作成を義務と考えて、別に無くても良い内容のスライドを作成する人がいます。
スライドは何のために使うのでしょうか。
研修に効果があるから使うのに、講師にとって何らかの作成義務のような思いで作成するなら、おそらく意味がないでしょう。
スライドは、研修効果を考えて、資料だけでは説得しにくい部分を補う為のものです。
それを考えないのなら、無理にスライドを使わないほうが良いでしょう。
この時代、スライドを使わないというと、逆に達人っぽい雰囲気を醸し出せるかもしれません。
ちなみに話が脱線しやすい講師にとってはタイムキーパー的な役割を持つという意味はありますが。

2、スライドの表現

スライドに文字をたくさん書き込む人がいます。
見ただけで黒っぽいスライドです。
基本的に間違っています。
スライドは読むものではありません。
長年受講者としても研修会に参加していると、すぐに次の画面に切り替わるスライドの文字を読ませられるのは、とても忙しく苦痛であり、むしろ講義に集中できない可能性があります。それなら手持ち資料として配布すれば良いだけです。
長い文章や条文を解説するために載せるなら、それはそれで結構ですが、それにしてもやはり配布資料との関係をしっかり考えて、なぜスライドなのか考えて利用すべきです。
どうしてもスライドに書き込みたくなる人は、むしろスライド使用を一旦止めて、配布資料を充実させた方が良いかもしれません。
そうすることで逆にスライドの使い方が分かるかもしれません。

3、アニメーションの使い方

研修内容にもよるでしょうが、アニメーションの多用は止めて欲しいです。
パワーポイントやキーノートを使い始めの講師に有りがちの現象です。
20年ほど前の私のスライドも今の私の基準で振り返るとアニメーションが多かったようです。反省しています。
アニメーションは配布資料では表現できない方法で説明ができる効果的なツールです。
ただし受講者側から見ていると、講師側の自己満足的な使われ方が多いようです。
アニメーションが多いと講義の本筋に集中できないなどの弊害すらあります。
アニメーションでないと伝わり難いことは何かを精査して、スライドのアニメーションを整理する必要があると思います。

4、スライドの事前配布

スライドをそのまま縮小して印刷し、レジュメの一部として事前に配布することが多いですね。
私の研修では絶対にやりません。
あれは次の展開が手元でわかりますので、受講者が前を向かず、下を見始めます。
しかもスライドが手元にあるから、帰ってからでも見ることができる安心感で、その日の研修に集中しないことがあります。
後でも確認できる研修資料は別に作成し、スライドはその資料を読むときの指針を伝えるために使うべきです。


意見が違う人もいるかもしれません。
ただ私がどうしても言いたいのは、研修会は講師のパフォーマンスの場ではなく、受講者のための場だということです。
講師に選ばれる方は、元々その分野の能力が有るのですから、その部分の研鑽は問題ないはずです。
ですから研修会までに講師がやることは、どうすれば研修会という限られた時間と場所で、一期一会の受講者に如何に分かりやすく伝えることができるか、先日のブログで言う「共感」までいけるのか、この点の工夫に全力を尽くすことです。

研修会は講師のものではなく、あくまでも受講者のためのものですから。




2015年11月2日月曜日

ドヤ顔できないお気に入りのボールペン

私の普段使いのペン(主戦ペン)の中に、ジェットストリーム多機能ペン「4&1」を2本入れています。
「4&1」とは4本のボールペンと1本のシャープペンが1本にセットされている三菱鉛筆のペンです。


そのうち1本の「4&1」には、オリジナルのまま使っています。つまりシャープペンと、黒、青、緑、赤の4色のボールペンインクです。


1本でこれだけ使うことができれば、普通はこれで十分でしょう。

そして私のもう1本の「4&1」には、以前書きましたように、黒インクの太さの違う4本を入れています。



ジェットストリームの黒インクのリフィルは、0.38mm、0,.5mm、0.7mm、1.0mmのものがあります。


それを全部1本に入れています。


ペン先を前から見た写真です。
時計で言えば7時の位置がシャープペン0.5mm、10時の位置が0.38mm、1時の位置が0.5mm、4時の位置が0.7mm、5時の位置が1.0mmです。

書き心地ですか?
そりゃあ、良いですよ。
ジェットストリームのインクですから。


4色ボールペンとシャープペンと、黒インクの太さ4種を持っていたら、機能としては十分過ぎるでしょう。
この太さの違う黒インクを多機能ペンに入れるという技は、思った以上に便利ですよ。
お勧めします。

でも皆さんは黒のみ太さ4種までは不要でしょうね。
黒2種、青2種の4本の方が現実的かもしれません。
いいんです。
私は現実のためだけにペンを持っているのではないですから。

ただこの気に入っているペンですが、問題があるとすれば、なかなか自慢のドヤ顔がしづらい点です。

一番の問題は、見た目では分かりませんので、さりげない自慢ができません。

三菱鉛筆もこんな方法で利用するユーザーを想定していないのでしょう。
ノック部分の色が最初の4色に固定なのです。
中身が全部黒ですが、外から見た目は4色に見えます。
これがパイロットのhigh-tech Cならインクのリフィルにノックまで付いていて、色を示すので紛らわしくないのですが。

ハイテックC
これがノック部が全部黒なら、
「おやっ、スズキさん、ノックが全部黒ですねぇ」
「ええ、まあ」
なんて会話ができるじゃないですか。


また2番目の問題として、このジェットストリームの多機能ペンの欠点として、ノックのキャップが簡単に紛失するところです。
このキャップが無くなると中の消しゴムが見えるのですが、それがとても格好悪いものになるのです。
文具は美しくなければならないのです。
私はこのペンを3本買いましたが、すべてキャップが無くなりました。
私の友人も、キャップの無いこのペンを持っていました。
このペンの基本的な欠点のような気がします。


写真を見てください。
ねっ、格好悪いでしょう。
これではドヤ顔ができません。

例えば下の写真は、フリクション・ノック・ビズのキャップです。
ネジ式になっています。コストがかかるでしょうが、綺麗に決まります。


こんな感じに作ることができなかったのでしょうか。
ネジにコストがかかるなら、キャップ部分をもう少し長くして、摩擦部分を大きくすれば外れにくくなると思います。

ええ、中もこだわっていますが、外も大事です。
だって文具の一番の機能は「ドヤ顔」できることなんだから。