2015年10月29日木曜日

研修会で盛り込み過ぎは禁物と考えています

先日、研修会の講師を初めて担当する方から、研修会に使うスライドについて意見を求められました。
初めての講師って気合いが入りますよね。
スライドを見せてもらいましたが、思ったとおり「盛り込み過ぎ」でした。

研修会の講師は誰でも、受講してくれる皆さんの為に、できるだけたくさんの事をお伝えしたいと思います。
でも受講者の目的意識やその分野のスキルはそれぞれです。
もともと参加が任意の研修会と、参加義務のある研修会では、なおさら受講者の姿勢はそれぞれ別になるでしょう。
持ち時間内で、その多様な受講者に何を伝えられるのか、とても難しいですね。

研修会の内容にもよりますが、多く戴いても3時間が限度の研修会では、なかなか伝えたいこと全部を伝えるのは無理です。
だからこそ講師はたくさん盛り込んで頑張るのでしょう。
でもそれでは逆に伝わらないのです。

私が研修会で考えていることは、枝葉まで教えることではありません。
先日も「区画整理法」の講師をしましたが、「区画整理」が「技術」か「法律」かさえ区別が付かない受講者に対して、2〜3時間で枝葉まで教えることは無理です。
だから、受講者に「その分野の勉強を今後してみたいと思わせること」、「その分野の勉強をするには何から始めれば良いかを教えること」、そして「勉強をし始めたときの指針としてその分野全体の成り立ちを伝えること」です。

前も書きましたが(講師もプロ意識を)、受講者の「理解」の先の「共感」までいかないと、研修は成功とは言えないと思っています。

理解したからと言って、行動に直結しないことは多いです。
たとえば「お前の言うことは分かった。でも俺は違う」ということでもあります。
共感まで行けば「分かった。確かにそうだよな。やってみる」ということになります。

詰め込むことができるのは理解です。
でも一期一会の講師が伝えたことが理解を超えて参加受講者の共感まで行くことができるのは、せいぜい30分に1項目程度のことと思っています。
文章で言えば1行程度のことです。

私が研修会に臨む時は、とにかく受講者のスキルや思考を事前リサーチします。
受講者を知らなければ響く言葉は伝えられませんから。
いわゆるスカウティングです。
そして講義時間に3時間戴けば確実に伝えられるのは4〜6項目、2時間であれば3〜4項目と考えます。
それらの項目を確実に伝えるために、様々な受講者の考えを想定して、様々な角度から1項目あたり30分程かけて説明します。

そしてスライドを作るときは、まず伝えるべきことが4つなら、その4枚のメイン・スライドを作ります。それを固めたら、そのメイン・スライドを理解して共感を得てもらうためのサブ・スライドで固めます。

盛り込みすぎで何も伝わらないよりは、1項目でも確実に伝えたい。
そんな感じの研修の方が結局受講者のためになると思っています。








2015年10月27日火曜日

明日明後日は全国会長会議です

明日は全国50会の土地家屋調査士会の会長が東京に一堂に会して議論をする全国会長会議が開催されます。
年に2回開催ですから、私は会長として12回出席しました。
もっとも以前日調連の理事の立場でも参加していましたので20回程度の会長会議に参加していたのですね。

さて、この会長会議のあり方ですが、以前から疑問を感じていました。
(ブロック協議会会長会議のあり方はもっと疑問ですが)

全国会長会議は会長達が自由闊達に土地家屋調査士業界の現在の問題を語り、未来の展望を語る会議のはずです。
しかし、長い間、日調連の総会の事前通告的な会議の性格が強かったようです。
実際に日調連vs会長達のような質疑に終わった会議も多かったです。

それは総会でやれば良いのです。
総会で時間が不足なら、総会の開催方法を工夫し、それでも不足ならもっと時間を取るべきです。
会議経費がどうのこうの言う人がいるかもしれません。
でも何とか捻出する必要が有ります。
全国の土地家屋調査士の仲間の現在と未来がかかっているのですから。

総会では決めるべき議題があります。
それに対して、全国会長会議は、全国の会長が自由に議論できるはずなので、この機会はとても大切だと考えていました。

そこでお願いして2回ほど開催してもらったのが、会長達による分科会です。
全国の猛者達が会長だとしても、50人+日調連役員達のいるところで議論はなかなかできないでしょう。1人5分発言したら250分になります。
それに日調連側の説明や議長のパフォーマンスが入ったりしますので。

分科会では会長達を10人以下のグループに分けてテーマを決めて議論します。
日調連役員は基本的にオブザーバーとします。
この人数ならかなり議論ができます。
実際に結構良い意見が出ました。

ところが次の問題がありました。
その意見を発表して次に繋げようと思いましたが、なかなか進みません。
決められた筋書き以外の柔軟性が無いのでしょうか。

議論は言葉遊びの場ではありません。
未来を創るためにするのです。
会議も波風を立てずに議題をとおすだけが目的でも無く、また質問者のパフォーマンスの場でもありません。

全国の議論を深めて実現を目指さなければ何の議論かも分かりません。
結局、総会の事前通告的会議どころか、単なるガス抜きの会議のようになりました。

日調連の役員は全国の会長達から選ばれたのだから、その会長達に対する総会対策は不要でしょう。仲間なのだから。
また会長達も自分たちが責任をもって選んだのなら、日調連に対して追求のみが目的のような質問をやめて、建設的な議論で行きましょう。仲間なのだから。

会長達も半分替わりました。
明日は、私達の未来を自由闊達に議論でき、未来に希望の持てる会議になることを望みます。






2015年10月26日月曜日

オペラ座の怪人 25周年記念講演inロンドン

「オペラ座の怪人」何度観たでしょうか。
大好きなんです、この作品。

もともとは、ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」です。
それが映画やミュージカルになりました。

過去9回の映画化がなされています。
他にもロック版や中国版があったようです。

私は昔、この作品のホラー色の強いバージョンを観て、とても嫌な思いをした記憶だけがあるのですが、今となっては何年版だったかも覚えていません。
その後、大人になってからミュージカルを観てから楽しめるようになりました。
ミュージカルは劇団四季で観ました。

映画では2004年版が一番新しいバージョンですね。
これは映画館でリアルタイムで観ました。
映画は舞台と違って制約が少ないので、また違った演出ができます。
シャンデリアの落ちるシーンなどは圧巻でした。
ミュージカルベースのこの作品も良かったです。


でも「オペラ座の怪人」と言えば、やはりこれが一番でしょう。



「オペラ座の怪人 25周年記念講演inロンドン」

舞台の公演を映画に撮ったものです。
舞台ならではの制約の中での演出と緊張感、
そして客席では望めない演者の表情の詳細、
これらがとても素晴らしいのです。

ファントムはラミン・カリムルー、クリスティーヌはシエラ・ボーゲス。
この二人の歌は最高です。

更に舞台挨拶の最後にはサプライズ・プレゼントがありました。
サラ・ブライトマンが各国の歴代のファントム役と歌うのです。
これは凄かった。

何度観ても聴いても感動します。
ここ3年程、このDVDを観続けています。
更に最近iTunesでもダウンロードして事務所の残業の友になっています。
BGMのように歌を聴きながら図面を描くことが多くなりました。

ミュージカルが生理的にダメでなければ、このバージョンを一度観て聴いて欲しいです。
あらすじの解説は不要でしょう。
誰でも聴いたことのあるドラマチックな曲を聴き、この作品が気に入ったなら、それから物語を調べ始めても良いと思います。





2015年10月22日木曜日

インビクタス/負けざる者たち

ラグビー日本代表、エディ・ジャパンの活躍、皆さんもご覧になったと思います。

先日のラグビーワールドカップ2015のグループB開幕戦で、あの南アフリカ代表(スプリングボクス)に勝ちました。

あの試合のラスト、80分経過後にペナルティを与えられ、キックで引き分けに行くと誰にでも思えたシーンで、なんと勝ちに行きました。
すでに時間は過ぎています。誰かがミスしてプレイが止まったら、そこですべてが終わってしまいます。
引き分けでも大絶賛される試合で、あの勇気。観ていて涙が出ました。
ここ20年はサッカーばかり観ていましたが、久しぶりにラグビーに震えました。


あらゆる海外のメディアから大いに賞賛された試合です。

何故ここまで盛り上がったのでしょうか。
もちろん南アフリカ代表がワールドカップで過去2回優勝し、世界ランク3位の強豪国だからです。


さてその南アフリカ代表チーム(スプリングボクス)ラグビーを扱った映画、「インビクタス/負けざる者たち」を久しぶりに思いだし、先日の出張の移動時間に観ました。




舞台は1994年の南アフリカ共和国。

反政府活動家として27年間投獄されていたネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が、1990年に釈放され、この年に同国初の黒人大統領となりました。
人種の壁が取り払われ、一気に平和になったのか、そんなことはありません。
むしろ今までのルールによる秩序が変わり、治安も経済も不安定になりました。
マンデラ大統領は、首を切られると覚悟していた白人官僚達を残し、自分のボディガードチームに白人も採用しました。先日まで命を狙っていた相手です。
少しずつマンデラの考えが浸透していきます。


映画の冒頭で、整備されたグラウンドできれいなユニフォームの白人達がラグビーの練習している一方、柵が設けられて行き来ができない道路を挟んだもう一方の土のグランドでは貧困層の黒人たちがサッカーをしている。アパルトヘイトの象徴であるシーンから始まります。

当時ラグビーは白人のスポーツであり、国内の多数を占める黒人には不人気のスポーツでありました。しかも当時の代表チームは低迷期であり、練習試合でもとても弱いチームでした。

マンデラはそのラグビーを国民の団結の象徴になると考えて、代表チームのキャプテン、フランソワ・ピナール(マット・デーモン)を茶会に招き、励ましました。
その後代表チームのンバーたちは、マンデラの意向で貧困地区の黒人の子どもたちにラグビーの指導に赴きます。当初嫌々ながら参加していたメンバー達ですが、国民のあいだで徐々にチームの人気が少しずつ高まり、その活動が国内のみならず世界的に注目されて来ました。選手達の気持ちにも変化が現れます。

翌年1995年の自国開催ラグビーワールドカップにおいて、彼らは予想外の快進撃を見せます。
そしてついには決勝進出を果たします。
試合ごとに国民は結束を固め、一致して代表チームの試合に熱狂します。

そしてついに、すべての南アフリカ国民が見守る中、最強ニュージーランド代表オールブラックスとの決勝戦を迎えます。

ちなみに劇中でオールブラックスの強さを示すのに、1995年の大会でオールブラックスの控えチームに日本代表が145対17で負けた話題に触れています。



マンデラ大統領役のモーガン・フリーマンの演技がとても素晴らしいのです。
そして最強の身体を造って撮影に臨んだマット・デーモンが良いんです。

監督はあのクリント・イーストウッドです。
この映画、史実を描いています。
客観的事実のどこを切り取り、どこを造り込むのか、史実を映画にするのは難しいですね。物語の結末は誰でも知っているし、登場人物のほとんどが生存している20年前の話しですから。
マンデラが釈放されてからどんな行動をしたのか、スプリングボクスは優勝したのか、皆知っています。でも私は心から感動しました。
クリント・イーストウッドは監督になってからハズレが無いですね。


ワールドカップの試合を観たばかりだから、ちょっとプレイに物足りなさもあるけれど、仕方ありません。これは単純なスポーツ映画ではありませんから。

これは、マンデラ大統領の映画です。

代表チーム(スプリングボクス)の最強の敵オールブラックスとの戦いを描きながら、マンデラ大統領の最強の敵アパルトヘイトとの戦いを描いています。

27年間の投獄から解放されて、それでも相手を憎まずに相手を許すことで、国内融和を進めていく大統領の行動が、素晴らしく感動的に描かれています。


インビクタス(Invictus)とは「征服されない」「屈服しない」を意味する語。
そして劇中でマンデラが繰り返す詩は、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの「インビクタス」の一節です。
「我が運命を決めるのは我なり、我が魂を制するのは我なり」


今週末24日深夜、ワールドカップ準決勝で南アフリカ代表(スプリングボクス)とニュージーランド代表(オールブラックス)との戦いがあります。
この前後に、この映画を観ていない人はもちろん、観た人もこの機会に観直してみませんか。
良い映画です。








2015年10月19日月曜日

締め切りの大切さは分かっております

子供の頃から図工が大好きでした。
結構細かい作業が好きでした。

お絵画きや彫刻も、細かいところまで造り込まなければならない性格でした。
四つ足動物は体毛の1本ずつ、鳥なら羽の一枚ずつ描かなければ、気が済まない性格でした。
当時描いた日本間の絵では、畳をクローズアップして、畳の目を微妙に色を変えながら一目一目描いた記憶があります。

今考えると、あれはアートな絵ではなくて、テクニカルな図だったのかも知れません。

あるときに画用紙で家を作るという課題がありました。
同級生達が2階建等のきれいな家を作っていたときに、私は何の変哲もない四角形の平家に切妻の屋根を載せて、提出しました。

先生が「これだけ?」って聞きました。
普段の私の細かさに対して疑問を持ったのでしょう。
私、屋根に手をかけながら、にやっと笑ったと思います。(嫌な小学生...)
屋根を持ち上げて、家の中に作った各部屋の間取りと、その各部屋に据え付けた小さなソファーやテーブル等数々の家具を披露しました。

当時の先生はそれなりに評価してくれましたが、他の先生なら「課題を正確に理解していない」と言うかも知れません。テストであれば大幅な減点でしょう。

細かなところにこだわり過ぎて、図工の時間内に描きあげることができなくなり、宿題になることも多かったです。自分で満足するまで描かないと提出したくなかったからです。

通知表で図工の成績は大抵5でした。(5段階評価の頃ですよ。念のため)
あるときに図工の成績表に2を付けられたことがあります。
当たり前です。締め切りまでに提出ができなかったことが有ったからです。

当時ショックを受けました。
目が覚めました。

物事には締め切りがあると言うこと。
その締め切りに間に合わせなければ、どんなに素晴らしいアプローチをしていても零点であること。



はい、分かっています。

日司連のKさん     m(_ _)m
日本加除出版のNさん   m(_ _)m






2015年10月16日金曜日

ベガルタ仙台サポーターである幸せ

このブログを昔から読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、私はベガルタ仙台サポーターです。

以前、日本土地家屋調査士会連合会(日調連)の会報で、全国の会長のプロフィールを掲載することがあり、アンケートが来ました。
その中に私の座右の銘とか趣味とかを書く欄がありました。
趣味といえば当然これだと思い「ベガルタ仙台試合参戦」と書きました。

数日後、日調連の事務局が気を利かせて「「ベガルタ仙台試合観戦」ではありませんか?」と宮城会の事務局に問い合わせが来ました。
宮城会の事務局は、私のことを良く知っているので「おそらく「参戦」で良いと思いますよ」と答えてくれたのですが、真面目な日調連の担当者は「念のために確認してください」と納得されなかったようです。

気持ちは分かります。普通は「観戦」でしょう。
でも私のベガルタ愛には「観戦」なんて他人事は有り得ません。
間違いなく毎試合、私も「参戦」しているのです。
日調連会報の宮城会会長の趣味の欄は結局「参戦」で載りました。

さてこのベガルタ仙台のサポーターの何が幸せかと言うと、とにかく毎年消化ゲームがないチームなのです。最後の最後までハラハラさせてくれます。
これはとても大事なことです。

ちょっと並べてみましょうか。
1999年  9位(J2)初めてのJリーグ
2000年  5位(J2)さすがにJ1昇格はないか
2001年  2位(J2)J1昇格
2002年 13位(J1)残留争い
2003年 15位(J1)J2降格
2004年  6位(J2)惜しくもJ1昇格できず
2005年  4位(J2)惜しくもJ1昇格できず
2006年  5位(J2)惜しくもJ1昇格できず
2007年  4位(J2)惜しくもJ1昇格できず
2008年  3位(J2)J1入れ替え戦敗退
2009年  優勝(J2)J1昇格
2010年 14位(J1)残留争い
2011年  4位(J1)優勝争い
2012年 準優勝(J1)最終戦まで優勝争い
2013年 13位(J1)残留争い
2014年 14位(J1)残留争い
2015年 J1残留争い中

前身ブランメル仙台から1999年にJリーグに加入してベガルタ仙台となりました。
その後、毎年最終戦までJ1では「残留争い」J2では「昇格争い」をしています。

2001年にJ1初昇格。あの最終戦の財前のゴールは泣けました。

2008年にはJ2で3位になりました。当時のルールでJ1下から3位のジュビロ磐田と入れ替え戦になりました。0泊2日の貸切バスで磐田に参戦しましたが、残念ながら敗退。帰りのバスの辛い気持ちは、忘れられません。

2012年には最終戦までJ1で優勝争いをしました。
「被災地の希望の光になる」という思いで選手もサポーターも頑張りました。
気持ちが入っているから一歩の歩幅が伸びます。球際に勝てるようになりました。
あの年は負ける気がしませんでした。
私の目の黒いうちに一度で良いから優勝を味わいたいと思っていましたが、「まさかここで来るのか」と思いましたが、さすがベガルタ仙台、そうはいきませんでした。

その後はJ2に落ちる恐怖を身近に感じながら、残留争いを繰り広げています。

確かに弱いチームかもしれません。
でも万年中位の緊迫感の無いチームより、毎試合楽しめます。
というか、試合参戦で疲れ切ります。

今年も残りあと4試合。
まだJ1残留が決まりません。
裏切りませんね。
今年も最後までハラハラ楽しませてくれるようです。

私はとても幸せです。











2015年10月12日月曜日

西本会長の理事会

西本孔昭先生が日本土地家屋調査士会連合会(日調連)の会長の一期目、その時に私も日調連の理事でした。
当時、業界の役員とは何かを再度考える切っ掛けになり、私のその後の役員としての姿勢にとても影響を受けました。

当時一番驚いたのは、理事会で意見のない人を叱ることです。
いくら会長でも、相手も同じ資格の理事です。叱ることはなかなかできません。
しかし西本先生は、理事会に出て全く意見のない人を遠慮なく叱ります。

我々の将来を全国の各ブロック協議会から託されて議論をするために、東京に送られた人が理事です。その大事な会議で意見がないのなら、理事を受けるべきではありません。
当時、名誉だと勘違いして日調連の理事になる人がいました。
今も勘違いしている人がいないでもないですが、そんな人は、かなり減りました。

西本会長が制度対策委員を増やしたのもそんな時期です。
理事だけでは議論が不足する分を全国の有識者を集めて議論する場を作ったのです。
望ましい形かどうか議論が分かれるところですが、あの当時西本会長はやらざるを得なかったのでしょう。

一番印象的だったエピソードです。
当時土地家屋調査士の業務範囲の重要な論点であったADRセンターについての議論をする会議で、理事から活発な意見が出ないことを怒り、会長机の上に箱を置き、「休み時間に、理事全員が各々の意見を書いてこの箱に入れておくように」と言って、暫時休会にしたことがあります。


私も意見が無い理事を選出した支部の支部長に言ったことがあります。
「このままでは、あなたの支部はまったく意見が無いことになります。順番で理事を選ぶ時代ではないと思います。あなたの支部の本気を見せてください。」

かなり影響を受けていますね(笑)











2015年10月9日金曜日

ななめリングノート

私はノート好きで、数冊のノートを並行して使っていて、その中でリングノートも気に入っていることをブログで紹介しました。

リングノートのメリットは、

  1. 開いたときにフラットになる。
  2. 折り返せばコンパクトに開ける。
  3. 目的のページを開いたまま鞄に入れることができる。
  4. 下敷きが要らないので、机が無くても書きやすい。
  5. 折り返せば会っている人に他のページを見られない。
  6. 書いたページを切り離すことができる。

等々、綴じノートではできないことがあります。

ただし、リングが邪魔というデメリットが大きいです。
だからそれを克服したソフトリングノートを気に入ったこと等もブログで書きました


そのソフトリングノートと別のアプローチで、リングのディメリットを解決したノートがこれです。

「ななめリングノート」です。
リングが斜めに付いています。

「印刷加工連」というところの製品です。
A5版 50ページ 600円です。
専門が異なる会社の集まりで、それぞれの特徴を出して紙文具を発表しています。

斜めのリング製本は加工が難しいとのこと。
それを一冊ずつ手作業で仕上げることで実現した商品です。

少なくてもノートに書き込む際に手にリングが当たることはありません。
邪魔になることも少ないでしょう。
A5版サイズで50ページのノートを5つの穴のリングで支えるので不安定になりがちですが、そこは一辺をゴムバンドでまとめて解決しています。

単なるアイディア商品なのかなと思ってみましたが、モノとしてしっかり作られています。
表紙は頑丈な特殊紙を使用していますが、特筆すべきは紙質です。
クリーム色の厚手の紙が使われています。
私の万年筆使用でも裏移りしません。
大抵の筆記具で裏に抜けないと思いますので、斜めに開くことも含めてスケッチブック用途にも使えそうです。
私は横に使って、研修会のスライドのラフ・イメージを描いたりしています。

問題は、このノートを開くのに大きなスペースが必要になること。


他のA5版リングノートなら見開きの2ページを一体とし見開きA3版として利用することもあるでしょうが、このノートはこの形状ですから、一体利用は難しいので折りたたんで使うのでしょう。


また、端が切れて完全なA5版にならないことを、不便とみるかオシャレとみるか、意見が分かれるでしょう。

とにかく誰にでもわかりやすい特徴のある文具ですから、使えますよ。
「ほらこんなノート知っている?」って、ドヤ顔で取り出すのが、文具の目的ですから。





2015年10月8日木曜日

めぐり逢わせのお弁当

ここのところ、インド映画を見始めました。
その中のひとつ「めぐり逢わせのお弁当」です。



この映画良かったです。インド映画っぽく無いです。
インド映画見始めたくらいで言うなって言われますよね。

インドの伝統的文化・芸術には基本的に9つのラサ(感情)を入れることが求められます。当然に映画にもこの9つのラサが入っているのがインドのお約束になります。

9つのラサ(ナヴァ・ラサ)とは、以下の9つだそうです。
  (1) シュリンガーラ (恋情) 
  (2) ハースヤ (笑い・ユーモア) 
  (3) カルナ (悲しみ) 
  (4) ラウドラ (怒り) 
  (5) ヴィーラ (勇敢) 
  (6) バヤーナカ (恐怖) 
  (7) ビーバッサ (嫌悪) 
  (8) アドブタ (驚き) 
  (9) シャーンタ (平安) 

ですからインド映画を観た後には、てんこ盛りの満腹感があるのですね。

でもこの映画少し違います。
少なくても唐突な踊りや歌はありません。

少し内容に触れます。

インドには弁当配達という文化があって、大きな社会システムになっているようです。
ムンバイのオフィス街では、お昼どきともなると、ダッバーワーラー(弁当配達人)達が慌ただしくそして正確にお弁当を配って歩きます。誤配送される確率は600万分の1とのこと。

そしてそのシステムの中で、何故かお弁当が誤配されてしまいます。
お弁当を作ったのはイラ、受け取ったのはサージャン。

夫との関係が上手くいっていないイラは、夫の愛情を取り戻すために腕によりをかけたお弁当を作って夫の職場にお弁当を送ります。
間もなく早期退職を迎えるサージャンは、妻を亡くして弁当屋から仕出しのお弁当を受け取っています。
ある日、サージャンにイラの作ったお弁当が間違えて配達されました。
サージャンはその旨さに驚き、イラは空っぽのお弁当箱に歓びます。しかし帰ってきた夫にお弁当の感想を尋ねますが噛み合いません。そして誤配されたことに気が付きます。
不審に思ったイラは翌日のお弁当に手紙を入れてみます。

ここから二人のお弁当を通じた手紙の交換が始まります。
見知らぬ相手だからこそ、打ち明けられることもあります。そんなやりとりの中で、お互いの人生を見つめ直します。
イラは気持ちの離れた夫や病気の父親と困窮する母親に接しながら孤独感が増してくる自分の人生を、サージャンは妻に先立たれただ早期退職の日を迎えようとしていた無感動な自分の人生を。

二人の間に手紙による心の交流が始まります。それによりお互いにこれからの人生を前向きに生きようと考えます。
お弁当の誤配だけで通っている交流がいつまで続くのか、二人は実際に会うことが有るのか、二人はどんな人生を望むのか。

構成も良く、様々な伏線も、脇役キャラクターも、よく考えられています。
サージャンの後輩で空気を読めないシャイク、サージャンの隣家の家族、近所の子どもたち。
脇役では、イラの住まいの階上の「おばさん」がとても良いですね。
窓越しで声だけなんですが、イラのことを思いやる言葉、励ましがイラの支えなのでしょう。

一つ一つのエピソードの積み重ねから、二人の心の変化がよく分かります。

“人はたとえ間違った電車に乗ったとしても、正しい場所へと導かれる”

この映画、最後は様々な解釈を残したまま終わります。
起承転結がハッキリしたインド映画には珍しい終わり方です。
その分余韻が残ります。
観終わった人たちと、イラやサージャンの「ラストシーンの先」「正しい場所」を語り合いたくなる良い映画だと思います。
観た人は声をかけてください。語り合いましょう。


ちなみに今日のランチはインド料理店でカレーを食べました。



2015年10月5日月曜日

ハミングバード・スターバックス・カード・プログラム

私はスターバックスで原稿を書くことが多いことは、このブログで何度か書いています。
スターバックスでMacbookを開くという典型的ドヤリングですね。

事務所ではたくさんの仕事の資料があるので(文具がたくさん有るので?)気が散るし、あまり静かな場所もかえって落ち着かないので、私の場合スターバックスのザワザワ感がとても良いのです。
周りで結構凄い会話が交わされていても、誰も他人を気にしていないのが良いですね。

さて、その私のお気に入りのスターバックスに「ハミングバード・スターバックス・カード・プログラム」という東北の震災復興支援プログラムがあります。
このプログラムは、もう4年目です。

2015年は9月16日から12月25日までの期間で行っています。
今年も初日に入手しました。




まず客が100円寄付して、この専用カード発行してもらいます。
このカードはいわゆるスタバカードでプリペイドカードです。
基本的に店頭でチャージしますが、ネットで会員登録するとクレジットカードからもチャージできます。
そしてこのカードでコーヒー等を注文すると、その金額の1%をスターバックスが被災地復興に寄付することになります。



具体的に震災遺児の進学支援とのことで、寄付先は「公益財団法人 みちのく未来基金」です。

皆が意識して大きな寄付を頑張って集めることは素晴らしいことですが、意識しなくても日常生活を送る中で自然に寄付金が貯まっていく仕組みもまた良いと思っています。

スターバックスの売名行為?
いえいえ、良いんです。名前出しても。企業なんだから。
建前だけ言って動かない人達に比べて、これは4年目の実際に動いているプログラムですし。
何にしても被災者に届くのなら、いいじゃないですか。


ps)
スターバックスのOne More Coffee のシステムをご存じですか?
意外と知られていないようですが、私は結構利用しています。
上記写真のレシートの下部ををご覧ください。
ラテなどではなく、ドリップ(普通の珈琲)を頼むと、当日中ならどこのスターバックスでも100円(税別)でおかわりが飲めるのです。
出張の時に仙台駅のスターバックスで珈琲を買って新幹線に乗り、夕方出張先のスターバックスでおかわりを飲んだりしています。






2015年10月1日木曜日

新幹線で観る映画が難しい

以前にも書きましたが、新幹線で映画を観ることが多いです。
ブログを書いた当時はノートコンピュータでDVDを観ていました。
今はiPadに予めダウンロードした数本の映画の中から選んで観ています。
新幹線では、なかなか得難い連続した2時間程度の時間が取れること、歩き回ることができないこと、電話ができないこと、こんな状況で寝ているのは勿体無いので、読書か映画鑑賞をします。

そして仙台東京間は通常100分程度ですから、一刻を争っていないときは、わざわざ各駅停車の新幹線を選びます。そうすると140分程度になり、映画に丁度良い時間になります。

ところで読書なら問題無いのですが、新幹線で観る映画を観る場合、何を観るか結構迷います。
やはり隣の人の視線が気になります。どうせ見てはいないでしょうが、絶対見えますから。

大人として「こんな映画観るの?」って思われるのも嫌だし(自意識過剰?)、
と言って「大人な映画」もある意味問題だし。
一度新幹線の中で観ていた映画に、思わぬタイミングで「大人のシーン」が出て気まずい感じがありました。

昔の名画は無難かも知れません。
でも感動する映画を観て、オジサンが新幹線の中で一人で泣いているのも、ちょっとね。
出張の前に重い苦しい映画も嫌ですしね。
過激な暴力シーンもちょっと憚りますし。

観る映画が難しいですね。
結局最近新幹線の中で観た映画はこんなチョイスでした。

「ショーシャンクの空に」
有名ですし、良い映画と聞いていましたが、今まで観る機会が無かったものです。
監獄の中が主の映画ですから、内容的に大人のシーンはないだろうと思いましたので。
(実際は前半早めにちょっとそれに近いものがありましたが)


「最強のふたり」
これも良い映画と聞いていましたので、雰囲気的に問題ないだろうと思いました。
先日ブログに感想を書きましたね。
この映画は好きになりました。

「きっとうまくいく」
インド映画です。友人がとても良いと勧めてくれたのと、インド映画なら覗かれても問題ないだろうと思ったからです。
これも良かったです。インド映画を見直しました。
いずれブログに書きます。

たまたま観ていた一本の映画だけで人格を判断されたくないというのは、たまたま持っていた本で人格を値踏みされるのと同じ感じで嫌なんです。
やはり自意識過剰ですかね。