2015年1月29日木曜日

「役員をやれる人」って誰?

自分の子供が、ニュースも見ずに、世界の情勢も知らず、真剣に日本の将来も考えず、選挙にも行かず、政治家の結果のみについては文句言っているとすれば、その子達の未来に対して、親として何か言いたいことがあるでしょう。

私はそれを土地家屋調査士に皆さんに言いたいのです。

皆さんは、年功序列の世界とか組織の歯車などから飛び出して、自分で未来を創るために資格を取って事務所を開業したのではないのですか。

日本全体が高度成長期や護送船団方式で勝ち進んできた時代がとうに終わって、少子高齢化が進み、貿易障壁に対する外圧も強くなり、中央と地方の組織の在り方も問われているこの時代、土地家屋調査士だけが昭和のノウハウと昭和の業務形態で勝ち残ることが無理であることが明確です。

私達よりも若い世代は、もっと変化を経験しなければなりません。
基本的な建物登記手続等だけで、専門家として生きていける訳がないのです。
今の手続が未来永劫変わらないと思いますか?
あなたは新聞も読んでいないのですか?
何かは感じているけれど、見ないようにしているのではないですか?

産業構造がすっかり変わらない内に、余力がある内に、動かなければなりません。

「俺は毎日が仕事で忙しいから役員などできない」
「弱小会はやれる人がいない」
そんな言葉をよく聞きます。

ではその人にお聞きしたい。
「役員をやれる人」ってどんな人ですか?

補助者任せで毎日暇で時間の余っている人ですか?
あなたは、そんな人に自分たちの未来を預けるのですか?
自分で直接業務をやっていない人は、平成27年の調査士業務の隘路を知らないかも知れませんよ。
さすがに最近は少なくなってきましたが、金も困っていないから後は名誉が欲しいとか考えて、個人的な都合だけで役員をやろうと思っているかも知れませんよ。(役員を名誉と捉えている時点で間違っていますが)
残り10年土地家屋調査士をやっているか分からない人が、本気で20年後の未来を語れると思いますか?

未来を適当に誰かに託して自分の事務所の売り上げだけを考えていても、制度が変わったら事務所が無くなるかも知れません。

あなたが自分で役員をできないと言うのなら仕方ありません。
だったら役員をしっかり選ぶべきです。
やりたいと言う人には「何故やりたいのですか?どんな未来を考えていますか?」と聞いてみましょう。
その答えに納得できなければ、納得できる人に変わってもらいましょう。
納得できたのなら、その役員だけに任せるのではなく、皆の知恵を集めて応援しましょう。

もう一度皆さんにお聞きしたい。
誰かに自分の未来を丸投げしたくないから、自分で未来を創るこの業界に来たのではないのですか?
将来に不安があるからこそ、皆で将来を創るのではないのですか?
誰かに未来を丸投げするなら、悪いことは言わない、会社員に戻った方が良いです。
社長が考えてくれるでしょうから。
あなたは、その方が向いているはずです。



2015年1月28日水曜日

まほろ駅前多田便利軒

『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』『風が強く吹いている』『舟を編む』などの「三浦しをん」の直木賞作品『まほろ駅前多田便利軒』の映画化したものです。
原作は読んでいません。

2011年4月公開の映画です。映画の存在は知っていましたが、さすがに東日本大震災直後で映画どころではなく、というより当時映画館はすべて休館でした。そんなことで、2011年以降しばらく映画館から遠ざかっていました。そこで、2011年から2年くらいの上映映画を時間の有るときに少しずつ拾っているところです。

このブログを読んでいる全国の方々には今更の記事でしょうが、私個人の記録のためと、いまだ観ていない人のために書いてみます。



神奈川県に突き出た東京都郊外に位置するまほろ市駅から徒歩3分の場所で便利屋を営む多田(瑛太)と、ひょんなことから多田のところに転がり込み、便利屋も手伝うことになる昔の同級生の行天(松田龍平)とのいわゆるバディムービー。
自称コロンビア人の娼婦ルルやハイシー、危ないアルバイトに手を出す小学生の由良など、便利屋稼業を通して一癖も二癖もある客たちの人生に深くかかわっていきながら、同時に2人の過去にも向き合うことになる。そんな1年間を描いた映画です。


いわゆるバディ・ムービーは、登場
人物二人のキャラクター設定と、物語におけるその役割分担、対立、理解、友情、そして二人の組み合わせによる空気感、これに尽きます。
この映画、瑛太と松田龍平という個性的俳優の組み合わせにより、物語上かなり危ない場面もありながらも、全体としてゆるい空気感が出ています。

他人のプライバシーに触れることになる便利屋をやりながらも、多田は他人の生活と一線を画している常識人、行天はそれらをまったく気にせずに好きなように行動する。
2人の言動、行動、すべてに違いが見えるが、走り方にさえその違いが現れて面白い。
多田はそんな行天の行動に手を焼くことも多いが、そんな行天の行動が、当面の問題のブレイクスルーになることが多い。

このキャラクター設定はバディ・ムービーの王道ですね。
こんな映画は、好き嫌い分かれるでしょうね。私は好きです。

様々なお客の依頼の中に、様々な親子の愛が浮かび上がってきます。
そしてそれを通して多田と行天自身のお互いに知らない意外な家族の関係も浮かび上がってきます。

この映画では、社会的悪人も出てきますが、それらの人物達とその将来にも必ず救いを残している物語になっています。これがこの物語がゆるい空気感のままで通せる部分です。

昨年続編『まほろ駅前狂騒曲』が映画化されました。これも観ていません。
宮城では上映が終わったようですが、どうしても大画面でという種類の映画でもないから、続編もまた何らかの手段で観ても良いかなと思いました。







2015年1月27日火曜日

プラチナ・シープって憧れでした

僕の日記プラチナ
愛の手紙プラチナ

誰にも言えない言葉
秘密に書いてみた

僕だけの友達だよ
マイ・プラチナ ♪


覚えていますか? この歌
歌える人、手を上げて   (^_^)/

プラチナ・ゴールデンショーって番組で毎週流れていたテーマソング&CMソングでした。
レギュラーが、ジャニーズ事務所で言えばフォーリーブスの頃ですから、時代が分かるでしょう。

プラチナが文字通り輝いていた頃、いや今でも良いペンを出していますけど。
ゴールデンタイムの音楽バラエティを単独スポンサーとして押さえていたのですから、やはり勢いが有ったのですね。

何で思い出したかと言うと、このペンを戴いたのです。




「ダブル・アクション 革巻き筆記具発売40周年記念モデル」
牛革巻きのシャープ+ ボールペン(黒・赤)の複合ペンです。

プラチナの革巻きペンは40周年なんだと思ったときに、昭和41年発売の「プラチナ・シープ(万年筆)」を思い出して、それに連想で「プラチナ・ゴールデンショー」と、「マイ・プラチナ」を思い出しました。

子供の頃あの番組を見ながら、羊革巻きの「プラチナ・シープ」なんて高級なペンを持つことが有るのかなって思いもしませんでした。

以前ブログで紹介した私の「とっても大切なペン」は、革巻きで金属部分は銀製のもの。
軸に革巻きというペンに対する憧れはあのプラチナ・シープによる刷り込みに違い有りません。

革貼りの軸は持った感じが滑りにくいんですね。
ちなみにペン軸に革張りは珍しくなくなりましたが、貼る面が小さくて、なおかつ曲面であり、革の継ぎ目の処理が難しいのです。海外製品では継ぎ目が粗いものが多いです。
プラチナの40年のノウハウの蓄積は大きいですね。

戴いたペンがボールペンだし、黒の牛革の軸が落ち着いた感じなので、お客様達に委任状や図面の署名を戴くために持ち歩こうかなと思います。

ちなみに委任状などの書類は、お客様の大事な不動産の手続をするためのものですから、それらに署名戴く際にお貸しするペンは、100円ショップ等の見るからにチープなペンは避けたいと後輩にお話ししています。







2015年1月24日土曜日

独立するということは結果について誰のせいにもできないこと

明日1月24日は、大阪で近畿ブロックの新人研修会が開催されます。
私は、そこで講義をする予定だったのですが、急病で医者に止められてしまいました。新人の受講生と、急な代役をお願いした吉崎先生には、とても申し訳なく思っています。いずれ何かの機会に穴埋めをさせて戴こうと思っていますが、今日も新人の皆さんに少しでもお役に立ちたいと思って、以下のブログを書いてみます。


独立すると言うことは、自分の判断で物事を進めて良いということです。
そしてその結果については、誰のせいにもできないと言うこと、つまりすべて自分の責任であると言うことです。

気持ち良いでしょ。
あなたは、そういう世界を目指していたんですよね。
だから他人が遊んでいるときも勉強して資格を目指したんですよね。

年功序列では我慢できない。
自分の責任で動くから、必ず結果出すから、自分にやらせて欲しい。
そう思いながら独立したんでしょう。

独立してみて如何ですか。
今の自分の境遇に不満を持って、誰かのせいにしていませんか。
もう上司のせいでもありません。組織のせいでもありません。
そんなもの無いですからね。

事務所の経営が難しいですか。
それは簡単には安定しないですよ。
日本中のあらゆる産業が開店と同時に順風満帆ということは有り得ませんから。

資格を勧めた資格試験予備校が悪いのですか。
独立した時期が悪かったのですか。
政治が悪いのですか。
経済が悪いのですか。

政治のせいでもありません。経済のせいでもありません。
それらをすべて把握して自分で判断して行動するのが独立です。
あなたが独立する前の会社は、トップがそれらの状況判断して経営されていたのです。それらを意識していなかったとすれば、あなたがしていたのは仕事でなく、作業だったのでしょうね。

大丈夫。簡単ですよ。
普通に努力をすれば良いだけです。
あなたは資格試験を合格しただけです。
合格して周りから誉められて勘違いしていただけですよ。
まだ何も成功していません。

たとえば、あなたがプロのサッカー選手になったとします。
それは友人達の中でちょっとだけ上手かっただけなのですよ。
でもそこで慢心して練習に手を抜いていてはピッチに出られません。
でもあなたは、自分がベンチにも入れないことを監督のせいにしているかも知れません。
どの監督にも認められて初めて一流のプロと言えるのでしょう。
そして一流のプロは引退まで努力を続けています。

あなたも、これからが努力のスタートです。
そしてその努力が、会社員でいた頃よりも直接的に自分に返ってきます。
ここが気持ち良いんですよ。

もう一度初心に戻りましょう。
居酒屋で誰かの悪口を言ってそれを自分の人生の言い訳にしている生活が嫌だったのでしょう。
もう誰の悪口も言わなくて良いんです。
あなたの独立の結果について、他人の誰にも責任は無いのですから。










2015年1月17日土曜日

目隠し付箋 めかくしふせん

先日のブログで書いた「ポスト・イット・ジョーブ」に続いて
付箋ネタをもう一つ。

新年になり新しい手帳とつきあい始めた方々も多いと思います。
私も4月ではなく、1月始まりで手帳は更新します。
一月は、これからの1年間の白紙のページが、新しい出会いや新しい経験で埋まっていくことを考えると、ワクワクする月です。

さてその新しい手帳にはビジネスとプライベートをどのように記載するか決めていますか。
2冊に分ける人、1冊で管理する人、それぞれだと思います。

1冊で済ます人は、すべての予定やメモは必ずその手帳に書いてあるはずですから、管理がしやすいでしょう。
ただし、ビジネス上の予定を他人の前で決めるときに、プライベートの予定まで見られそうになることへの躊躇がありますね。

2冊で済ます人は、その公私混同の心配はありません。
ただし、2冊確認しない限り、自分の予定が明確になりません。
一番まずいのは常にダブルブッキングのリスクがあることです。

私は基本的に手帳は仕事用とプライベート用の2冊に分けることはお勧めしません。
私達のような個人事業者は良くも悪くも公私混同になります。
365日24時間を効率よく使って動かなければなりません。
そうであれば、最初から公私混同の中で予定を組むべきと思っています。
やはりダブルブッキングが怖いので、予定は1冊で済ますようにすべきと思っています。

そうなると問題は上記の他人にプライベート用の書き込みを見られる虞があることですね。
私はプライベートの予定はたいてい略称で書いていました。
ビジネス上の書き込みは正確に記載する必要が有りますので、できるだけ丁寧に書きます。
しかしプライベートは思い出す切っ掛けが有れば良いだけですから、自分だけ分かる略称で書き込みます。また単語をしっかりと書かなければならないときは、敢えて筆記体でローマ字で書いたりします。
他人の手帳の中のビジネスメモの間の筆記体文字は、ちょっと見ても分かりません。
「鈴木さんは国際的な仕事をやっているのかな」と勝手に誤解するかも知れない程度です。

さてそれでも不安な人へお勧めがこの「めかくしふせん」です。
「プライベートをかわいくカモフラージュ」って書いていますね。



プライベートメモの上から貼って文字を見えなくする付箋です。
大きさは26mm×26mmです。
これは月間カレンダーの1マスを埋めるイメージだと思います。
たとえば、こんな予定の上から貼っちゃうのです。



私も以前から、特に見られたくない予定等は、手帳に普通の付箋を貼って隠しながら打合せに伺うことはありました。



でも「如何にも隠しています」という感じに見えて、「ちょっと違うかも」という感じを持っていました。

それに対して、この「めかくしふせん」は如何にも隠していると言うよりも、模様があり、さりげなく隠す感じなんです。


もちろん、近寄って見れば、何が書いてあるか読み取ることができそうですが。
他人の手帳やノートにそこまで近づく人はいませんから。


良いでしょ。

えっ「鈴木はそんなに隠さなければならない予定なんか無いくせに...」って?




2015年1月16日金曜日

訃報-大久保昌行会員の御尊父様

大久保昌行会員(古川支部)のご尊父様が1月15日にご逝去なされました。
葬儀等は以下のとおりです。
謹んでご冥福をお祈りします。


<通 夜>

日 時  平成27年1月18日(日)午後5時00分より
場 所  ハートホール田尻
     大崎市田尻字太子堂99-1
     電 話 0229-39-4040


<葬 儀>

日 時  平成27年1月19日(月)午前9時30分より
場 所  ハートホール田尻
     大崎市田尻字太子堂99-1
     電 話 0229-39-4040


<喪 主>

大久保昌行様

2015年1月13日火曜日

1月30日は研修会です

私が会長になって以来、宮城会では研修案内に、研修のタイトルだけではなく、その研修で具体的にどんな内容が話されるのかをずっと書いてきました。

実際、次回は「民法の研修会」とか「測量の研修会」とだけ聞いたら、受講する気になるでしょうか。
皆民法は知っていると思うでしょうし、測量なら毎日やっていると思うでしょうから。

民法なら「民法の中でも私達の業務に関連するこのような論点に言及します」と例示すれば、研修会の目的が明確になるし、受講するにも事前の準備ができるようになります。
たとえば宮城会では過去にも以下のような予告をしてきましたね。

http://fermatadiary.blogspot.jp/2013/01/blog-post_6825.html

今後も研修会を主催する方々には是非この点にご留意なさって欲しいと思っています。


また研修会に何を企画するかは、その土地家屋調査士会がどのような世界観を持っているかがとても重要です。
今の土地家屋調査士には何が不足していて、今後の世界はこのようになるからこれからの土地家屋調査士には何が不足しそうかを、常に意識しなければなりません。
それらの不足を補うのが研修会ですから。

ですから研修会で何を企画して良いか分からない役員は、おそらく土地家屋調査士を理解していない方でしょう。



なお研修会は、それらの論点を学ぶ切っ掛けに過ぎません。
すべてを最初から最後まで学ぶには、どのテーマでも連続講義を企画しなければなりません。
それは、なかなかできない事ですから、土地家屋調査士の世界観を伝え、会員はどこから歩み出せば良いかを伝えるものが研修と心がけてきました。


また研修は個人でできるから、組織で企画しなくても良いと嘯く人がいます。
おそらく一生建物登記などで生きていけると勘違いしている人です。
これだけ社会が「空き家問題」などと言っているのに、何を考えているのでしょう。

確かに自分で勉強できる分野も、たくさんあるでしょう。
しかし個人で勉強するには時間も費用もかかります。
また組織でないとお招きできない講師もいます。
そんなことを考えながら宮城会も研修を企画してきました。


さて1月30日は宮城会の研修会です。
今回もなかなか個人では触れにくい研修会を企画しました。
最新の測量機器やGISに触れる機会を創ろうと考えました。

最新測量機器も興味があるけど、販売店に問合せすると営業対応が面倒になるからとか、
今更GISって何?って聞きにくいとか、
有るでしょ。

以下のように気楽に聞くことができる研修会を企画をしてみましたので、会員の皆さんご参加ください。




2015年1月10日土曜日

バンクーバーの朝日

いやあこの映画、あの予告編を観て少し舐めていました。
「バンクーバーの朝日」です。


1900年代初頭、多くの日本人が新天地を夢見て、
遙か遠くカナダへと海を渡った。
しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは差別、過酷な肉体労働、
貧困といった厳しい現実だった ー
そんな中、日本人街に一つの野球チームが生まれる。
チームの名は”バンクーバー朝日”。
夢も希望も持てなかった激動の時代。
やがてチームは人々にとって、一条の光となっていく。
彼らは何を信じ、何を求めて走り続けたのか。
歴史の波間に埋もれていた”真実の物語”が今、ここに甦る。
(公式サイトより)


テレビコマーシャルをやっている…
妻夫木聡や亀梨和也など人気俳優たちが宣伝でバラエティ番組などに出ている…
こういう映画はいつも引いてしまいます。

内容も、
移民という逆境の中で野球をはじめ、体格体力でもカナダ人には敵わない日本人の弱いチームが徐々に強くなり、自分達の居場所を見つけていく…
なんか熱くて、なんか泣ける…
BGMはGReeeeNのような…(笑)

きっとそんな映画なんだろう。
勝手に思っていました。

しかしこの映画は、そんな野球による成功物語ではありませんでした。
当時の日本人の二世代にわたる移民のカナダの生活を描いています。
そこを本当に丁寧に描いています。
監督が「舟を編む」の石井裕也監督だったんですね。

3年働けば日本で一生暮らせるという評判を聞いてカナダに渡り、夢破れて日本にも帰ることができず、かと言ってカナダに同化しようともしない第一世代と、カナダで生まれて差別を受けながらも同化しようと葛藤する第二世代の対比も描いています。
第二世代を妻夫木聡や亀梨和也や高畑充希らが演じ、どうしようもない典型的な第一世代を佐藤浩市が好演しています。

その第二世代の野球によりある程度の成功を得られそうなところに、日本が第二次世界大戦に進む歴史が重なり、敵性国民と見なされる移民達とチームとの運命も描かれます。

単純な野球映画ではありませんでした。
無理な盛り上がりを創らずに、当時の移民政策や、戦争に向かう日本の状況も説明しすぎずに、淡々と進めます。
野球の場面ですら、他の監督ならもっと盛り上がりや感動場面を作り込むかも知れないと思うけれど、そこも抑えめにしています。

感心したのは、普通の映画ではセリフがほとんど無いチョイ役のはずのキャスティングに、結構有名な役者を当てていることです。
後で重要な役回りを演じるんだろうなと思って観ていると、そのままで終わったりします。
でも、さすがに存在感があり(そのように撮影していることもあるのですが)、市井の人々の一人一人が主役であるという意図が伝わってきます。

私が勝手に想像していたものよりも、はるかに良かったと思います。
逆に、勝手に想像していたものが、たとえば抑圧からのカタルシスであれば、それを期待する観客にとっては物足りない映画と思うかも知れません。

どちらにしても映画鑑賞代はペイできる映画だと思います。







2015年1月7日水曜日

ポスト・イット・ジョーブ  インデックス専用付箋

私は何かと使う文具の一つに付箋があります。
今までもこのブログで紹介した製品もありましたね。

付箋は欠かせません 2009年10月16日

ココサス 切り離せるふせん 2014年1月21日


今回私が紹介するのは以下の製品「ポスト・イット・ジョーブ」



これ、本や資料のインデックスとして最適です。

ちょっと本や資料のインデックスを付けたいときに、その部分にずっと貼り付けておくなら、しっかりとしたタブを付けていました。

しかし一定期間だけ貼っておきたいインデックスのニーズは、もっと多いですね。

たとえば現在調べている事件の資料などは、その事件が終わればインデックスはむしろ剥がしたいですね。

また「栞ひも」の無いノートに、毎日の栞が欲しいことなど。
そういったときには付箋を貼ることが多かったです。

しかし紙製の付箋ではすぐに折れたり切れたりします。
そこで今まで使っていたのがフィルム製の付箋でした。
切れたりはしないのですが、丸まったりしました。

また紙製と違って普通のインクでは文字を書き込むことができませんでした。



上の写真は数日前まで使っていたフィルム付箋によるインデックスです。
先がよれたり丸まったりしています。



そこで見つけたのがこの「ポスト・イット・ジョーブ」です。

・ フィルム素材であり破れないこと
・ インデックス部分が適度な大きさであること
・ 文字を書き込むことができること
・ インデックス以外の白い部分は貼ると透明になり、資料の文字を隠さないこと
・ 当然繰り返し利用できて、綺麗に剥がれること

こんなところが気に入っています。




上の写真はポストイットを貼ったところ、フィルムが完全に透明ですので、地の印刷が見えます。




インデックス部分に文字を書いてみました。
油性インクではなく普通の万年筆のインクで書いてみました。
問題ありません。
擦っても滲みませんし、消えません。

おそらくこのインデックス専用の大きさが、以前使っていたフィルム付箋よりもしっかりとしているのでしょう。


なおこの「ポスト・イット・ジョーブ」は薄くて小さなケースに入っていて、携帯もしやすいと思います。



また、ポストイットを1枚ずつ取り出せるような仕組みになっていますので、便利だと思います。



上の写真はフラットに持ち歩いている状態です。




このケースを少し曲げてみると、各付箋が1枚ずつ取り出しやすくなります。
2枚まとめて出てしまい、また付箋を戻すなどの手間が不要です。


数日使ってみていますが、今のところ折れたり破れたりしていません。
気に入っています。

なにしろ「ポスト・イット・丈夫」ですものね。







2015年1月5日月曜日

謹賀新年ー会長最後の年

新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

本日は宮城県土地家屋調査士会の仕事始です。

私が宮城県土地家屋調査士会の会長としての新年のご挨拶は今年が最後になります。
当初1期2年だけ会長を勤め、その間に未来に向けて宮城会の組織の在り方と財政を建て直させて戴くというお約束で会長を引き受けました。

1期目の当初から、各支部のご理解も戴いて、私の希望する理事を出して戴き、宮城会の課題をかなり整理できたと思っております。

お約束の1期2年目の総会を2か月後に控えた2011年3月に、あの東日本大震災が起こりました。
東北に住む人も土地も家屋も、そして宮城の会員にも大きな被害があり、5月の総会会場として予約していたメルパルク仙台ですら被災のために使用不可になりました。
宮城会の会務としても通常業務に被災会としての業務が加わり、とても会長の引き継ぎができる状態ではなくなりました。
そんなこともあり、会長を1期で辞めることができずに2期、3期とここまで来ました。

震災からの復興はまだまだ道半ばですが、宮城県土地家屋調査士会の歩みは安定してきました。そろそろ私の役は終わって良いでしょう。

私が前から申し上げておりますように、
会長とは、その人個人の目的ではなく、会員の手段なのです。

会長の3期以上重任禁止の定めがある会も有るようです。
私は適正ではないと思います。
状況に応じて会員が総会で決めれば良いだけです。
重任禁止については、おそらく決めないと居座る会長がいるかも知れないから決めたのでしょう。また別に次の人が待っているから、という都合かも知れません。

このような定めが無いと会長が居座る会があるとすれば、それは会長を選ぶ総会が健全に機能していないのかも知れません。

また任期について、1期では何もできないと言う人がいますが、その人は2期やっても同じような成果しか得られないと思います。

では宮城会では重任制限が無いし、総会で文句を言われていなければ、私は何期でも居座って良いのでしょうか。
それもまた違うと思います。
同じ人のやり方で長年やることは、会員や役員にとってお互い面倒が無いのかも知れないけれど、やはり組織として硬直化するはずです。

組織は新しい考え方を日々入れていかなければなりません。
そこは皆で大人にならなければなりません。

私はこんなことを考えているから6年前に1期と区切って働くと申し上げました。
あの震災などの都合で予定が違ってしまいましたが、今年の5月の総会で会長を辞することはご理解ください。

宮城会はもう個人の名誉だけで会長になりたいという人はいなくなったと思います。
そこについては安心しています。

私も役員を辞めて一人で楽しようとは思っていません。
土地家屋調査士の制度や後輩の為に一生頑張っていくつもりです。
ただ私の場合それが会長という役職で無くても良いのです。

本年5月の宮城会総会までしっかりと会務を勤めますので、よろしくお願い致します。






2015年1月2日金曜日

光秀の定理

気になる本は読む時間が無くても買っておくことにしています。
結構溜まったこれらの本の中、この正月に読んだ最初の本が、この本「光秀の定理(レンマ)」(垣根涼介著・角川書店)です。


買ったときからとても興味があり、私の積ん読の中では次読む本の候補トップ3にいつもいたのですが、なかなか読む機会が無かった本です。

この本のタイトルにもなった「光秀の定理」とはなんでしょうか。
本の折り返しにこんな紹介が書いてあります。

信長・天下布武の戦いの初手である六角氏攻め。
光秀が攻めるのは難敵・長光寺城。
その山城に至る山道は4本。
うち3本には伏兵が潜む。
光秀は2つの道は見極めた。
残るは2つにひとつ。
だがその確率は、本当に50パーセントか!?

歴史に確率論を持ち込んだ画期的小説です。
ここに惹かれて買いました。
光秀との生涯の友になる愚息という坊主が辻博打で使う技が、物語の早めに披露されます。

4つの伏せたお椀の中のどれかに小石を入れる。
相手に小石が入っていると思うお椀を言わせる。
それ以外の2つの外れのお椀を開く。
のこりは2つ。
ここで相手にはもう一度、この2つの中から選んでも良いと言う。
二者択一、ここで確率2分の1のはず。
しかし回を重ねる毎に愚息が次第に勝っていく。
いかさまは無い。何故なんだ。

こんな確率理論を戦国時代の謎の坊主の辻博打の舞台で使うことが面白かったです。
ここは結構引き込まれました。
そのあと、上記の紹介にあるように長光寺城攻めの場面で、この理論が実戦に使われます。
著者がこの本でやりたかったことは分かりますが、ちょっと理論的に条件設定がこの場面では違う気がします。
詳しく書くと完全なネタバレになりますので書きづらいし、書かないと何を言っているか分からないでしょう。少なくても4つの選択肢から2つ外れるときの条件が違うはずです。この本を読み終わってから再度このブログを思い出して欲しいです。

まあ、そんなことを差し引いても、この本は面白いです。
むしろこの設定の部分を気にせずに著者に騙されても構わないと思います。
だからこの本を紹介しているのです。

明智光秀が再起を図りながらも不遇な頃、流れてきた兵法者の新九郎と辻博打を生業とする坊主の愚息との交流を描いています。
この3人の人物設定がしっかりしていて、それぞれがとても魅力的に書かれています。
もう書き尽くされている明智光秀の、新しい、でも納得させられる人物像を創り上げています。

この物語は、明智光秀というよりむしろ愚息と新九郎にページが割かれています。
明智光秀というある時代の主役をとった人物とその生き方に絡む物語を、この3人の関係で描いているのでしょう。

明智光秀がなぜ織田信長に破格の待遇で取り立てられ、なぜ本能寺の変を起こしたのか、著者により明確な説明がなされています。
この部分については、そうかも知れないと思います。
騙されているかも知れませんが、読者としてはそれはそれで嬉しいです。

これだけの力量がある著者ですから、スピンオフなど、もう一度この3人を扱って書いて欲しいと思います。それだけ彼らは魅力的なキャラクターです。

当時の常識人のトップであった光秀と、天才若しくは魔王としての信長との対比で描かれる今までの物語は、大抵重いか、辛いか、悔しいかだったと思います。
光秀にまつわる物語でこのような爽やかな読後感を得て、読んで良かったと思いました。


本年もこんな感じでブログを書いていきます。
懲りないでお付き合いをお願い致します。